近年、オーガニックの商品を選ぶ人が増えています。
残留農薬という健康的な観点から選ぶ人もいますが、それ以上に環境負荷という理由から選ぶ人が多いように思います。
農薬は土壌の微生物を殺してしまうため、土地を弱らせてしまいます。
逆に農薬を使用していない肥沃な土地は、大気中の二酸化炭素を吸収する役割を持ちます。
いずれにしても、あらゆる商品でオーガニックというのは注目を集めています。
今回紹介するシャンプーに関してもそうです。
ただ、オーガニックシャンプーは購入する際に注意が必要です。
なぜなら、市場に流通している商品数がとても多いからです。
商品の数が多いということは、それだけ「選ぶべきではないシャンプー」も多いということです。
というわけで本記事では、オーガニックシャンプーの選び方と、おすすめの商品について紹介させていただきます。
ぜひ参考にしてみてください。
選び方
オーガニックシャンプーを選ぶ際に知っておいてほしいのが「食品」と「シャンプー」の違いです。
オーガニックの食品を選ぶ際には何も難しいことはありません。
「オーガニック」とか「有機」と書いてある食品を選べばいいのです。
食品の場合、農林水産省が定める
「2年以上は化学肥料や農薬は使っちゃダメですよ」
「遺伝子組み換え種苗は使用しちゃダメですよ」
といった基準をクリアし、有機JASの認証を受けた商品でないと「有機」とか「オーガニック」を名乗ることが出来ません。
このラベルが、まさにオーガニックに関する基準をクリアしたことの認証です。
このルールを無視した場合、生産者はJAS法によって裁かれる可能性があります。(1年以上の懲役または100万円以下の罰金)
じゃあオーガニックシャンプーの場合はどうか?
というと、実は全くルールがない無法地帯なのです。
有機JASのラベルが付与されるのはあくまでも食品だけですから。
つまり、オーガニックを名乗っているシャンプーであっても、商品にたった1%しかオーガニック原料が含まれていない可能性もあるのです。
ただ、シャンプーに関しては国が管轄する認証はないものの、民間の認証ラベルというものがあります。
少なくとも、化粧品メーカーが自分たちで「私たちの商品はオーガニックです」と勝手に名乗っている商品より、第三者の審査を受けて第三者機関から「コレはオーガニックです」とお墨付きをもらった商品の方が限りなく信ぴょう性が高いです。
ですから、パッケージの表面に書いてある「オーガニック」とか「有機」といった言葉には大して意味がありません。
そのコスメがオーガニックかどうかを決めるのはすべて認証です。
オーガニック認証
認証のある商品を選びましょうと言っても、なんの認証でもいいわけではありません。
認証機関もメーカーから手数料を受け取っているため、中にはビジネスに特化し、審査基準が甘すぎる認証機関なんてのもあったりします。
つまり、信頼できる認証というのは限られています。
ここでは当サイトが信頼している認証をいくつか紹介させていただきます。
コスモス認証
COSMOS(コスモス)認証とは、ナチュラル&オーガニック化粧品の世界統一基準を目指すヨーロッパを中心としたオーガニック認証機関のことを言います。
これまでヨーロッパでは、数々のオーガニックコスメ認証機関が生まれてきました。
しかし各認証機関によって、基準や有機に関する考え方が異なり、結局「どこの認証マークの化粧品を購入すれば分からない」と消費者が混乱するという事態になります。
そこで、ドイツの「BDIH」、フランスの「ECOCERT」「COSMEBIO」、イタリアの「ICEA」、イギリスの「英国土壌協会」の5つの認証機関がバラバラだった基準を統一しようと「COSMOS認証」を設立しました。
- 有機農法由来の原料を使用し、生物多様性に配慮すること
- 人の健康や環境に配慮した加工や製造を行うこと
- グリーンケミストリー(生態系に与える影響を考慮し、持続成長可能な化学工業のあり方を提言する環境運動)の概念に取り組むこと
- 遺伝子組み換えの植物原料の使用禁止
- 生きている動物および解体された動物から抽出された原料 の使用禁止
などがコスモス認証の基準です。
コスモス認証は、含まれるオーガニック原料の割合によって「コスモスナチュラル」と「コスモスオーガニック」の2つのレベルで分けられます。
