環境や社会への影響力、透明性、説明責任、持続可能性において優れた会社に与えられる認証制度が「Bコープ」という認証です。
とても厳しい評価基準を満たしている企業だけがBコープ認証を受けることができます。
どれくらい厳しいかというと、80点をとると認証を受けられる審査で、実際には5%程度の企業しか審査を通過できないほど。
つまりBコープ認証を受けている企業は「良い会社の世界標準」ということです。
海産物ならMSC認証、オーガニックコットンならGOTS認証といったように、業界ごとの認証はあります。
しかしBコープはこのような業界の垣根を越えた認証制度です。
多くの認証は商品ごとに審査をされますが、Bコープ認証は企業ごとに審査がされます。
2024年3月時点でBコープ認証は96か国、8,400社、162業界で導入されており、今もなお増え続けています。
日本での認知度はまだまだ低いですが、世界では徐々に広がりを見せている制度です。
欧米ではすでに「買うならBコープの商品」という消費者も増えているほどです。
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ファッション
パタゴニア
サステナブル企業の代名詞といえばパタゴニアです。
パタゴニアは1996年以降、綿素材の商品にはすべて無農薬のオーガニックコットンを使用しています。
いまでこそプラスチックをリサイクルした素材で作られる靴や洋服も珍しくありませんが、パタゴニアは1993年にペットボトルを再利用したフリースを製造しています。
また、パタゴニアは1985年以降、自然環境の保護・回復のために売り上げの1%を利用することを誓約し、これまで8900万ドル相当の寄付を草の根環境団体に行っています。
インパクトスコア:151.4
SAVE THE DUCK
世界中で搾取され続けている羽毛・ダック達を守りたいという信念のもと2012年にイタリアで生まれたダウンブランド「Save The Duck(セーブザダック)」。
ダウンフェザーに代わる新素材「PLUMTECH(プラムテック)」を中綿として使用することで、軽さ、暖かさ、柔らかさに優れた商品開発に成功をしました。
サステナブルな企業にのみ与えられる厳格で信頼性の高い認証制度である「B Corps認証」を取得しています。
インパクトスコア:95.0
allbirds
熱心な環境活動家でもあるレオナルド・ディカプリオが出資をしたことで話題になったサステナブルなシューズブランド「allbirds(オールバーズ)」。
シューズの素材にはメリノウール、ユーカリ、サトウキビなど持続可能な素材が採用されています。
また、商品の製造過程で「どのくらいのCO2を排出しているか」という表示をカーボンフットプリントと呼び、オールバーズはすべての商品にカーボンフットプリントを明記しています。
一般的なスニーカーのカーボンフットプリントは「12.5kg CO2e」、オールバーズは平均「7.6kg CO2e」のカーボンフットプリントを排出します。
インパクトスコア:96.5
VEJA
ブランド名のVejaはポルトガル語で『見る』という意味で、「生産されたシューズの向こう側には何があるのかを”見る”」という意味が込められています。
オーガニックコットン、リサイクル素材、バイオ由来のヴィーガンレザーなど、すべてのモデルでサステナブルな素材を採用しています。
また、ヴェジャは素材の調達方法にもこだわり、介業者を介することなく生産者組合と直接やり取りする「フェアトレード」を実践しています。
インパクトスコア:84.2
ECOALF
すべてのアイテムを再生素材や環境負荷の低い天然素材のみで作っている、スペインのサステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」。
ブランド自らが海のゴミを収集し、ペットボトル、タイヤ、魚網などを独自の技術でリサイクルして生地を開発し、ウェアをつくっています。
「服を売るために環境にも配慮する」という発想のブランドが多い中、ECOALFは「地球環境を守るために服を売る」という、斬新でサステナブルな発想が特徴です。
エコアルフ財団はこれまでに500トン以上のゴミを地中海の海底から回収しています。
インパクトスコア:99.1
GOT BAG
海洋廃棄プラスチックをリサイクルしたポリエステルをバッグの生地として使用し、ゴミの再利用、削減に取り組んでいるドイツ発のリサイクルバッグブランド。
GOT BAGはバックパック1つに対して、約3.5kgの海洋廃棄プラスチックを回収して、そのうちの1.5kgをバックパックに、残りの2kgを別のリサイクルに回しています。
商品を作ることによって海洋ゴミの清掃活動をしているというわけです。
インパクトスコア:83.6
美容・コスメ
ドクターブロナー
私が知っている限りB Corp企業の中で最もインパクトスコアが高い企業がドクターブロナーです。
ドクターブロナーは徹底して認証ラベルを取得することにこだわっています。
通常であれば1つ取得するのがやっとのオーガニック系の認証も、3つも取得しています。
さらに、フェアトレード認証に関しても2個も取得し、クルエルティフリー認証も取得するなど、社会問題からアニマルライツまで全方位に配慮しています。
グランドキャニオンの公式ガイドラインに「グランドキャニオンで使用する洗浄料はドクターブロナーのようなものを」と記載されています。
世界遺産から生分解性の高さを認められている、自然にやさしいドクターブロナーおそるべし。
インパクトスコア:206.7
Badger
認証を受けているだけですごいB Corp企業の中で最高評価を受けた企業に与えられる「Best For The World」を、バジャーは2013年~2019年の中で6回受けています。
