SDGs目標2「飢餓をゼロに」とは?現状・取り組み・自分たちにできること

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RYU

生まれも育ちも神奈川県。サステナブル生活2年目。自宅の電気を再エネに切り替えました。フォロワー3万人のInstagramを中心にSDGs、地球温暖化、エシカル消費などの情報を発信するメディア「サステラ」を運営中。

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SDGsが掲げる17個の目標のうち、2番目の目標は

「飢餓をゼロに」

がテーマです。

飢餓に関するテーマは、SDGsの前身であるMDGsでも解決すべき課題として掲げられていました。

果たしてこの問題は、解決に向かっているのでしょうか?

本記事ではそんなSDGs目標2について解説をさせていただきます。

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8個のターゲット

SDGsの目標2は8個のターゲットで構成されています。

2飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
2.12030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
2.25歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
2.32030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
2.42030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
2.52020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
2.a開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
2.bドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
2.c食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。

発育阻害

日常的に栄養を十分に取れず、慢性的な栄養不良に陥り、年齢相応の身長まで成長しない状態を発育阻害(スタンティング)と呼びます。

発育阻害が子どもの発達に与える影響は、子どもの生後1000日を超えると元に戻せないと考えられています。

2017年の持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)によると、この傾向が続くと、2025年までに発育不全の子供たちは1億3000万人にのぼると予測されています。

さらに、2012年の1億6500万人と比較して発育不全の子供たちの数が40%減少するという世界目標を約3000万人上回ります。

現在、5900万人の発育不全の子供たちが住んでいます。(アフリカ、アジアで8700万人、ラテンアメリカで600万人、オセアニアと先進国で残りの300万人。)

ただし、発育阻害は深刻な問題である一方で、克服できる課題であるのみならず、費用対効果の高い問題であるとも考えらています。

太りすぎ・肥満

太りすぎや肥満の有病率は、特に低・中所得国で急速に増加しております。

ちなみにほとんどの国で最富裕層と最貧困層の差はわずかです。

太りすぎの5歳以下の子どものほとんどが低・中所得国に住んでいると考えられており、太りすぎの有病率の増加は大人にも及び、一部の高負担国では母親の太りすぎが80%以上に達しています

小規模食品生産者

小規模生産者の生産量は、大規模生産者に比べて少ない傾向にあります。

ほとんどの国では、小規模な食料生産者の収入は、大規模な食料生産者の半分以下です。

国連経済社会局の統計部門によると、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの全食料生産者に占める小規模生産者の割合は、40%から85%となっています。

商品の価格は、農業生産と市場の需要のバランスを示す重要な指標であり、食料アクセスと所得に大きな影響を与えます。

食品価格は、消費者の相場観と、農家や生産者の収入に影響を与えます。

特に人口のほとんどが農業に従事している低・中所得国への影響はとても大きいです。

ジェンダーギャップ

小規模食品生産者の生産量と収入は、持続可能な開発目標5(ジェンダーギャップ解消)と関連性があります。

ナショナルジオグラフィックによると、農業分野における男女の賃金格差は、平均で20~30%となっています。

小規模な食料生産者の収入が、女性であるかどうかに左右されなくなれば、農家は経済的な安定性を高めることができます。

経済的に安定するということは、食料の生産性が2倍になるということです。

ジェンダーギャップを解消することで、世界の8億7000万人の栄養不良人口のうち、1億3000万人を養うことができるのです。

飢餓ゼロを達成するためには、農業における男女平等が不可欠です。

農業への投資

農業は、あらゆる持続可能性の原動力であり、SDGsの目標達成に重要な役割を担っています。

そして極度の貧困、栄養不足、栄養失調の悪循環を断ち切るためには、農業経済の発展と農業への公共投資の成長を加速させることが不可欠です。

2017年の持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラムでも言及されているように、極度の貧困と飢餓に陥っている地域では、労働者1人当たりの農業資本と農業への公共投資の値が停滞しています。

世界の現状

目標達成は困難?

