グリーンライフポイントとは
「消費者が環境に配慮をした行動をとった際にポイントを付与する制度」
のことを指します。
サステナブルな行動をとるメリットを与えることで、人々の環境意識を高め、CO2排出を削減する狙いがあります。
温室効果ガス排出量のうち約6割は家計関連と言われています。
企業ばかりが脱炭素に注力をしても、消費者が変わらなければカーボンニュートラルは実現できません。
ですから、消費者に行動変容を促すため、グリーンライフポイントが導入されるというわけです。
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導入時期はいつ?
環境省は2022年4月からグリーンライフポイントを導入すると発表をしました。
レジ袋有料化に続く、スプーンやストローなどプラスチック12製品の有料化も、2022年4月の導入が予定されています。
ポイントの利用方法
通販サイト、スーパー、家電量販店などが発行するポイントに、更に上乗せする形でグリーンライフポイントが付与されます。
ポイントは既存のポイントと同様に買い物などで使うことが出来ます。
ポイントの対象
ポイントの対象となるアクションは「衣・食・住・循環・移動」の5種類です。
衣
- 持続可能なファッションの選択
- 服の再利用や服のレンタルサービスなどファッションロス削減
洋服は世界で2番目に環境汚染をしている産業と言われています。
世界の耕地面積のたった2.5%に過ぎない綿花畑において、世界の農薬の6.8%、殺虫剤の15.7%が綿花の栽培で使用されています。
コットンの栽培で大量の農薬・化学肥料が使用され、Tシャツ1枚に使用される水の量は2,700リットルです。
そんなわけで、最近では持続可能に配慮をしたサスティナブルファッションが大きな注目を集めています。
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食
- 食品ロス削減につながる期限間近の商品購入
- 地産地消の食材購入
- 食べ残しの持ち帰り
- ビーガン向け食品の購入
「食」は環境負荷の大きな産業の一つです。
特に畜産は大量のCO2排出、森林伐採、水の使用に繋がっています。
世界で排出される温室効果ガスのうち、実に全体の18%を畜産が占めていると言われています。
また、日本のように食料自給率の低い国では食料を輸入する際に発生するCO2も大きな問題となっています。
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住
- 太陽光など再生可能エネルギー電気への切り替え
- 高性能な省エネ機器への買い替え
2019年度分のCO2排出量のうち、全体の約14%が家庭からの排出分となっています。
産業や運輸といった企業側のCO2排出ばかりが注目されがちですが、家庭でのCO2削減も重要です。
新たな地球温暖化対策計画の素案では、家庭部門でエネルギー使用に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を同66%削減することを目指しています。
最近はみんな電力やハチドリ電気といったように、家庭向け再生可能エネルギー電源の電力会社があり、太陽光パネルなどを設置したりすることなく、気軽に切り替えることが可能です。
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循環
- コンビニやカフェで無料提供されるストローやスプーンなどを断る
- 簡易包装の商品を選ぶ
2030年度までに食品ロス半減(00年度比)、使い捨てプラスチック排出量25%抑制といった目標実現への貢献が狙いです。
最近は生分解性プラスチックや再生プラスチックなど、環境負荷の低いプラスチック製品が増えています。
しかし、そもそも「受け取らない」というリデュースも重要なアクションです。
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移動
- カーシェアリングの利用
- シェアサイクルの利用
カーシェアリングは必要な駐車スペースの削減に繋がり、また一人あたりの年間自動車走行距離が低下することから、環境負荷の低減に有効だと言われています。
交通エコロジー・モビリティ財団の調査によると、自動車総走行距離の減少に加え、利用する車の小型化や燃費向上効果により、1世帯あたりの年間CO2排出量は平均0.34t(率にして44.9%)削減されたそうです。
また、そもそも自動車に乗るのではなく、交通手段として自転車を有効に活用するシェアサイクルも大きなCO2削減に繋がることが期待されます。
事業者
「グリーンライフ・ポイント事業」に、楽天グループやNTTドコモなど26団体が参入することがわかっています。
楽天ポイントを運営する楽天グループは、省エネ家電や古着を購入した利用者にポイントを付与。
NTTドコモは、「dポイント」が使えるスーパーやコンビニなどで、消費期限の迫った青果物や総菜を購入した客に発行。
イオンモールは、プラ製のフォークやスプーンの受け取りを辞退した客を対象。
この3企業だけで、既存ポイントの会員数2億人を超えます。
メリット
エシカル消費とかサステナブルな行動は、これまでは意識の高い一部の人たちだけが実践するものでした。
例えばサステナブルファッションって普通の商品に比べると少し高かったりして、環境に配慮する意識がなければ買うメリットがありません。
ビオセボンみたいなオーガニック系のお店も、赤坂とか麻布十番とかハイソな地域にしかなかったりしますからね。
私は2020年5月から自宅の電気を再生可能エネルギーに切り替えましたが、やっぱり東京電力に比べると少しだけ高いです。
つまり、目の前の生活で精一杯の人たちにとって、サステナブルな行動をとるのは、出費が増えるというデメリットこそあれ、メリットがありませんでした。
しかし、グリーンライフポイントによってサステナブルな行動をとるメリットができたというわけです。
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個人的な感想
ポイ活なんて言葉もあるくらい、日本人ってポイント大好きですからね。
国民性には非常にマッチしている施策だと思います。
特にCO2排出量の6割を家計関連が占めているわけですから、大衆を動かさなければカーボンニュートラルの実現は到底不可能です。
加えて、食の脱炭素に踏み切ったのも大きな一歩です。
これまで脱炭素と言えば何かとガソリン車ばかりがやり玉に挙げられていましたが、実際には「食」も大量のCO2を排出している分野です。
世界で排出される温室効果ガスのうち、実に全体の18%を畜産が占めていると言われています。
18%というのは、自動車・飛行機・船舶といった「全ての交通」が排出する温室効果ガスを超える量です。
カーボンニュートラルを実現するには、ガソリン車をEVに切り替えるだけでは全く不十分なわけです。
なんで食には全く言及されないんだろう、と常々疑問に感じていたので、今回ヴィーガン食がグリーンライフポイントの対象に含まれたのは大きいです。
いずれにせよ、今回発表されたグリーンライフポイントには個人的には期待をしています。
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【参照】環境省:食とくらしの「グリーンライフポイント」推進事業
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