気候変動やSDGsをはじめ、何かと環境問題がクローズアップされる昨今。
私たち消費者が買う商品も、地球環境に大きな影響を与えています。
そんな背景もあり、環境に配慮した商品を選ぶ「エシカル消費」に注目が集まっています。
ただし、注目が集まっているからこそ生まれる問題点なんかもあったりします。
本記事では、環境に配慮した商品の選び方についてお話させていただきます。
また、私自身が1年以上サステナブル生活を送るなかで出会ったおすすめの商品もあわせて紹介させてください。
【関連記事】エシカル消費とは?11の事例と私たちにできること
「環境に優しい商品」の注意点
最近は色々な企業がこぞって「環境に優しい商品」を展開しています。
なぜなら、消費者の環境意識が高まっている昨今、「環境に優しい商品」は売れるからです。
ただ残念ながら、すべての企業が本気で環境に配慮した商品を作っているとは限りません。
実態が伴っていないのに、商品やサービスを売るためだけに「エコ」や「地球に優しい」などの言葉で訴求したり、海や森など自然に優しいことを想起するようなパッケージを採用して、消費者のミスリードを誘うケースもあります。
こういう手法を「グリーンウォッシュ」と呼びます。
グリーンウォッシュを回避するためには、お店に行ったとき、パッケージの表面だけを見てすぐレジに向かわないことです。
パッケージの裏面までじっくり見て、自分の目で見て判断しましょう。
【関連記事】グリーンウォッシュとは?分かりやすく解説!
環境に配慮した商品の選び方
ただ、パッケージの裏面を見たところで、そもそも知識がない人にとってはそれが環境に配慮された原材料なのかどうかが分かりませんよね。
ご安心ください、実は環境に配慮しているかどうかを見分けるための印があります。
それが「認証ラベル」です。
認証ラベルとは、第三者機関が商品を審査をして、合格した商品に与えるお墨付きのことを指します。
ただ、認証ラベルといっても、オーガニックに関する認証とか、森林保護に関する認証とか、色々な種類があります。
なので、ざっくり「どの認証ラベルが何に対してお墨付きを与えているのか」というのは把握しておきましょう。
ラベル | 名前 | 意味 |
---|---|---|
JAS | 有機栽培で作られた食品であることの認証 | |
FSC | 持続可能性に配慮し正しく管理された森林から産出した木材が使われていることの認証 | |
RSPO | パーム油の生産から流通までをしっかり監視し熱帯雨林の持続可能性に配慮していることの認証 | |
MSC | 海洋の自然環境や水産資源に配慮して、持続可能な漁業で獲られた「天然」の水産物であることの認証 | |
GOTS | 洋服にオーガニック繊維が使われていることの認証 | |
ECOCERT | 化粧品にオーガニック成分が含まれていることの認証 |
【関連記事】サステナブルラベル16選!ラベルの意味や購入するメリットを解説
おすすめの商品
私はこれまで数多くのサステナブルな商品を買ってきました。
そして満足のいく商品もあれば、正直微妙だなと思える商品にも沢山出会ってきました。
もちろん、できることならハズレは回避したいですよね。
というわけで、実際に買った商品の中でも「これは特にオススメしたい!」と思える商品を紹介させていただきます。
O0u×サステラ
サステナブルファッションブランドのO0uとサステナブルWEBメディアのサステラがコラボ。
Tシャツとキャップには注目のサステナブル素材「ヘンプ」が使用されています。
ヘンプは栽培に農薬が必要なく、人間が管理して水を与える必要がなく、収穫したすべての部位が無駄なく活用でき、さらにCO2吸収量の多い植物。
またUPF50、速乾性、調湿、抗菌性にも優れています。
「1%の行動が環境や社会をよくしていける」というサステラのメッセージが込められています。
スタッシャー
スタッシャー最大のサステナブルな点はやっぱり「繰り返し使える」という点。
しかも繰り返し使える回数は3,000回。
プラスチック製の使い捨てフリーザーバッグの大幅な削減に繋がります。
スタッシャーはシリコン製で、砂(シリカ)と酸素、つまり天然資源から作られています。
プラスチック製とは異なり、限りある資源である石油が消費されることはありません。
スタッシャーはパッケージの70%がリサイクル素材。
新しく原材料を採取せず、エネルギーを節約でき、温室効果ガスの排出を削減し、環境にもやさしい!
スタッシャーを廃棄する場合、stasher社に送り返すことが可能。
そしてスタッシャーは最終的に公園に敷かれる小石にリサイクルされます。
冷蔵庫は物を詰め込み過ぎると冷気の循環が悪くなり、庫内を冷やすための消費電力が多くなります。
しかしスタシャーに食材を入れれば冷蔵庫に隙間をつくれる!
節約&節電にもなるのでとてもエコ!
