サーマルリサイクルとは?メリットと問題点について解説

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サーマルリサイクルとは、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して利用することを指します。

回収した熱エネルギーは発電などに再利用されています。

実は日本のリサイクル率は世界的に見ても高い水準なのですが、その高水準を実現しているのにはこの「サーマルリサイクル」が大きく関係しています。

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3種類のリサイクル

多くの人はリサイクルと聞けば廃棄物がペットボトルに生まれ変わったりするイメージを持っているかもしれません。

しかし日本ではサーマルリサイクルも立派なリサイクルの一つとして認識されています。

日本が定義するリサイクルには

  • マテリアルリサイクル
  • ケミカルリサイクル
  • サーマルリサイクル

の3種類があります。

多くの人がイメージする「ゴミが新たなモノに生まれ変わる」というのはマテリアルリサイクルに該当します。

ケミカルリサイクルは廃棄物を熱分解や化学処理によって原料に戻して再利用することを指します。

マテリアルリサイクルはリサイクルするたびに劣化をしてしまうことから、分子レベルに分解するケミカルリサイクルが注目されています。

しかしケミカルリサイクルは多大なコストとエネルギーが必要だという課題があります。

サーマルリサイクルのメリット

サーマルリサイクルにもメリットはあります。

たとえば

  • 石炭や石油と同等の高いエネルギー量
  • 埋め立てによるメタンガス発生を防げる

などが挙げられます。

高いエネルギー量

プラスチックはそもそもが石油製品ですから、石油や石炭と同等の発熱量があります。

プラゴミは紙ごみの2~3倍の発熱量があると言われています。

そのため、燃やすことでエネルギーを回収することができ、結果的に火力発電で消費される原油の削減に繋がります。

メタンガス発生防止

リサイクルできないプラスチックは最終的に埋め立てられることになります。

プラスチックは腐敗すると二酸化炭素の21倍の温室効果があるメタンガスが発生します。

ですから、温室効果の高いメタンガスを発生させるよりは、焼却で二酸化炭素を発生させた方がまだマシだと考えることが出来ます。

EUのリサイクルの定義

日本ではサーマルリサイクルもリサイクルの一つと見なされていますが、海外では事情が異なります。

EUではリサイクルといった場合はあくまでも「マテリアルリサイクル」や「ケミカルリサイクル」を指します。

一方、日本では立派にリサイクルとして定義されているサーマルリサイクルは、EUにおいてはエネルギーリカバリーとして区別され、リサイクルには含まれません。

日本のリサイクルの実態

日本のリサイクル率は2019年時点で85%とかなり高い数値です。

しかし、サーマルリサイクルが大部分を占めているのがこの数値の実態です。

日本のプラスチック廃棄物処理の現状は、サーマルリサイクルが約60%、マテリアルリサイクルが21%、ケミカルリサイクルが3%です。

残りは単純焼却されるか埋め立てられます。

さらに、日本のマテリアルリサイクル率23%のうち、9%は海外に廃棄物輸出をしています。

プラスチックといっても色々な素材のプラスチックがあり、これらを国内で分別しようとすると収支が割に合わなくなってしまうんですよね。

なので中国や東南アジアといった人件費の安い国に輸出をしているというわけです。

2018年時点で日本の廃プラ輸出量は、アメリカに次いで世界2位です。

マテリアルリサイクルの大部分を中国や東南アジアに輸出をしていましたが、2017年に中国でプラスチック輸入規制強化があったため、輸出量は減少しました。

というわけで、日本の実質的なマテリアルリサイクル率はたった14%です。

出典:Environment at a Glance 2015

このグラフの「Incineration with energy recovery」の部分がサーマルリサイクルを示す部分なのですが、日本がぶっちぎりで燃やしていることがお分かりいただけると思います。

ちなみにリサイクル率にサーマルリサイクルを含めないと、日本はこんな数字になります。

出典:資源循環・廃棄物研究センター

85%であればぶっちぎりのトップなはずですが、サーマルリサイクルを除外しただけでこれだけランクダウンしてしまいます。

しかし、リサイクルを世界基準で考えるなら、これが日本の現実です。

【参照】
一般社団法人プラスチック循環利用協会
廃プラ国際取引

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