SDGs目標8「働きがいも、経済成長も」とは?世界の現状や取り組みを紹介

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RYU

生まれも育ちも神奈川県。サステナブル生活2年目。自宅の電気を再エネに切り替えました。フォロワー3万人のInstagramを中心にSDGs、地球温暖化、エシカル消費などの情報を発信するメディア「サステラ」を運営中。

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SDGsは社会問題や環境問題に関する目標、というイメージが強いです。

しかし実際には「経済発展をしよう」という目標も掲げられています。

それが、17個ある目標のうち8番目「働きがいも、経済成長も」です。

でも、人類はこれまでだって経済成長を追い求めてきたはずです、むしろ必要以上に。

その結果、労働者を無視して利益だけを追求する会社が現れたり、環境が破壊されて地球温暖化に繋がったりしているのが現状。

なぜSDGsの中であえて経済成長に関する目標を掲げる必要があるのか疑問に思われる方もいるでしょう。

しかし、SDGsで掲げている貧困、飢餓、健康、教育といった目標は、経済成長なしには解決はできません。

そんなわけで、「経済成長はやっぱり大事、でもそれだけじゃダメ」ということを言っているのが目標8なわけです。

一体どんな目標なのか、世界は今どんな課題を抱えているのか、本記事で詳しく解説させていただきます。

ぜひ参考にしてみてください。

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ターゲット

8包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
8.1各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。
8.2高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上およびイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
8.3生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性、およびイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。
8.42030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10カ年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。
8.52030年までに、若者や障害者を含むすべての男性および女性の、完全かつ生産的な雇用およびディーセント・ワーク、ならびに同一労働同一賃金を達成する。
8.62020年までに、就労、就学、職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。
8.7強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終わらせるための迅速で効果的措置の実施、最も劣悪な形態の児童就労の禁止・撲滅を保障する。2025年までに少年兵の徴募や利用を含むあらゆる形態の児童就労を撲滅する。
8.8移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。
8.92030年までに、雇用創出、地元の文化・産品の販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
8.10国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険、および金融サービスへのアクセス拡大を促進する。
8.a後発開発途上国のための拡大統合フレームワークなどを通じて、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。
8.b2020年までに、若年雇用のための世界的戦略および国際労働機関 (ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。

世界の現状

失業率

2017年時点の世界の失業率は5.6%で、人口にして1.92億人です。

2000年の6.4%と比べると、改善していると言えるでしょう。

ただ、5.9%を記録した2009年以降、下がり方が緩やかになっています。

また、若者は大人の3倍の確率で失業しており、2017年の世界の若者の失業率は13%でした。

加えて2020年に発生した世界的なパンデミックにより、世界中の労働時間の6.7%が消滅するとみられています。

これは、新たに1億9500万人のフルタイム労働者が職を失うことに相当します。

国際労働機関(ILO)によると、第2次世界大戦以来の「最も深刻な危機」としています。

児童労働

世界には、教育を受けずに労働を強いられる子供が沢山います。

2016年時点で約1億5200万人、つまり世界の子どもの10人に1人が児童労働に従事していることになります。

後発開発途上国と呼ばれる、世界でもっとも貧しい国々だけで言えば、5歳~17歳までの子供の4人に1人が労働を強いられています。

家が貧しく、両親の稼ぎだけでは生活ができないため、家計を支えるために働かざるを得ないのです。

参照:https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/8-economic_growth/

強制労働

ILOによると、世界には現在2490万人の強制労働者がいると言われています。

強制労働に従事している2,490万人のうち、1,600万人が家事、建設、農業などの民間部門で搾取されており、480万人が強制的な性的搾取を受けており、400万人が国家権力によって課せられた強制労働を受けています。

強制労働の被害者は女性と少女に偏っており、商業的性産業では99%、その他の分野では58%を占めています。

参照:https://www.ilo.org/global/topics/forced-labour/lang–en/index.htm

非正規雇用

世界全体では、2016年に全労働者の61%が非正規雇用に従事していました。

農業部門を除くと、全労働者の51%が非正規雇用の労働者です。

持続的かつ包括的な経済成長を実現するためには、非正規雇用や労働市場の不平等の是正が求められます。

ジェンダーギャップ

データのある45カ国のうち40カ国では、男性の方が女性よりも12.5%多く働いています。

男女間の賃金格差は、世界全体で23%に達しており、断固とした行動をとらなければ、同一賃金の実現にはあと68年かかると考えられます。

また、女性の労働力参加率は63%であるのに対し、男性は94%です。

公共の場での女性の存在感が増しているにもかかわらず、女性は男性の2.6倍もの無給の介護や家事をこなしています。

銀行口座

高所得国では、ほぼすべての成人が銀行などの金融機関に口座を持っていますが、低所得国では35%にとどまっています。

すべての地域で、女性はこの点で男性よりも遅れています。

ラナ・プラザの悲劇

先進国と途上国の経済的な格差は、途上国における労働環境に悪影響を及ぼしています。

2013年にバングラデシュで起こった「ラナ・プラザの悲劇」は、先進国と途上国の不均衡を語る上でもっとも象徴的な事故です。

8階建ての商業ビル「ラナ・プラザ」が崩壊し、死者1,127人、負傷者2,500人を出した大惨事です。

当時ラナ・プラザには27のファッションブランドの縫製工場が入っており、その工場では多くの女性が働いていました。

地元有力者であるラナ・プラザのオーナーは、洋服の生産量をひたすら最優先し消費者の需要に対応しようと、元々5階だったビルを無理矢理8階建てにした背景があります。

コストを下げるために鉄筋を使わない違法な増築を繰り返し、ビルにひびが入っていることを従業員が訴えても強制的に働かされたと言います。

そして建物の強度に問題を抱えながらも労働者をすし詰め状態で働かせ、とうとうビルが崩壊した訳です。

のちの調査により、大型の発電機と、数千台にもおよぶミシンの振動が、ビル倒壊の誘因だったことが分かりました。

できること

SDGs目標8を解決するために、私たち個人に出来ることとして、フェアトレード商品を購入することがあげられます。

フェアトレード

フェアトレードとは、発展途上国で作られた商品を適正な価格で販売する仕組みのことです。

このようなフェアトレード認証マークがある商品を買うことで、生産者や労働者に正当な対価が支払われます。

さらに、フェアトレードの認証を受けるためには以下の基準をクリアする必要があります。

経済的基準・フェアトレード最低価格の保証
・フェアトレード・プレミアムの支払い
・長期的な取引の促進
・必要に応じた前払いの保証など
社会的基準・安全な労働環境
・民主的な運営
・差別の禁止
・児童労働・強制労働の禁止など
環境的基準・農薬・薬品の使用削減と適正使用
・有機栽培の奨励
・土壌・水源・生物多様性の保全
・遺伝子組み換え品の禁止など

つまり、フェアトレード商品を購入することで、途上国の劣悪な労働環境を解消するだけでなく、児童労働や強制労働に加担せずに済むのです。

最後に

以上がSDGsが8番目に掲げる目標「働きがいも、経済成長も」の解説です。

経済成長することは重要ですが、その結果として被害をこうむる人がいるなら、それは持続可能とは言えません。

不当な労働で搾取される人はもちろん、森林伐採で住処を奪われる動物たちも、温室効果ガスをばらまかれる地球も経済成長の被害者です。

産業革命以降、ただひたすらに経済成長だけを追い求めてきた人類はいま、「どう成長するか」を考えるべきときがきていると言えるでしょう。

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