リネンとは?素材の特徴を解説します

リネンは日本語で亜麻布(あまぬの)と呼ばれています。

亜麻の皮からとれる繊維をフラックスと呼び、フラックスで作られる織物が「リネン」と呼ばれています。

シャツ、カーテン、シーツ、タオルなど多様な製品で用いられる織物です。

夏用のシャツで着たことがあるという人も多いと思います。

私たちの生活になじみ深いリネンですが、一体どんな特徴を持った繊維なのでしょう?

本記事で詳しく解説をさせていただきます。

リネン=麻だと思われがちですが、実はリネンは数ある麻の一種です。

麻は

  • リネン(亜麻)
  • ラミー(苧麻)
  • ヘンプ(大麻)
  • ジュート(黄麻)

の4種類に分類されます。

【関連記事】ヘンプとは?特徴やサステナビリティを解説します

麻の歴史

人類が栽培してきた最も古い植物の一つと言われる「麻」。

紀元前2,000年のエジプト王の墓には麻栽培についての壁画があり、ミイラは麻布で包まれていました。

日本でも縄文時代にすでに麻の使用が確認されており、鳥浜貝塚遺跡から麻縄が出土しています。

日本人がなじみ深い神道でも麻は神にささげる布とされています。

人類の歴史と密接にかかわる麻ですが、近年ではサステナブルな植物として非常に注目が集まっています。

洋服の素材

洋服のラベルに「麻」と記載されている場合があります。

この場合、使用されているのはリネンかラミーのいずれかです。

ヘンプやジュートの場合は「指定外繊維」と記載されます。

特徴

リネンには様々な特徴があります。

特に、数ある洋服の中でも「環境負荷の低い素材」として注目されています。

早く自然に還る

リネンはとっても早く自然に還る素材です。

服が自然界で分解される時間は以下の通りです。

・ビスコースのTシャツ=1~6週間
・リネンのベスト=2週間
・コットンのソックス=1 週間~5ヵ月
・デニムジャケット=10~20ヵ月
・ウールのジャンパー=1~5年
・ナイロンタイツ=30~40年
・レザーバッグ=50年
・ポリエステルドレス=200年以上

【参照】服が自然界で分解される時間は?

水の使用量が少ない

コットンはTシャツ1枚製造するのに2,500リットルもの水が必要になります。

しかしリネンの植物は人が水を与える必要がありません。

自然に降る雨と太陽の光だけで育ちます。

無駄なく活用

リネンの植物は収穫した素材のほぼ100%を活用することができます。

茎は繊維や紙に、種子は食品や化粧品として活用されます。

大量のCO2を吸収

植物は成長する際に光合成をして大気中の二酸化炭素を吸収します。

もちろんリネンの植物だって光合成をするわけですが、麻は森林の4倍もCO2を吸収するんだとか。

成長が早い

麻の成長は非常に速く、雑草よりも早く成長すると言われています。

100~120日ほどで3~5m程にまで成長します。

農薬必要なし

コットンは栽培する際に多くの農薬が使用されます。

世界の農薬の6.8%、殺虫剤の15.7%がコットン生産で使用されています。

しかしリネンの植物はとても成長が早く、深く根を張る性質があります。

農薬や肥料が必要なく、非常に強い草であるため殺虫剤も除草剤も必要ありません。

どこでも栽培可能

麻は冷帯、熱帯、どんな気候でも栽培が可能です。

輪作が可能

他の作物との輪作が可能なので単一栽培による環境負荷を減らすことが可能です。

長持ち

麻は自然素材の中で最も強度の高い素材と言われています。

麻は繊維自体に細菌を阻止する性質が備わっており、カビや雑菌の繁殖を抑えてくれます。

リネンは水にも強く、水に濡れるとむしろ強度を増すくらいです。

リネンの強度の高さから、アメリカのドル紙幣にはリネンが25%配合されているそうな。

また、エジプトのミイラを巻く布としてもリネンが使われていました。

古代エジプト人も、リネンの強度の高さを知っていたのかもしれませんね。

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