オーガニックコスメ界でトップクラスに審査が厳しいと言われているのが米国農務省の「USDAオーガニック認証」で、日本でいうところの有機JAS認証にあたります。
審査の厳しさゆえに、USDA認証を受けているコスメは数少ないですが、バジャーは大部分の商品でUSDA認証を受けています。
またバジャーは利益の10%を、子どもたちの健康と福祉(環境教育を含む)、地域社会に貢献する地元団体、平和と幸福の促進に焦点を当てた非営利団体に寄付しています。
インパクトスコア:147.4
All good
サンゴに無害な日焼け止めが人気のAll good。
一般的な日焼け止めに含まれる化学物質は、サンゴ礁の毛穴を詰まらせ、サンゴの生き物にとっては好ましくありません。
All Goodのミネラルサンスクリーンは、これらの成分を一切使用せず、紫外線をブロックする成分を100%使用しています。
またAll goodは女性活躍も推進している企業。
女性の社長によって設立され、女性によって所有されている企業です。
生産施設は女性が運営し、女性スタッフが働き、女性の農業従事者、女性の財務担当者、女性の営業担当者もいます。
インパクトスコア:121.5
ethique
プラスチックフリーのシャンプーを展開しているエティーク。
パーム油不使用、動物実験なし、動物由来成分なし、原料はフェアトレード、コンポスト化可能包装という徹底ぶり。
特にパーム油不使用のシャンプーはエティークくらいじゃないでしょうか。
利益の20%が環境団体に寄付されます。
製造工程はカーボンニュートラル。
注文1件につき1本の木やマングローブが植えられます。
インパクトスコア:117.9
【関連記事】カーボンニュートラルとは?分かりやすく意味を解説します
THE BODY SHOP
1976年イギリスで誕生したTHE BODY SHOP(ザボディショップ)は、天然の植物原料を主に使用する自然派化粧品ブランドです。
創業者であるアニータ・ロディックは、「企業には世界をよくする力がある」という信念をもとに人権問題・動物実験廃止・環境保護など社会貢献とビジネスの両立を追求してきました。
1987年、農家や生産者など経済的自立を支援するために、世界に先駆けて独自のフェアトレードプログラム「コミュニティトレード」を開始。
寄付や援助ではなく、継続的かつ公正な取引を直接行うことで、農家や生産者は、雇用が守られ安定した収入を得ることができます。
現在、30年以上世界23ヵ国31サプライヤーと直接取引を行っており、長期にわたって人々の生活をサポートしています。
全製品の95%がコミュニティフェアトレードの原料を使用してるので、私たちは、ザボディショップのアイテムを購入することで貧しい地域に住む人々を救うことに繋がります。
インパクトスコア:82.6
Aesop
オーストラリアのスキンケアブランドAesop(イソップ)。
同社の商品は動物由来成分を含まないヴィーガンであり、動物実験も行っていません。
また、地域社会への貢献も大きく、2017年以来イソップ財団は600万豪ドル以上を慈善団体に寄付しています。
インパクトスコア:87.1
Melixir
韓国発の100%ヴィーガンスキンケアブランド「melixir(メリクサー)」。
高品質の植物性原料を使用して製品を製作し、一切の動物性原料を使用していません。
アメリカの動物愛護団体PETAを通してヴィーガン化粧品であることが認証されています。
インパクトスコア:89.1
日本企業
Bコープに認証されている日本企業は2023年7月時点で27社です。
ただ、台湾は43社、シンガポールは32社なので、必ずしも多い数字とは言えないかもしれません。
Eco Ring
ブランド品の買い取りを行っている企業です。
B Corp認証を取得している日本企業の中では最も規模の大きい会社です。
女性役員比率40%だったり、LGBTQイベントへの協賛をしたりと、ジェンダー問題に積極的に取り組んでいます。
インパクトスコア:101.0
【関連記事】ジェンダーとは?意味や使い方をわかりやすく簡単に解説
クラダシ
クラダシは廃棄間近の商品を安く販売することで食品ロス削減に貢献し、さらには売上の一部で寄付をすることが出来るという社会貢献型のショッピングサイトを運営する企業です。
また、クラダシは通常スーパーやコンビニで買う値段よりはるかに安い金額で商品を買うことができるため、純粋に「お得に買い物をしたい」という人からも高い支持を得ています。
インパクトスコア:110.1
【関連記事】kuradashi(クラダシ)の評判は?47人の口コミを紹介します
ダノンジャパン
ヨーグルトでおなじみのダノンジャパン。
元々は味の素とフランスのダノンの出資で設立された日本法人です。
2007年からはフランスのダノンの100%子会社なので、日本企業としてカウントしていいのかは何とも言えないところですが、登記上は日本企業です。
インパクトスコア:85.3
泪橋ラボ
開発途上国の保健システム強化のためのコンサルタント企業。
技術協力や資金援助のプロジェクトにおいて、設計、管理、評価などのさまざまなサービスを行っています。
インパクトスコア:83.3
日産通信
光ファイバーを設置するアクセス工事、モバイル基地局の設置を行う移動体工事、防犯カメラの設置を行うセキュリティ工事を事業する企業。
インパクトスコア:88.3
フリージア
埼玉県で、地域密着型の介護サービスを提供する企業。
インパクトスコア:81.4
石井造園
公共施設の環境整備や造園をはじめ、マンションの外構や個人様の庭造り、メンテナンスなどを手掛ける企業。
インパクトスコア:81.9
シルクウェーブ
プラズマチタン加工による羽毛の製造、アップサイクル、人工光合成技術によるエアカーボンなど、新素材開発のシルクウェーブ産業
インパクトスコア:93.9
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