食料自給率とは?上げるには?日本・世界の数字とあわせて解説!

食料自給率とは、食料がどれだけ国内で生産されているかという割合のことを指します。

気候変動やウクライナ危機など、近年ではたびたび食糧危機が取り沙汰され、いかに自国で食料を賄うことが出来るかが注目されています。

ですから、多くの人が食料自給率についての理解を深めることはとても重要です。

というわけで本記事では

  • 食料自給率はどのように計算されるのか
  • 日本や世界の食料自給率はどれくらいか
  • 食料自給率を高めることがなぜ重要なのか

などを解説させていただきます。

2種類の食料自給率

食料自給率には

  • カロリーベース
  • 生産額ベース
  • の2種類があります。

    カロリーベース

    国民1人あたりの1日の接種カロリーのうち、国産品が占める割合を計算したものがカロリーベースです。

    カロリーベース総合食料自給率(令和2年度)
    =1人1日当たり国産供給熱量(843kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,269kcal)
    =37%

    出典:食料自給率とは | 農林水産省

    生産額ベース

    国民に供給される食料の生産額に対する国内生産の割合を計算したものが生産額ベースです。

    生産額ベース総合食料自給率(令和2年度)
    =食料の国内生産額(10.4兆円)/食料の国内消費仕向額(15.4兆円)
    =67%

    出典:食料自給率とは | 農林水産省

    ちなみに日本の各種メディアなどで「食料自給率」を取り上げられる際にはカロリーベースの数値が採用される場合が多いです。

    一方、世界で採用されているのはほとんどが生産額ベースです。

    そのため、専門家の中には生産額ベースを採用すべきだという声も少なくありません。

    例えばカロリーベースだと、そもそもカロリーがほとんどない野菜や果物などは、自給率向上に寄与しないという問題があったりするからです。

    世界

    日本

    品目別

    品目 自給率
    (令和2年度)
    97%
    小麦 15%
    大麦・はだか麦 12%
    いも類 73%
    かんしょ 96%
    ばれいしょ 68%
    豆類 8%
    大豆 6%
    野菜 80%
    果実 38%
    うんしゅうみかん 101%
    りんご 61%
    肉類 53%
    牛肉 36%
    豚肉 50%
    鶏肉 66%
    鶏卵 97%
    牛乳・乳製品 61%
    魚介類 55%
    魚介類
    (食用)
    57%
    海藻類 70%
    砂糖類 36%
    油脂類 13%
    きのこ類 89%

    食料自給率を上げるには

    食料自給率を少しでも上げるために生活者に出来ることとしては「地産地消」があげられます。

    TPPをはじめ、日本は多くの国々と自由貿易協定を締結しています。

    そして関税を撤廃されたことで、外国との貿易を盛んに行うことが出来るようになりました。

    ただ一方で、日本の農家は安価な外国の食品との価格競争に晒されることとなりました。

    ただでさえ賃金が上がらない我が国ですから、たとえ外国産であっても少しでも安い食品を選ぶという人は少なくないでしょう。

    日本の農家も、自分たちの作った作物を選んでもらえなければ、存続することが出来ません。

    さらには、日本は少子化も非常に深刻で、農業の担い手も減り続けています。

    自分たちの作物が売れず、農業人口も減るとなれば、食料自給率は下がり続ける一方です。

    日本の農業を守るため、ひいては食料自給率を上げるためには、私たち日本人が日本産の食べ物を選ぶことが重要だと言えるでしょう。

    【関連記事】地産地消とは?メリット・デメリットを解説します

    最後に

    近年、気候変動の影響を受けて干ばつが起こる地域が増え、穀物生産量の減少が低下したり、あるいはロシアやウクライナのような穀倉地帯で戦争が起こって小麦の供給量に大きな影響が出たりと、世界の食料を巡るリスクが浮き彫りになりつつあります。

    そんな中において、輸入に依存している日本のような国だと、食品価格は海外情勢に否が応でも影響を受けざるを得ません。

    実際、2022年には世界的なインフレによって食品価格が大幅に高騰し、家計を圧迫する結果となりました。

    人は誰しも食べ物を食べなければ生きられませんから、食べ物は国民の命を守る安全保障でもあるのです。

    これだけグローバル化した現代においても、自国の農業を守り、食料自給率を上げることは重要なのです。

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