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USDAオーガニック認証とは?概要や基準について解説します

USDAオーガニック認証とは、米国農務省(United States Department of Agriculture)の傘下にある機関NOP(National Organic Program)が定めるオーガニック食品基準をクリアした商品に与えられる認証です。

要するに、オーガニックを名乗ろうとする商品に対して国が「これは確かにオーガニックだ」とお墨付きを与えることで、消費者が安心してオーガニック商品を選ぶことができる仕組みです。

日本の有機栽培の認証でおなじみの「JAS認証」のアメリカ版がUSDAオーガニック認証です。

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目次

USDAオーガニック認証の基準

USDAオーガニック認証を受けるには、どのような要件をクリアする必要があるのでしょうか。

農産物

  • 有機作物を収穫する前の少なくとも3年間は、禁止物質が使用されていない土地で栽培されること。
  • 土壌の肥沃度と作物の栄養分は、耕起・栽培方法、輪作、カバークロップによって管理され、動物や作物の排泄物や許可された合成物質で補われること。
  • 作物の害虫、雑草、病気は、主に物理的、機械的、生物学的制御を含む管理方法によって制御される。これらの管理方法が十分でない場合は、国内リストで使用が承認されている生物学的、植物学的、または合成物質を使用することができる。
  • 入手可能な場合、有機種子およびその他の植え付け材料を使用しなければならない。
  • 遺伝子操作、電離放射線、下水汚泥の使用は禁止。

畜産物

家畜と家禽の基準は、肉、ミルク、卵、およびその他の動物製品を有機であると販売、表示、または表明するために使用される動物に適用されます。

いくつかの要件を以下に示します。

  • 食肉用の動物は、妊娠期間の最後の3分の1から、または家禽の場合は生後2日目までに、有機的な管理の下で育てられなければならない。
  • 生産者は家畜に100%有機の農業用飼料を与えなければならないが、許可されたビタミンやミネラルの補助食品を与えることもできる。
  • 牛乳や乳製品をオーガニックとして販売、ラベル付け、表示するためには、少なくとも12ヶ月間、乳牛を有機的に管理しなければなりません。
  • 動物を健康に保つために、予防的な管理を行わなければなりません。生産者は、病気や怪我をした動物の治療を差し控えることはできません。ただし、禁止されている物質で治療された動物は、オーガニックとして販売することはできません。
  • 反芻動物は、120日以上の放牧期間中に放牧されなければならない。また、これらの動物は、飼料の少なくとも30%、すなわち乾物摂取量(DMI)を牧草から摂取しなければなりません。
  • すべての有機家畜と家禽は、1年中屋外に出ることができなければなりません。環境や健康上の理由で一時的に動物を閉じ込めることはできません。

取り扱い基準

取り扱い基準では、以下のことが求められています。

  • 合成、非合成にかかわらず、農作物以外のすべての原材料は、「全国許容・禁止物質リスト」に従って使用が許可されていなければならない。
  • 「有機」と表示された複数成分の製品では原則、すべての農業成分は有機的に生産されたものでなければならない。
  • 取扱者は、有機製品と非有機製品との混在を防ぎ、有機製品が禁止物質と接触しないように保護しなければならない。

複数成分の製品の表示

  • 有機製品として販売、ラベル付け、または表示された製品は、95%以上の認証済み有機成分を含まなければならない。
  • 有機製品を使用していると表示された製品は、70%以上の認証済み有機成分を含んでいなければならない。これらの製品にUSDAオーガニックシールを使用することはできない。
  • 有機成分が70%未満の製品は、成分表で特定の成分が有機であることを示すことができます。

出典:https://www.ams.usda.gov/grades-standards/organic-standards

3段階のUSDAオーガニック認証

USDAオーガニック認証の基準をクリアしていると、商品のパッケージの成分表示に「オーガニック」と記載できたり、認証ラベルを使用することができます。

ただし、認証された有機原料がどれくらい製品に含まれているのかによって、認証ラベルが使用できるかどうかが異なります。

100%オーガニック

加工助剤を含めてオーガニック認定を受けた原材料のみを使用している。

USDAオーガニック認証ラベルを使用することができます。

オーガニック

95%以上が有機認証された原材料でなければならない(塩と水を除く)。

残りの5%の原材料は、商業的に入手できないか、またはナショナルリストで許可されていない限り、有機的に生産されたものでなければならない。

USDAオーガニック認証ラベルを使用することができます。

オーガニック原料を使用

70%以上の認証された有機原材料を含む(塩と水を除く)。

残りの農産物は、有機的に生産されたものである必要はありませんが、除外された方法(例えば、遺伝子組み換えなど)で生産されたものでなければなりません。

除外された方法(例えば、遺伝子組み換えなど)を用いずに生産されたものでなければならない。

3種類以内ならパッケージの成分表示にオーガニックの原材料名を記載することができます。

ただし、USDAオーガニック認証ラベルを使用することができません。

同等性合意

冒頭でJAS認証のアメリカ版がUSDAオーガニック認証と申し上げました。

これは例え話でもなんでもなく、「JAS認証≒USDAオーガニック認証」というのは日米が公式に認め合っています。

それが平成25年9月26日に成立した日本と米国との有機製品に関する「同等性相互認証」です。

世界中の商品を気軽に売ったり買ったりできるこのグローバル時代において、たとえば海外で自国のオーガニック商品を売るときに、わざわざ相手国の認証を受けないといけないのは非常に手間です。

なので、アメリカでUSDAオーガニック認証を取得しているなら、わざわざ日本のJAS認証を受けることなく「オーガニックを名乗って日本で売っていいですよ」という仕組みです。

これは、JAS認証の商品をアメリカで売る場合も同様です。

また、日本は、このような同等性合意はアメリカだけでなく、EUやスイス、カナダとも結んでいます。

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この記事を書いた人

持続可能な社会の実現を目指す300人以上の生活者や企業が集まる「サステラコミュニティ」運営。生まれも育ちも神奈川県横浜市。現在は鎌倉市在住。2018年にWEBメディアの会社を起業。フォロワー9万人のInstagramを中心にSDGs、地球温暖化、エシカル消費などの情報を発信しています。

【プロフィール詳細】
https://susterra.net/ryu/

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