パーム油の問題点とは?健康や環境問題について解説!

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生まれも育ちも神奈川県。サステナブル生活2年目。自宅の電気を再エネに切り替えました。フォロワー3万人のInstagramを中心にSDGs、地球温暖化、エシカル消費などの情報を発信するメディア「サステラ」を運営中。

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パーム油とは、アブラヤシの果実から採れる植物油脂のことです。

インスタント麺、スナック菓子、アイスクリームといったように、パーム油のおよそ8割が食品に含まれ、残り2割が石鹸や洗剤などの原料として使用されます。

世界で最も使用されている植物油がパーム油なのです。

日本人も1人あたり年間で約5kgのパーム油を消費しているとされています。

それくらい私たちの生活となじみ深いパーム油なんですが、実はその存在を全く知らないという人が結構多いです。

聞いたことがあってもなんとなく危ないという話は聞いたことがある、という程度の認識の人が多いです。

なぜそんなにパーム油についての認知度は低いのでしょうか

本記事ではそんなパーム油の問題点について解説をさせていただきます。

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認知度が低い理由

まず第一に、ごま油やオリーブオイルのように、家庭で使うためのパーム油が売られていることはありません。

そのほとんどが、加工食品の原材料として使用されるのです。

「それじゃあ原材料の裏側を見てみよう!」と思ってパッケージの裏側を確認してみたとしても、やはりパーム油という文字は見つからないでしょう。

パーム油の認知度が低い点はまさにここで、パッケージの裏側に「パーム油」という文字が見つかることはほとんどありません。

どういうことかというと、パーム油は

  • 植物油
  • 植物油脂
  • 食用植物油脂

等と記載されるからです。

“マーガリン”や”ショートニング”と記載されている場合でもパーム油を含む場合があります。

化粧品や洗剤で使用される場合は”グリセリン”、”オレイン酸”、”脂肪酸”といった成分名で記載されます。

このように、知らないうちにパーム油を食べたり使用したりしていることがほとんど、というわけです。

確かめる方法としては、メーカーのカスタマーセンターに連絡をして聞いてみるしかありません。

パーム油の問題点

よく「身体に悪い」という認識でパーム油の問題を捉えている方がいらっしゃいます。

確かに米国農務省(USDA)によると確かに身体の良くないような報告をしています。

ですが、サステナブルな文脈で語られる「パーム油」の問題点は”健康”ではなく”森林伐採”です。

パーム油はアブラヤシと呼ばれる植物から採ることが出来るのですが、どこでも生産が出来るわけではありません。

アブラヤシは赤道直下の熱帯地域でしか育ちません。

そのため、パーム油のほとんどがインドネシアとマレーシアで生産されています。

全パーム油のうち、インドネシアで55%、マレーシアで32%を占めています。

そしてパーム油の生産量は2010年~2030年の20年間でおよそ3倍に増えることが見込まれています。

一部の限られた地域でしか生産できず、世界で最も使用されていて、今後も需要が増え続ける。

これらの悪い条件がそろってしまい、パーム油を生産するためのアブラヤシ農園開発によって、熱帯雨林がどんどん伐採されていっているのです。

なんと、インドネシア・スマトラ島の森林の56%、ボルネオの熱帯雨林の40%が消失してしまいました。

現状でこれですから、2030年にはどうなっているか…正直考えたくもありませんね。

熱帯雨林は酸素と炭素の循環を調整する役割を担っているわけですから、それが減少すれば地球温暖化などにも影響が出てくるでしょう。

さらに、熱帯雨林は生物多様性の宝庫とも呼ばれるくらい、多くの生物が暮らしています。

パーム油の生産によって絶滅危惧種のオランウータンは住処を奪われ、ここ数十年間で50%~90%減少してしまいました。

皆さんが映画やゲームのお供につまんでいるポテトチップスのせいで、1400万年続いたと推定されるオランウータンの種はこの地球上から完全に消滅してしまうのです。

そのほか、パーム油の生産によって、児童労働や強制労働など、人に対しても悪影響が及んでいます。

パーム油問題の解決方法

それじゃあパーム油が含まれる商品を買うのをやめよう!

ということが出来ればいいのですが、「認知度が低い理由」の見出しでも言及した通り、パッケージを見ても原材料にパーム油が含まれているかどうかは分かりません。

しかも、現状ではスーパーで販売されている商品の半分近くはパーム油が含まれていると言われるほど、あらゆる商品に浸透していますから、完全に避けることはおよそ不可能です。

また、もし仮に世界中で「今日からパーム油禁止!」ということが出来たとして、それはまだ新たな問題を生むことになります。

大量のパーム油が生産されているということは、パーム油生産によって生計を立てている人たちがいるわけで、生産者のほとんどが貧しい暮らしを送っています。

その人たちの職が奪われることになるわけですから、SDGsで掲げている「貧困をなくそう」という目標は、達成からさらに遠のいてしまうことになるわけです。

ですから、パーム油の生産をゼロにすることは根本的な問題解決にはならないわけです。

それじゃあパーム油問題の解決策は全くないのかというとそんなことはありません。

持続可能性を考慮したパーム油が含まれた商品かどうかを審査するRSPOと呼ばれる認証制度があります。

RSPO認証のラベルがある商品を購入することで、熱帯雨林の持続可能性の実現に貢献することが出来るのです。

脱パーム油をはかる企業

これだけ大量に生産されていて、利便性が高く、安価なパーム油です。

企業が脱パーム油をすることは容易ではありません。

そんな中、化粧品メーカーのLUSHはサプライチェーンからパーム油を排除する取り組みをしています。

もちろん完全に不使用ではないものの、石ケン素地に関してはすべてパーム油は不使用。

LUSHは昔から環境問題などに真剣に取り組んでいて、流石だなという印象しかありません。

最後に

以上がパーム油を取り巻く問題についての解説です。

パーム油の問題解決に貢献する方法として、RSPO認証の商品を購入することを挙げました。

しかしRSPO認証も完璧な仕組みではなく、批判が全くないわけではありません。

すでに問題解決の方法が示されていれば、それに乗っかればいいわけですが、パーム油については現状で完璧な解決方法が存在しません。

もし熱帯雨林やオランウータンを守りたいという人は、RSPO認証の商品を購入するだけでなく、是非問題解決の方法を考えてみましょう。

参照

パーム油の利用と生産 | パーム油調達ガイド
パーム油 私たちの暮らしと熱帯林の破壊をつなぐもの | WWF
パーム油ってな~に?-企業の原材料調達- | WWF
FAQ : ラッシュとパーム油の関係 | LUSH

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