コスモスナチュラル認証は使用される原料は精査された自然由来の原料であること、コスモスオーガニック認証は完成製品の20%は有機原料であることが基準です。
コスモスナチュラル認証にはオーガニック原料の条件がないので、オーガニックコスメが欲しい人は基本的に「COSMOS ORGANIC」という記載のあるラベルの商品を選びましょう。
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ネイトゥルー認証
NATRUE(ネイトゥルー)はナチュラル&オーガニック化粧品に関する厳格な基準の維持を目指すベルギーの非営利団体。
ヨーロッパにはたくさんのオーガニックコスメ認証がありますが、営利団体も多く、ナチュラルコスメブランドの企業たちが
「認証制度をビジネス目的にするのではなく、公正さにこだわろう」
と2007年に設立しました。
- 認めたれたナチュラルおよびオーガニックな成分が配合されている
- 環境に優しい製造方法である
- 動物実験を行わない
- 石油系原料などは含まない
など厳しい基準をクリアした製品だけに認証マークの表示が許可されています。
ちなみにネイトゥルーの認証ラベルがあれば必ず100%オーガニックというわけではありません。
- ナチュラルコスメ=配合して良い成分やNATRUEの基準を満たす加工方法、定められた自然原料を配合
- オーガニック原料を含むナチュラルコスメ=配合されている自然原料のうち70%以上がオーガニック
- オーガニックコスメ=配合されている自然原料のうち95%以上がオーガニック
という3段階のレベルがあります。
なお、以前はレベル分けをしていて消費者も星マークで見分けることが出来ました。
しかし現在は、ナチュラルコスメもオーガニックコスメも同じ認証ラベルが使用されており非常に判断しづらいです。
「オーガニック原料を含むナチュラルコスメ」「オーガニックコスメ」など詳しく知りたい人は各ブランドにお問い合わせするしかなさそうです。
USDAオーガニック認証
USDAオーガニック認証とは、米国農務省の傘下にある機関NOPが定める「オーガニック基準」をクリアした商品に与えられる認証。
日本にも農林水産省が有機農業を認証する「JAS」がありますが、JASのアメリカ版がUSDAオーガニック認証です。
日本とアメリカはオーガニック製品に関する「同等性相互認証」を締結しており、早い話「JAS認証=USDA認証」と見なすことができるというわけです。
USDAオーガニック認証はJAS認証とは異なり、化粧品に対しても、加工食品認証に準じた基準で審査をして認証を与えています。
つまり、USDAオーガニック認証がある化粧品は、口に入れる食べ物と同じく厳しい基準で審査を受けているというわけです。
また、世界には沢山の認証機関がありますが、いずれも「民間」の団体であり、「政府」系の認証は現状でUSDAオーガニック認証だけ。
さらに、コスモス認証やネイトゥルー認証は、石油および石油系の合成成分について、一部使用が認められています。
たとえば、石油から合成された防腐剤などがオーガニックコスメを名乗る商品に使用できるのは、サステナビリティの観点から望ましくありません。
一方、USDAオーガニック認証は「食品」に準ずる認証を受けるわけですから、当然のことながら石油系の合成成分は使用されていないというわけです。
USDAオーガニック認証はとても厳しい認証制度であり、その認証を受けたコスメはとても信頼性の高い商品であることがお分かりいただけたと思います。
ただ、認証基準が厳しいだけあって、USDAオーガニック認証を受けているコスメはかなり少ないです。
ドラッグストアでUSDA認証の商品を見かけることはまぁないと思うので、基本はネット通販で購入することになります。
デメター認証
世界でもトップクラスに基準が厳しいと言われているオーガニック認証の一つがデメター認証です。
デメター認証プログラムは1928年に設立された、有機栽培の食品に与えられる世界で初めての認証ラベルです。
USDA認証と同様、お肉や野菜、ワインといった食料品に対する認証制度ですが、化粧品も対象としている認証です。
デメター認証は、バイオダイナミック農法により生産された農作物、厳しい基準に則して加工された製品にのみ、認証マークをつけることが認められています。
欧米では、デメター認証を受けた農産物は、高い実績が認められ、高品質であると信頼を得ており、一種のステイタスともなっています。