- 繰り返し使える回数は3,000回
- 砂と酸素など天然資源から作られるシリコン製
- パッケージの70%がリサイクル素材
- 廃棄するときはstasher社に送り返すことが可能(公園に敷かれる小石にリサイクル)
- 冷蔵庫のスペースを有効活用→節約・節電に
- 信頼のB Corp認証を取得
- 売り上げの1%以上を環境保護団体に寄付
ドクターブロナー
ドクターブロナーは「環境」「社会」「動物」という全方位のサステナビリティに配慮しているブランドです。
最も人気商品であるマジックソープはオーガニック認証の3つ取得し、フェアトレード認証2つ、ヴィーガン認証とクルエルティフリー認証を1つずつ取得しています。
私が知っている中でも最も多くの認証ラベルを取得している商品です。
ドクターブロナーがどれくらいサステナブルかといえば、世界遺産から推奨されているレベルです。
グランドキャニオンの公式ガイドラインに
「グランドキャニオンで使用する洗浄料はドクターブロナーのようなものを」
と記載されています。
- すべての商品が複数のオーガニック認証を取得している
- フェアトレードで原料を調達している
- パッケージの70%がリサイクル素材
- 信頼のB Corp認証を取得
- 売り上げの1%以上を環境保護団体に寄付
- 世界遺産グランドキャニオンからのお墨付きあり
O0u
世界で2番目に環境汚染をしていると言われるアパレル業界。
洋服をサステナブルな商品に切り替えると非常に大きな環境負荷の低減に繋がります。
そして、サステナブルな素材や製造技術にこだわり、高品質な商品を手頃な価格で提供している国内ブランドのO0u(オーゼロユー)。
無農薬製法や省エネ管理を徹底して作られた素材や、ペットボトルや古着から作られる再生ポリエステルや木材から生まれるリサイクル原料を積極的に使用しています。
また、デザインやパターンに3DCG技術を活用することで、商品の企画や制作の過程で作るサンプルの量を抑え、AIによる精度の高い需要予測を活用して無駄な調達、生産そして在庫を削減。
さらに、環境負荷を見える化する指標であるHigg Indexのスコアリングを採用し、O0uでは、CO2排出量ならびに水使用量について開示をしています。
「誰が、どこで、どう作ったかを包み隠さず伝える」ため全商品のトレーサビリティが確保されています。
また、一度購入した商品をできる限り長く使える様に、商品の補正、補修のアフターリペアにも対応しています。
着なくなった商品はO0uで回収する事で、可能な限り多くの商品をアップサイクルにまわします。
不用品を価値ある商品として蘇らせる循環システムを整えていきます。
最近は国内でも色々なエシカルファッションが誕生していますが、素材だけでなく、トレーサビリティや商品の循環にまで配慮しているブランドは現状でO0uくらいです。
- 無農薬製法や省エネ管理を徹底して作られた素材
- ペットボトルや古着から作られる再生ポリエステルや木材から生まれるリサイクル原料を積極的に使用
- AIによる精度の高い需要予測を活用して無駄な調達・生産・在庫を削減
- CO2排出量ならびに水使用量について開示
- 全商品のトレーサビリティが確保
- 着なくなった商品はO0uで回収しアップサイクル
【関連記事】サステナブルファッションとは?意味・素材・ブランドなどを解説します
エティーク
サステナブルなシャンプーをお探しの方にオススメしたいのがエティークです。
ここ最近は、リサイクルプラスチックとかバイオマスプラスチックといったような環境に優しい系のシャンプーがいくつも出ています。
サステナブル系のシャンプーは、これまでおそらく10種類以上は試してきたと思います。
LUSH、ダイアン、THE BODY SHOP、ドクターブロナーなどなど…。
しかし世界のプラスチックのうち91%がリサイクルされていないのが現実であり、これはもはやメーカーの努力ではどうにもならない問題です。
一方、エティークの場合は固形シャンプーバーを採用しており、100%プラスチックフリーです。
そもそもプラスチックゴミを出さない、という発想のエティークは今のところサステナブルシャンプー界では最強だと思っています。
また、2020年には新たにリップも発売されました。
- 合格率5%のサステナブル認証B Corpを取得
- パーム油不使用
- クルエルティフリー認証あり(動物実験なし)
- 液体シャンプー3本分の美容液成分が凝縮
- これまで600万本ものプラスチック製造・廃棄を防止
- パッケージの全てが生分解性
- フェアトレードのオーガニックココナッツオイルとカカオバターを使用
- ヴィーガン処方(動物由来の成分なし)
- 利益の20%を環境団体に寄付(WORLD ANIMAL、INTERNATIONAL、THE ORANGUTAN)
ヤシノミ洗剤
また、ヤシノミ洗剤を製造しているサラヤは、日本に籍を置く企業として初めてRSPOに加盟をした企業です。
私が知っている日本企業の中では最も真摯にパーム油問題に取り組んでいると思います。
ヤシノミシリーズの売上の1%がBCTを通じて、熱帯雨林の大規模な伐採が続き、生物が搾取され、住処を奪われているボルネオ島の環境保全に使われます。
アブラヤシ農園の拡大によって、野生生物の生息域が失われている現状に鑑み、サラヤは、熱帯雨林だった土地を買い戻し、分断された緑をつなぐことで「緑の回廊」を回復させるプロジェクトを行っています。
2009年以降、全部で8か所、合計29.49haの土地を買い戻して緑を回復しています。
- ヤシの実由来の植物性
- 香料や着色料などは一切無添加
- 売上の1%がボルネオ島の保全活動に寄付
- パーム油と熱帯雨林の持続可能性に配慮したRSPO認証取得
- 本気でサステナビリティに配慮している数少ない日本企業
【関連記事】
・サラヤは70年前からSDGsに取り組んできた企業だった
・パーム油の問題点とは?健康や環境問題について解説!
