太陽光発電のメリット・デメリットについて解説します

二酸化炭素が地球温暖化の原因となっていることから、多くの国々が脱炭素社会の実現を宣言しています。

そして二酸化炭素を排出する化石燃料から、再生可能エネルギーへとシフトしつつあります。

再生可能エネルギーといえば、多くの人がまず思いつくのが太陽光発電ではないでしょうか?

日本の一般家庭の屋根にも設置されていたりして、とても身近な発電方法です。

しかし、太陽光発電にはどんな長所と短所があるのかまで把握できている人は多くないかもしれません。

というわけで、本記事では太陽光発電のメリットとデメリットについて解説させていただきます。

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メリット

エネルギーが無限

火力発電で消費される石油や石炭といった化石燃料は地球上に埋蔵されている量に限りがあります。

そのため、使い続けていればいつかは枯渇してしまいます。

しかし太陽光発電は太陽の光をエネルギーに変換するため、太陽がある限り、無限に発電することが可能です。

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二酸化炭素排出ゼロ

火力発電は地球温暖化の原因となる二酸化炭素を多量に排出します。

一方、再生可能エネルギーは発電時に二酸化炭素を排出しません。

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設置制限がない

太陽光発電のパネルは建物の屋根や壁などに設置することが可能で、専用の敷地を必要としません。

そのため、個人宅でも太陽光発電のパネルを設置している人が多いです。

遠隔地の電源

山岳部や農地など送電設備がない遠隔地の電源として活用することができます。

エネルギー自給

日本のエネルギー自給率は非常に低く、約9.6%しかありません。

石油、石炭、天然ガス、ウランなど、すべて輸入に頼っています。

一方、太陽光発電なら日本でもエネルギー自給が可能です。

デメリット

日照に左右される

太陽の光をエネルギーに変えるため、発電量は日照時間に依存することになります。

夜間に発電ができないのはもちろん、昼間でも天候が悪ければ発電量が大幅に落ちます。

この点、天候に左右されない火力発電や原子力発電に比べると、太陽光は発電量の安定性に欠けると言えます。

森林伐採

大規模な太陽光発電所をメガソーラーと呼びます。

近年、メガソーラーを設置するため、山などを切り開くような森林伐採が問題視されています。

発電効率が悪い

太陽光発電は、火力発電、原子力、水力発電に比べると発電効率が悪いです。

発電効率とは、光や熱などのエネルギーを電気に変換する効率のことを指します。

太陽光発電 約14~21%
風力発電 約30%~40%
水力発電 約80%
地熱発電 約10~20%
バイオマス発電 約20%
火力発電 約42~61%
原子力発電 33%

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発電コストが高い

一般的に太陽光発電は、発電電力量当たりのコストが他の発電方法より割高であると言われています。

しかし世界的に見てみると、太陽光発電の発電コストは年々下がってきています。

出典:資源エネルギー庁

2020年時点では、世界の人口の3分の2にあたる国々で、新規設備容量として最も安価な発電方法になっています。

日本でも太陽光発電や風力発電の発電コストは低下しつつあるものの、火力発電のランニングコストよりも高いのが現状です。

最後に

太陽光発電にもメリットだけでなく、デメリットがあることはお分かりいただけたと思います。

特にメガソーラーによる自然破壊は深刻な問題なので、地元住民とのコンセンサスをしっかり得る必要があります。

じゃあ太陽光発電は導入しない方がいいのか?

と言われるとそんなことはなく、むしろ太陽光発電のシェアは今後どんどん伸びていくでしょう。

何しろ多くの国が脱炭素社会の実現を宣言しているわけですから。

特に日本の場合は東日本大震災で原子力発電への反発が多いので、エネルギーの選択肢は多くありません。

脱炭素をしつつ、電力を安定供給しなければならない。

これらを両立するには、太陽光発電は今後も積極的に活用する必要があると言えるでしょう。

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