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SDGs目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」とは?世界の現状や取り組みを紹介します

今や人間の生活と電気は切っても切り離せない関係にあります。

産業革命以降、エネルギーによって人は豊かさを獲得してきました。

しかし同時に、エネルギーこそが、地球に温暖化という問題を生み出しました。

どのように電気を生み出すのか、というのは世界が協力して解決していくべき課題です。

というわけで、SDGsでは「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」という目標を掲げているわけです。

本記事ではそんなSDGsの目標7について解説をさせていただきます。

【関連記事】SDGs(エスディージーズ)とは?17の持続可能な開発目標について解説

6個のターゲット

7 すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率、および先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究および技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

【関連記事】SDGs「169」のターゲットとは?達成基準を一覧で紹介します

世界の現状

電気を使えない人

2017年時点で、世界で電気を使えない人が8億4000万人います。

2010年には12億人だったことを考えると、着実に減少していると言えます。

しかしいまだに8億人いて、2030年までに普遍的なアクセスを達成できる電化率ではありません。

最新の予測によると、2030年時点で6億人以上がまだ電気にアクセス出来ていないと言われています。

電気を使えない人はサハラ以南のアフリカに集中しており、2017年時点で5億7300万人がアクセスできていません。

出典:https://trackingsdg7.esmap.org/data/files/download-documents/2019-Tracking%20SDG7-Full%20Report.pdf

調理用エネルギー

世界では30億人が調理や暖房のために家の中で木材、石炭、動物の廃棄物を燃やしています。

自宅での可燃性燃料の使用による室内空気汚染で、2012年には430万人の死亡を引き起こしています。

死亡原因は非感染性疾患(心臓病、脳卒中、がんなど)や肺炎などです。

最新の予測によれば、2030年時点で約22億人の人々がいまだにクリーンな調理用エネルギーを利用できない状態にあります。

出典:https://trackingsdg7.esmap.org/data/files/download-documents/2019-Tracking%20SDG7-Full%20Report.pdf

地球温暖化

世界の温室効果ガス総排出量の約60%をエネルギーが占めており、地球温暖化、気候変動の最大の原因となっています。

特に石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を使用する火力発電が最も温室効果ガスを排出します。

また、石油、石炭、天然ガスなどは、使い続ければいつかは枯渇する、限りある資源です。

そのため、世界は火力発電に代わるクリーンで持続可能なエネルギーを模索しているのです。

【関連記事】地球温暖化とは?原因・対策・影響について解説します!

再生可能エネルギー

枯渇することがなく、かつ地球に負荷を与えないクリーンなエネルギーのことを「再生可能エネルギー」と呼びます。

太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスなどが再生可能エネルギーです。

これらのエネルギーは永久的にエネルギーを供給でき、かつ二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーです。

再生可能エネルギーの普及は進んでおりますが、世界的にみてもまだまだ化石燃料や原子力が占める割合が大きいです。

世界の再生可能エネルギー発電の割合は2016年時点で24.5%(水力発電16.6%、風力発電4%、バイオマス発電2%、太陽光発電1.5%)、化石燃料や原子力による発電が75.5%です。

なぜここまで普及が進んでいないのか、それは再生可能エネルギーもメリットだらけではないからです。

【関連記事】化石燃料とは?種類や問題点について解説します

デメリット

再生可能エネルギーは、化石燃料や原子力に比べるとエネルギー供給が不安定です。

例えば太陽光発電の発電量は日射量によって決まるので、雨の日や曇りの日ばかり続けば発電量は落ちてしまいます。

また、再生可能エネルギーの設備を設置しなければなりませんから、多額の初期費用がかかるため、途上国などは気軽に導入できません。

【関連記事】再生可能エネルギーとは?種類とメリット・デメリットを解説

日本の現状

2019年時点で、日本は世界で5番目のエネルギー消費国です。

これだけ多くのエネルギー消費をしているわけですから、積極的にクリーンエネルギーを導入していてしかるべき国ということです。

もちろん、日本でも着実に再生可能エネルギーが占める割合は増加しています。

2019年の日本国内の全発電量に占める再生可能エネルギーの割合は18.5%で、2018年の17.4%から増加しました。

しかし、欧州では再生可能エネルギー割合が30%を超える国が多く、世界全体でも20%ですから、日本の18.5%は世界の平均以下ということです。

また、温室効果ガス排出国の筆頭として挙げられる「中国」も、実は再生可能エネルギーの導入では健闘しています。

例えば、風力発電の導入量に関しては中国が世界で圧倒的1位で、2位アメリカの2倍以上もあります。(ちなみに日本は19位です。)

私たちにできること

日本で火力発電がなくならないのは、現実としてそれだけ多くの電気が使用されているからです。

今の電気消費量のまま、全てを再生可能エネルギーに切り替えようとしても、間違いなく電力供給が追い付かないでしょう。

ですから、日本のエネルギー問題は、実は「どう発電するか」と同じくらい「どう消費を減らすか」も大切なんです。

そして、私たち個人が電気の使用量を抑えることが、再生可能エネルギーの導入促進に繋がるのです。

小まめに電気を消す

誰もいない部屋の電気は消す、見ていないならテレビは消す、使っていない電化製品のコンセントを抜く、エアコンの設定温度は夏28℃、冬20℃に。

家にいながら、誰でも今すぐ実践できる温暖化対策です。

節水する

水源から浄水場に水を送るとき、浄水場で水を浄化するときなど、飲めるようになるまでに多くのプロセスで電気を使用します。

また、使い終わった水を下水処理場で処理するときにも電気を使用します。

ですから、家庭で節水することは、電力消費量を抑えることに繋がります。

ハチドリ電力

2016年の電力自由化により、消費者は自由に電力会社を選べるようになりました。

そして、数ある電力会社の中でも「ハチドリ電力」を選ぶことで、SDGs目標7に貢献することができます。

ハチドリ電力は、CO2ゼロの100%再生可能エネルギーで電力が供給されます。

しかも、電気代のうち1%が自然エネルギーの発電所増設のための基金になるのです。

ハチドリ電力では、供給量の一部を再生可能エネルギーの発電所から調達し、不足分を電力卸市場から調達しています。
それらを合わせた供給量100%分の非化石価値(環境価値)を証書として購入することで、実質自然エネルギー100%由来の電気、つまりCO2排出量ゼロの電気をお届けしています。
引用:https://hachidori-denryoku.jp/qanda/

最後に

エネルギー問題を解決すべき理由は、地球温暖化だけではありません。

例えば電力にアクセス出来ない地域には、夜になると木や炭を燃やし、健康を害する人がいます。

ですから、エネルギー問題を解決すればSDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」の解決に繋がります。

また、電気が使えないことで夜になると暗くて教科書が読めない人がいます。

つまり、エネルギー問題を解決すればSDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の解決に繋がるのです。

世界が抱える多くの課題を解決するために、エネルギー問題と向き合う必要があるのです。

ぜひ皆さんでSDGs目標7達成のためにできることを考え、行動しませんか?

【関連記事】SDGsの身近な例10選!個人でできることと私の取り組み

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