・RSPO認証とは?マークの意味・メリット・商品をわかりやすく解説!
飲み物【オーツミルク】
ヴィーガン、あるいは動物性食品を減らすフレキシタリアンの人。
必ずアルプロのオーツミルクをGETしましょう。
牛乳の代わりにカルシウムを補うことが出来る、というメリットもあります。
ですがそれ以上に大きなメリットがあります。
ヴィーガン生活を送る上で唯一接種できないのが「ビタミンB12」と言われています。
そしてこのオーツミルクならビタミンB12をしっかり接種することが出来るのです。
オーツミルクが日本に上陸するまではサプリでビタミンB12を接種するしかありませんでしたが、もうサプリは不要です。
サステラのRYUもJUNも常に自宅にストックが用意されています。
ちなみにオーツミルクの賞味期限は「常温で273日」なので、まとめ買いをオススメします。
- 合格率5%のサステナブル認証B Corpを取得
- 牛乳の代わりにカルシウムが取れる
- ヴィーガン生活で唯一接種できないビタミンB12入り
- 乳製品不使用&ヴィーガン対応
- 賞味期限は「常温で273日」
【関連記事】オーツミルクとは?効果・ダイエット・味・デメリットなど徹底レビュー
エコベール
エコベールは、人と地球にやさしい植物由来の洗剤ブランド。
ベルギーとフランスのエコロジー工場で作られており、使用された洗剤は短期間で自然に還ります。
また、動物実験をしない、動物由来の物質を一切使わないため、ヴィーガンの方も利用しやすいブランドなんです。
エコベールは、洗剤だけでなく、ボトルも実はサスティナブル。
プラスチックの問題にも積極的に取り組んでいます。
エコベールの容器は、石油ではなくサトウキビから作られており、75%が植物由来、25%が再生プラスチックです。
100%リサイクル可能で再利用可能なボトルを採用しています。
エコベールランドリーリキッドは、ラベンダーの香りもありますが、新しく出たゼロシリーズは、無添加、無着色。
敏感肌の方に対して肌テストを行い、ヨーロッパのアレルギー協会でも認定されています。
肌に優しいラインドリーリキッドを追求して作られているので、敏感肌で刺激の強い香りの洗剤が苦手な方にオススメです。
- 使用された洗剤は短期間で自然に還る
- ボトルは75%が植物由来で25%が再生プラスチック
- 100%リサイクル可能で再利用可能なボトルを採用
- 信頼のB Corp認証を取得
エコアルフ
すべてのアイテムを再生素材や環境負荷の低い天然素材のみで作っている、スペインのサステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」。
ブランド自らが海のゴミを収集し、ペットボトル、タイヤ、魚網などを独自の技術でリサイクルして生地を開発し、ウェアをつくっています。
「服を売るために環境にも配慮する」という発想のブランドが多い中、ECOALFは「地球環境を守るために服を売る」という、斬新でサステナブルな発想が特徴です。
エコアルフ財団はこれまでに500トン以上のゴミを地中海の海底から回収しています。
- すべての商品がリサイクル素材やオーガニックコットンなど環境負荷の低い素材を使用
- フェアトレードで原料を調達している
- 「地球環境を守るために服を売る」という斬新でサステナブルな発想
- 信頼のB Corp認証を取得
- エコアルフ財団はこれまでに500トン以上のゴミを地中海の海底から回収
最後に
地球の平均気温が著しく上昇し始めたのは、産業革命以降であると言われています。
それもひとえに、あらゆる産業が機械化され、大量生産・大量消費の社会へと突入したからです。
より多くの人に商品を買ってもらうため、環境を無視し、生産効率や売上ばかりを追及してきた結果であるとも言えます。
これは何も企業だけの責任ではなく、そういう商品を私たち消費者が求め続けてきたことも原因です。
生み出される商品、消費される商品によってこの地球環境が破壊され続けてきた。
であるならば、私たちが選ぶ商品を変えれば改善することも可能なのです。
環境に配慮された商品を買うことは、間違いなく地球環境を改善することに繋がります。
本記事をご覧いただいている皆さんは、すでに地球環境の改善に貢献者です。
ぜひこれからもサステナブルな買い物を続けて頂きたいです。
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