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グレートリセットとは?意味や注意点を解説します

グレートリセットとは、持続可能な社会を実現するため、経済・社会・環境などを一度リセットして再構築することを意味します。

2020年6月、2021年1月の第50回世界経済フォーラム(WEF)のテーマとして「グレートリセット」が発表されたことで注目を集めた概念です。

しかしなぜグレートリセットなんてものが提唱されたのか。

そしてもし本当に必要ならそれはいつ行われるのか。

漠然と言葉の意味は知っていても、詳しい内容までは知らないという人は多いかもしれません。

本記事では、グレートリセットについて詳しく紹介させていただきます。

目次

背景

リセットしようと言っている以上、現在の社会制度には問題があるというわけです。

じゃあ今現在、世界はどんな制度によって支えられているのかと言えば、非常にざっくり言うならば「資本主義」です。

資本主義

物質的な豊かさと経済成長だけを無尽蔵に追い求める仕組みです。

例えば自由主義のアメリカと権威主義の中国は、全く異なる価値観やイデオロギーを持つ国のように思います。

しかし、お金というエンジンによって国を成長させていこうという点においては共通しています。

中国は共産党の一党独裁国家ですが、みんなで一緒に働いて、みんなに平等に食料を配る、なんてことはしていないわけで、実態は資本主義です。

ソ連崩壊は、どの国も基本的には資本主義によって国家を運営しています。

じゃあ資本主義は絶対に安泰なのかと言われると、そうではありません。

環境問題

ここ最近SDGsとかサステナブルなどなど「持続可能」という言葉をよく聞くようになったと思います。

よく聞くようになったということは、つまり今の世界は「持続可能ではない」ことを意味します。

経済成長だけを優先して化石燃料を燃やしまくった結果、地球温暖化は進行し続け、気候変動の危機に直面しています。

増え続ける人口に見合わない食料システムを維持し続けてきた結果、畜産による森林伐採が行われ、生態系が失われ続けています。

パンデミック

あるいは、2020年に発生した世界的パンデミックによって、従来の「雇用」のあり方も持続可能ではない現実に世界は気づきました。

例えば、パンデミックによってリモートワークの必要性に迫られ、多くの企業は図らずもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進行することになりました。

しかし、わざわざ会社に出社する必要がなくなったことで、AIなどの技術によって業務の効率化が進んだことで、これまで通りの労働力は必要がなくなるわけです。

つまり、パンデミックによって従来型の労働はリセットを迫られ、パンデミック後に訪れるであろう「未来の仕事」のため、労働者のスキルアップなどを考える必要があるだろうと世界は考えたのです。

資本主義という仕組みも、雇用市場も、もはやこれまで通りのやり方は通用せず、大胆な変革を迫られている。

そんなわけで、グレートリセットは提唱されているわけです。

批判と反論

しかし、グレートリセットの概念には批判や反論の声もあったりします。

批判者たちは、この概念が経済的な自由や個人の自由を侵害する可能性があると主張しています。

また、一部の人々は、このリセットが大企業や富裕層に有利な形で行われ、社会的・経済的な格差がさらに拡大するのではないかと懸念しています。

しかし、支持者たちは反論し、グレートリセットはあくまで全体の持続可能性と公正性を追求する試みであり、パンデミックによって明らかになった問題を解決するための手段だと主張しています。

また、持続可能な経済モデルや社会的な公正性は、中長期的には経済的な成長や個人の自由を支える要素であるとも主張しています。

注意点

ここまでお読みいただいた方なら薄っすら感じてらっしゃる方もいるかもしれません。

「で、結局グレートリセットって何なの?」

という話ですよね。

実際のところ、グレートリセットが具体的に何を意味するのか正確に理解するのは困難なんです。

いつ、どのように始まるのか、何が起こるのかが曖昧です。

しかしなぜ曖昧なのかといえば、ずばり「話し合いの途中」だからです。

グレートリセットに関するWEFのサミットは2021年に予定されていましたが、世界的パンデミックによって2022年に延期されました。

で、2022年に開催予定だったWEFの会議も、結局はロシアのウクライナ侵攻が話題の中心になることに。

結局、グレートリセットに関する話し合いは進まないまま、今日に至るわけです。

で、この明確性のなさが相まって、多くの陰謀論が生み出されてしまいました。

実際、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどではグレートリセットをめぐり多くの陰謀論を引き起こしました。

たとえば

「パンデミックは世界経済の支配権を握るために秘密組織によって作られた」
「ロックダウンは経済崩壊を誘発するために意図的に設計された」
「食べるものや私有財産が制限される」

といった主張です。

ただ、イギリスの慈善団体「Full Fact」のファクトチェックによると、いずれも根拠のない陰謀論であると結論づけています。

【参照】The Great Reset: What is it?

まとめ

グレートリセットの定義が曖昧なので

「結局私たちはどうすればいいのか」

という問いかけになんとお答えすればいいのか難しいところではあります。

ただ「いまの世界は持続可能ではないので変化が求められている」という点においては同意します。

経済の再構築、教育や医療の改革、そして都市計画に至るまで、様々なレベルでの大胆な変化が必要でしょう。

また、テクノロジーの役割も無視できません。

テクノロジーは新たな経済モデルの開発、社会サービスの提供、持続可能な都市開発などに大いに貢献できる可能性があります。

しかし、その一方で、デジタル化が進む中で生じるデジタルデバイドやプライバシー侵害などの問題にも対処する必要があります。

そしてこうした変革は、我々一人ひとりの意識改革から始まります。

持続可能な生活スタイルを選ぶこと、公正な社会を求めること、地球環境を保全すること。

それぞれの選択と行動が、結果的には社会全体の「リセット」に繋がるのです。

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この記事を書いた人

持続可能な社会の実現を目指す300人以上の生活者や企業が集まる「サステラコミュニティ」運営。生まれも育ちも神奈川県横浜市。現在は鎌倉市在住。2018年にWEBメディアの会社を起業。フォロワー9万人のInstagramを中心にSDGs、地球温暖化、エシカル消費などの情報を発信しています。

【プロフィール詳細】
https://susterra.net/ryu/

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