2020年7月に国連が発表した年次報告書によると、目標2は2030年までに目標を達成するのが困難になるおそれがあるそうです。

引用:The State of Food Security and Nutrition in the World 2018

上記のグラフで分かる通り、飢餓で苦しむ人の数は2000年代以降、ずっと減少傾向にありました。

しかしここ最近は増加傾向に転じています。

国連でSDGsを採択した2015年時点では6億9000万人(世界人口の10%)だった飢餓人口は、5年で6000万人増加してしまいました。

2019年には7億5000万人、およそ9人に1人が食糧不安にさらされることとなりました。

これは主に、気候変動、イナゴ危機、COVID-19パンデミックなど、食料システムにおける多様な脅威に起因しています。

南スーダン、ソマリア、イエメン、ナイジェリアで現在飢餓の危険にさらされている2,000万人を含め、9人に1人が毎晩空腹のまま就寝しています。

地域の集中

栄養不足で苦しむ人たちはアジアとアフリカの地域に集中しています。

最大の栄養不足人口を抱えるのが3億8100万人のアジア、次いで2億5000万人のアフリカです。

SDGsの目標2を達成するためには、いかにしてこの地域の食糧問題を解決するかが鍵を握っているのです。

栄養不足人口が多いのはアジアですが、そもそもの人口が多いのがアジアであり、栄養不足蔓延率(PoU)で言えばアフリカの方が高いです。

飢餓の原因

飢餓は様々な原因で起こりえますが、主として

  • 自然災害
  • 紛争

という2つの原因が挙げられます。

自然災害

洪水や干ばつといった自然災害は飢餓の大きな原因です。

食糧不足に苦しむ人のおよそ8割が、自然災害が発生しやすい地域で暮らしていると言われています。

具体的には、エルニーニョ/ラニーニャ現象による異常気象の影響を受けた地域、特に東アフリカ、南部アフリカ、東南アジアで、食料供給の減少や食料価格の上昇が起きています。

飢餓に苦しむ人が多い途上国では、農業に従事する人の割合が多いため、自然災害の影響を大きく受けやすいのです。

参照:国連WFP協会

紛争

人は定住をすることで、農作物を育てたりすることができ、安定した生活基盤を築くことが出来ます。

しかし、紛争が起こる地域では、家や農地を捨てることを与儀なくされるケースが多いのです。

国連の報告によると、ここ数年減少傾向にあった飢餓人口の割合が増加に転じたのは、紛争が主な原因だと説明しています。

ですから、2030年までに目標を達成するためには、SDGs目標16「平和で包摂的な社会の実現」が必須条件であると言えるでしょう。

参照:世界の食料安全保障と栄養の現状

目標を達成するには

SDG2は、2030年までに人々が飢餓とあらゆる形態の栄養失調を終わらせることで、食料安全保障を達成すべきだとしています。

そのためには、農業生産性と小規模生産者(特に女性と先住民)の収入を倍増させ、持続可能な食料生産システムを確保し、土地と土壌の質を段階的に改善することが必要です。

農業は世界最大の雇用主であり、世界人口の40%に生計を提供しています。

そして農業は、貧しい農村世帯の最大の収入源です。

2013年の国際食糧政策研究所(IFPRI)の報告書では

「SDGsの重点は、2030年までに貧困を終わらせることではなく、2025年までに飢餓と低栄養をなくすこと」

であると述べられています。

この主張は、中国、ベトナム、ブラジル、タイでの経験の分析に基づいています。

これを達成するための3つの道筋が特定されました。

  1. 農業主導
  2. 社会保護と栄養介入主導
  3. これら両方のアプローチの組み合わせ

です。

日本の現状

日本が抱える食糧に関する課題は、食糧不足ではなく、むしろ過剰な食糧供給です。

これは日本に限らず、先進国に共通する課題です。

まだ食べられるのにも関わらず廃棄されている食品のことを「食品ロス」や「フードロス」と呼びます。

食品ロス

日本では年間612万トンの食品ロスが出ております。

これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(平成30年で年間約390万トン)の1.6倍に相当します。

