グリーンウォッシュとは?分かりやすく解説!

グリーンウォッシュとは、環境に配慮しているフリをする企業の姿勢を指します。

うわべを飾ることを意味する「ホワイトウォッシュ」と環境を意味する「グリーン」を掛け合わせて出来た造語です。

本気で環境に配慮する気はないのに、商品やサービスを売るためだけに「エコ」や「地球に優しい」などの言葉で訴求したり、海や森など自然に優しいことを想起するようなパッケージを採用して、消費者のミスリードを誘う手法です。

グリーンウォッシュが流行る原因

2015年には国連でSDGs、COP21ではパリ協定が採択されました。

SDGsでは持続可能な社会の実現を目指し、パリ協定では地球温暖化に歯止めをかけることを目標としています。

世界は今、人類の欲望に任せて生産と消費をする社会を否定する流れになっています。

サスティナブルを考慮した商品が選ばれるようになってきているのです。

消費者だけではなく、投資家の間でもそのような流れがきています。

環境・社会・企業統治に配慮している企業に投資をするESG投資が注目されています。

ひと昔前であれば、「実は地球に良いことやっています」というアピールをすれば加点評価になりました。

しかし、今ではどの企業でもサスティナブルというのは、もはや企業の存続を左右するキーワードとなったのです。

その企業がサスティナブルな社会を実現したいかどうかにかかわらず、もはや意識せざるを得ない時代に突入したということです。

そうすると、本気でサスティナブルに取り組んでいない企業の中には、見せかけのサスティナブルをアピールしたりする企業も出てくるわけです。

このような時代背景が、グリーンウォッシュが流行る原因になっているのです。

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グリーンウォッシュの事例

マクドナルド

ロゴ変更問題

マクドナルドは2009年にヨーロッパでシンボルカラーの赤から緑に変更をしました。

欧州の消費者たちはこの変更を、環境に配慮をしているアピールのためだけの変更、まさにグリーンウォッシュであるとし、マクドナルドへの批判へとつながりました。

紙製ストロー問題

マクドナルドには2018年、再びグリーンウォッシュ関連の批判が集まることになりました。

それが、プラスチックから紙製に変更したストローです。

2018年にイギリスとアイルランドで展開する1361店舗すべてでプラスチック製から紙製ストローに移行をしました。

そして、この紙製ストローは「100%リサイクル可能」であるとうたわれていたのです。

しかし英紙サンによると、紙製ストローはぶ厚すぎてリサイクルが困難であることが分かったのです。

英紙デイリー・テレグラフによると、元エネルギー・気候変動大臣のエド・デイビーはこう言った。「プラスチック製ストローの代替品を見つけるのはそれほど難しくはなかったはずだ。これではグリーンウォッシュ(あたかも環境に配慮しているようにみせかける行為)と言われても仕方がない。そうでなければ、とてつもない大失態だ」
引用:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12701.php

H&M

H&Mが2019年から展開している「H&M コンシャスコレクション」はグリーンウォッシュの疑いがもたれています。

「H&M コンシャスコレクション」は、すべてのアイテムがオーガニックコットンやリサイクルポリエステルといった、持続可能性の高い素材を使用していることをアピールしています。

しかし、どれくらいのリサイクル素材が使用されているかなど、十分な説明がされておらず、実際よりも持続可能であるといった誤った印象を消費者に与えている、とノルウェー消費者庁から指摘をされています。

ファストファッションは現代の大量生産・大量消費を象徴する代名詞のような存在で、ファストファッションの筆頭であるH&Mは批判に晒されやすい企業でもあります。

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グリーンウォッシュを避ける方法

グリーンウォッシュを見抜かれるとメディアや消費者から一斉に叩かれてしまいます。

ですから、グリーンウォッシュはどんどん巧妙になってきています。

グリーンウォッシュの商品を避けるためには、消費者自身もさらに賢くなる必要があります。

パッケージの裏面を見る

グリーンウォッシュの商品を回避するための大前提は、まずは商品をレジに持っていく前に、商品を手に取ってパッケージの裏面を良く見ることです。

企業は、いかにしてパッケージの表面だけを見て購入に誘導できるかを考え、パッケージデザインを考えています。

しかし、どれだけ魅力的なパッケージだろうと、裏面の原材料などの部分には絶対に嘘を書くことはできません。

なるほど、だったらパッケージの裏面を見てやりましょうじゃありませんか。

パッケージの表面に雄大な自然の写真が使われているだけで環境に配慮していると思わない。

パッケージの表面に書かれている「オーガニック」や「認証済み」といった言葉だけをうのみにせず、裏面の原材料や成分をしっかり自分の目で見て確かめる。

疑わしい成分があればスマホで検索してみる。

これだけで多くの場合、グリーンウォッシュを回避することができます。

認証マークを調べる

グリーンウォッシュを避ける方法としては、サステナブル認証マークのある商品を購入することです。

サステナブル認証マークとは、第三者機関が厳しい基準を設け、その基準をクリアした商品かどうかを審査し、審査を通過した商品だけラベルの記載が許されるマークのことです。

例えば、有機栽培で作られた食べ物であることの認証として有機JAS、持続可能な森林の利用をしている認証マークとしてFSC認証、オーガニックコットンを使用していることの認証としてOCS認証やGOTS認証などなど・・・。

もちろん購入者自身が認証マークの意味を知っている必要はあります。

どのマークがどんな審査をクリアしているのかを知ることで、グリーンウォッシュの回避に繋がります。

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最後に

SDGsは2030年を一区切りとし、それまでに持続可能な社会の実現することを目標としています。

世界はもはや「サステナブル」の流れが加速することはあっても、逆行することはないでしょう。

つまり、それだけサスティナブルを謳い文句にするグリーンウォッシュな商品やサービスが登場するだろうことは疑う余地がありません。

消費者自身も知識を身に着けることが求められるでしょう。

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