再生プラスチックとは、廃プラスチックを分解して新たなプラスチックに再生することを指します。
海洋プラスチックゴミが問題になっている昨今、化石燃料を消費することなく、新たに商品を生み出すことが出来る再生プラスチックに注目が集まっています。
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リサイクルの種類
再生プラスチックをつくるには、
- マテリアルリサイクル
- ケミカルリサイクル
という2種類の方法があります。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルとは、廃棄物を原材料として再利用する方法を指します。
プラスチックを粉砕して、粒状化したものを溶融して再び製品化します。
プラスチックには様々な種類があり、マテリアルリサイクの場合は人の手による徹底した分別が必要になるため、人件費の問題があります。
また、廃棄物を原料として繰り返し使うため、リサイクルの過程で品質が低下するというデメリットもあります。
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルとは、廃棄物をそのまま使うのではなく、熱や圧力を加えて、元の石油や基礎化学原料に戻してから、再生利用することをいいます。
リサイクルを繰り返すたびに劣化していくマテリアルリサイクルとは異なり、高い品質を維持したままほぼ無限にリサイクルすることが可能です。
設備投資額が大きいため、サーマルリサイクルに比べてリサイクルコストが大きいです。
また、マテリアルリサイクルと同様、廃プラスチックの徹底した回収と分別が必要となります。
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メリット
サーキュラーエコノミー
再生プラスチックは循環経済、いわゆるサーキュラーエコノミーの実現に貢献します。
世界では海洋プラスチックゴミが問題になっていますが、かといってこれだけ資本主義経済が世界に浸透している今、プラスチックをなくすことは不可能に近いです。
プラスチックはこれからも作られ続けるのだという前提に立脚するならば、考えるべきは「どうやって海に流れることなく循環させるか」です。
そう考えると、再生プラスチックは循環経済を実現するうえで大きな役割を果たします。
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バイオマスプラスチック
バイオマスプラスチックも持続可能なプラスチックとして注目されています。
バイオマスプラスチックはサトウキビやトウモロコシなど生物資源を使用するため、限りある資源である石油を消費しません。
ですから、栽培をすれば半永久的にプラスチックをつくることが可能です。
しかしながら、バイオマスプラスチックは食糧問題と競合が懸念されています。
生物資源にしても、新たに栽培するための土地が必要であり、資源を新たに消費することには変わりません。
そう考えると、化石燃料にしろ生物資源にしろ、新たな天然資源を必要としない点は、再生プラスチックのメリットと言えるでしょう。
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デメリット
再生プラスチックはリサイクルをするためのエネルギー、回収・分別・運搬などの作業コスト、人件費などが必要になってきます。
そのコストが上乗せされる分、新品のプラスチック製品よりも、再生プラスチック製品の方が割高になる傾向があります。
再生プラスチック製品
実際に再生プラスチックを採用している商品を紹介させていただきます。
adidas
アディダスは海洋環境保護団体のPARLEY FOR THE OCEANS(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)と提携して、リサイクル素材シリーズ「PRIMEBLUE」を展開しています。
PRIMEBLUEには、海岸や海沿いの地域で、海に流入する前に回収されたプラスチック廃棄物をアップサイクルして生まれた素材「Parley Ocean Plastic」が採用されています。
海洋プラスチックゴミに特化をしているため、PRIMEBLUEシリーズの商品を買えば買うほど、海からゴミが回収される仕組みになっています。
エコアルフ
出典:ECOALF
展開するすべての商品がサステナビリティに配慮しているスペインのブランド「エコアルフ」。
これまでエコアルフが回収した海洋プラスチックゴミは500トン以上です。
海に浮かぶペットボトルを回収したのちに化学的に分解し、フレークないしはペレットに形成するケミカルリサイクルを採用しています。
Rothy’s
出典:Rothy’s
Rothy’s(ロシーズ)は、ペットボトルをリサイクルして作られた再生樹脂の繊維で作られたシューズを展開しています。
メーガン妃が妊娠中の外遊時にヘビーローテーションで履いていたことから注目されました。
ごみ処理に行くはずだったペットボトルをこれまで4千万本以上を使用してきました。
シューズ自体もリサイクルすることが可能で、素材はカーペット、ゴム底はヨガマットなどにリサイクルされます。
エバーレーン
出典:EVERLANE
徹底した透明性を理念に掲げ、製造工程をすべて公開していることで有名なサステナブルファッションブランドのエバーレーン。
そんなエバーレーンは2018年、再生ボトルを100%採用したコレクション「ReNew」を立ち上げました。
加えて、2021年までにバージンプラスチックの使用を100%廃止することを宣言しています。
(公式サイトによると現時点で90%みたいです。)
最後に
再生プラスチックも結局は「新たにプラスチックが作られること」が前提です。
そのため、プラスチック問題を根本的に問題を解決するには、やはりプラスチックに代わる新たな素材が開発される必要があります。
ただいずれにしても、新たなプラスチックが生み出され続ける現状を鑑みると、再生プラスチックは今のところ最良の選択肢と言えそうです。
生み出される以上は、海に流出しないよう、しっかり循環させることが大切です。
特に日本はプラスチックを燃やすサーマルリサイクルが、リサイクルの一つとして当たり前に行われていることも、ロシーズのようなブランドが生まれない理由の一つかもしれません。
まずは日本も「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」によって再生プラスチックを活用し、しっかりプラスチックを循環させることを意識するところからスタートするべきです。
なるべく再生プラスチックの製品を買うことで、私たち消費者もサーキュラーエコノミーの担い手となりましょう!
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