「飲食店やスーパーといった事業系の食品ロスが多いのでは?」

と思われがちですが、612万トンのうち284万トン、およそ46%は家庭での食品ロスということになります。

日本人1人がお茶碗一杯分の食べ物を毎日捨てている量です。

言い換えれば、個人の心掛けによって食品ロスを減らすことが出来るということです。

さらに言うと、日本の食料自給率は37%、つまり63%は海外から輸入をしています。

先進国の中でも最低クラスの食料自給率の低さです。

そして、沢山の食料を輸入した上、廃棄しまくっているというありさまが日本の現状です。

参照:食品ロス量(平成29年度推計値)の公表について

タンパク質危機

未来を予測することは困難なことですが、高い精度で予測できる数値があります。

それが人口増加です。

2017年の国連の発表によると、世界の人口は2030年までに86億人、2050年には98億人、2100年には112億人に達すると予測されています。

人口が増え続けたとしても、残念ながら地球の面積が増えるわけではありません。

食料を生産するための土地や水にも限界があります。

そんな人口動態に鑑み、近年注目されているのが「タンパク質危機」です。

人類はこれまで畜産によって食肉を増産し、タンパク質需要を賄ってきました。

しかしすでに述べた通り、人口が増加し続けると、これまでと同じようにすべての人に平等に食肉でタンパク質を供給するのには限界があります。

特に畜産の場合、放牧地だけでなく、飼料となる穀物を育てるための耕地を必要とするため、他の農作物に比べて環境負荷が非常に大きいです。

つまり、畜産によってタンパク質を賄うという食料システムは持続可能とは言えません。

そこで近年では環境負荷の低いタンパク質に注目が集まっています。

例えば、大豆によって肉の食感に近づける大豆ミート、動物の細胞を対外で組織培養することで肉を製造する培養肉、畜産よりはるかに環境負荷の低い昆虫食などが挙げられます。

私たちに出来ること

寄付をする

出典:TABLE FOR TWO

世界の9人に1人が飢餓に苦しむ一方、4人に1人は肥満という現実があります。

このような食の不均衡の解消に大きく寄与するのが「TABLE FOR TWO」です。

TABLE FOR TWO(TFT)とは、先進国でカロリーを抑えた食品を購入することで、1食につき20円の寄付が、開発途上国の子どもの学校給食となる仕組みです。

TFTの公式サイトに掲載されている食材を購入したり、スーパーなどでTFT対象商品を購入することで寄付が可能です。

フェアトレード

過剰なコスト削減に反対し、商品を適正な価格で販売することで、発展途上国の生産者・労働者の生活を守る仕組みがフェアトレードです。

フェアトレードは世界の貧困問題を解決すべく出来た仕組みですが、全部で17個あるSDGsの目標のうち8個に貢献する仕組みであり、目標2にも関係しています。

収入が不安定になると、当然栄養のある食事が取れなくなることにも繋がるので、そういう意味でもフェアトレードはSDGs目標2に大きく寄与する仕組みであると言えます。

また、フェアトレードは生産者や労働者の生活を守るだけではありません。

フェアトレードには、適正な価格の他に農薬の使用制限、水源・土壌・生物多様性の保全、エネルギー・CO2排出削減といった基準も設けられています。

飢餓の大きな原因は自然災害ですが、自然災害は異常気象によってもたらされるものもあります。

そういう意味でも環境保全に繋がるフェアトレードは飢餓と密接に関係していると言えるでしょう。

からだにユーグレナ

からだにユーグレナは、商品の売上の一部で、バングラデシュの子供たちの栄養不足解消に繋がるユーグレナクッキーが配布されます。

これまで1000万食分のユーグレナクッキーがバングラデシュの子供たちに配布されました。

からだにユーグレナ自体が栄養満点なので、私たちがからだにユーグレナを飲んで健康になり、バングラデシュの子供たちも一緒に健康になる…というWIN-WINな商品です。

寄付ってどうしても一方的に身を削る行為なので、余裕があるときにしか出来ません。

でも売上の一部が寄付される商品の購入なら、自分たちは「商品を手に入れる」というメリットがあるので、負担に感じることなく継続することが可能です。

最後に

以上がSDGsが2番目に掲げるグローバル目標「飢餓をゼロに」についての解説です。

日本のように美味しい食事がそこら中にあふれる国に住んでいたら、なかなか気づけない問題かもしれません。

しかし、栄養のある食事を取るという人間のもっとも基本的なことすら脅かされている人が世界には沢山いるのです。

世界中の人が飢餓という問題と向き合い、解決に向かって共に力を合わせていくことが重要です。

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