サステナブルツーリズムとは
「観光地の本来の姿を持続的に保つことができるように、観光地の開発やサービスのあり方を見定め旅行の設定を行うこと」
を意味します。
そして近年、このサステナブルツーリズムが注目を集めています。
しかしなぜ、あえて普通の観光と区別する必要があるのか?
なぜサステナブルツーリズムは注目されているのか?
本記事で詳しく解説をしていきます。
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従来の観光
第二次世界大戦後、それまで富裕層に限られていた観光旅行が、大衆(マス)にまで拡大した現象を「マスツーリズム」と呼びます。
2017年時点で、国境を越えて観光する人の数は世界で1日300万人以上、毎年およそ12億人が海外旅行をしています。
マスツーリズムにより、環境汚染や自然環境の破壊などの現象がみられるようになりました。
これから先の人口増加を考えると、観光による環境汚染や自然破壊はさらに悪化していくことが予想されます。
要するに、従来のマスツーリズムは地球環境という観点から、持続可能ではないのです。
近年、SDGsや気候変動問題など、あらゆる業界でサステナビリティに配慮する動きが強まっています。
そんなわけで、観光業界においても、サステナブルツーリズムが注目を集めているのです。
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国連が提唱
国連は2017年を「開発のための持続可能な観光の国際年」と定めました。
サステナブルツーリズムは、広告代理店や旅行代理店が考え出したものでもなんでもなく、国連が正式に提唱しているものです。
日本でも2018年に観光庁内に「持続可能な観光推進室」が設置されています。
メリット
サステナブルツーリズムのメリットとしては
などが挙げられます。
自然環境を守りたいなら、そもそも観光なんてしなければいいと思う人もいるかもしれません。
しかし、持続可能性に配慮しながら観光をすれば、むしろ積極的に環境保護をすることにも繋がるのです。
事例
国全体でサステナブルツーリズムを導入しているのが「パラオ」です。
パラオではもともと、観光客の増加に伴い、水質汚染や環境破壊が問題となっていました。
そこでパラオは環境保護を宣言した人だけを入国させる仕組みを導入しました。
観光客からは「環境税」として1人あたり100ドルを徴収、環境保護に充てられています。
パラオは今や、観光で訪れること自体が環境保護に繋がる仕組みが出来上がっているのです。
観光地100選
皆さんが一番気になるのは
「どこに行くことがサステナブルツーリズムになるの?」
ですよね。
オランダのNPO「Green Destinations」が、世界中の観光地を「持続可能性」という観点から格付けや認証を行っています。
そしてGreen Destinationsは毎年「世界の持続可能な観光地100選」を選出しています。
これらの地域に行くのが、現時点では最も分かりやすいサステナブルツーリズムです。
日本の観光地
「世界の持続可能な観光地100選」
の2020年版では、日本から6地域が選出されています。
- 北海道ニセコ町
- 岩手県釜石市
- 神奈川県三浦半島
- 京都市
- 岐阜県白川村
- 沖縄県
これから国内旅行を計画される方は、これらの地域から選んでもいいですね。
最後に
2020年は皆さんご存知の通り、人の動きが大幅に減った年です。
2021年以降、旅行へいけなかった反動も相まって、確実に人の動きは加速していくでしょう。
この機会に是非、観光のあり方や自然保護について考えてみましょう。
そして、これからの旅行にはぜひ、サステナブルツーリズムという選択肢を加えてみませんか?
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