バイオダイナミック農法は、太陽、月、惑星と地球の位置関係が土壌や生命体の成分及び気象等に与える影響を重視し、種まきや苗植え、耕うん、調合剤の準備や施肥、収穫などの時期を、月の満ち欠けや天体の動きにあわせて行われます。
化学肥料や農薬を使わず、天然成分で作った調合剤を使うことで、大地の力を引き出す農法です。
バイオダイナミック製法で作られた農産物は、通常栽培の物より、根の重量が18%も重かったというデータもあるんだとか。
- 植物原料:バイオダイナミック有機栽培農法で栽培された農産物を用いる事。植物原料の50%以上はオーガニックである事。
- 天然原料:95%以上は天然原料である事。香料は全て天然である事。
が審査基準とされています。
注意点
最近は消費者も賢くなっています。
オーガニック商品を選ぶ際には「認証がある商品を選ぶ」というのは、ある程度知識がある人なら知っていることです。
ただ、「認証」という言葉だけを見て買わない方がいいです。
たとえば「認証成分を配合」という言葉が良い例です。
これは、商品に含まれる成分の一部が認証をクリアしたという意味です。
認証成分が含まれていても、商品自体に認証ラベルがない場合、商品自体が認証を受けたわけではありません。
つまり、オーガニック含有率が少ない可能性があります。
ですから、認証のある商品を選ぶ場合、言葉ではなく「ラベル」があるかどうかをしっかりチェックしましょう。
おすすめ6選
HANA organic
植物成分のオーガニック比率98.3%という圧倒的なオーガニック比率。
これほどにオーガニックという言葉が相応しいシャンプーはそう多くありません。
和漢植物やオーガニックハーブの力で日中の紫外線や環境ストレスなどで受けた頭皮ダメージをリセットし、自ら潤う艷やかな髪へと導く頭皮美容液シャンプー。
低刺激にこだわった洗浄成分が作り出すやさしく心地よい泡は、皮脂の落としすぎを防ぎ、髪を軋ませることなくなめらかに洗い上げます。
艷やかで豊かな髪が育つためには、頭皮のダメージをケアし、髪が生え変わるためのへアサイクルを健やかに整えることが大切。
リセットシャンプーは、生活環境やカラー剤などの刺激によるストレスで乱れた髪と頭皮を整えるため、和漢の英知から処方された和漢ミックスやコンフリー葉エキス、ニンジン根エキスを配合。
髪を生み出す大地である頭皮をやさしくいたわりながら、日々、心地よく浄め整うことで、未来の美しい髪を育てる頭皮環境を守っていきます。
WELEDA
ヘアカラーやパーマ、乾燥などでダメージを受けた頭髪のためのドライ・ダメージケアシャンプー。
黄金色に輝くアルガンオイルがリッチな潤いを与えながら髪も頭皮もケアし、芯から潤う艶やかな髪に仕上げます。
ノンシリコン処方のアミノ酸系洗浄成分ベースのシャンプー。
アロエベラが頭皮にたっぷりの潤いを与え、みずみずしく保ちます。
穏やかな保湿作用をもつハーブ、カレンドラ、カミツレ、サンシキスミレを配合し、頭皮を健やかに保ちます。
ビタミンEを含むアルガンオイルを配合し、髪を保護して滑らかさを与えます。
メルヴィータ
デトックス力をもつインディゴから生まれたオイルを配合したシャンプー。
頭皮環境を整え、髪本来のツヤを取り戻します。
髪と地肌をいたわりながら、毛穴まですっきり洗浄します。
インディゴオイルとカンディアツリー由来のビサボロール成分が敏感になった地肌をケアし、植物由来のアミノ酸系洗浄成分などが髪のタンパク質を守りながら洗浄。
敏感肌でも使えます。
ダイアンボヌール
全成分中シャンプー98%・トリートメント99%が天然由来成分、50%が有機植物由来のオーガニック成分です。
保湿力の高いマラクジャオイルとオーガニックマルーラオイルが乾燥した髪と頭皮にうるおいを与えながらなめらかな指通りを実現します。
天然精油100%のナチュラルな香り。爽やかで奥深いベルガモットとフローラルな甘さが広がり、気分が安らぐ香りです。
髪や頭皮、お肌に大切な潤いを豊富に含むオーガニックオイルをブレンド。
COSMOS承認の洗浄成分(ヤシ・サトウキビ・タピオカ等由来)を使用。
サルフェート(ラウレス硫酸Naなど)、石油系界面活性剤、鉱物油、パラベン、シリコン、合成着色料、動物性原料を使用していません。
ORIENS’TELLA
日本初コスモスオーガニック認証を取得した正真正銘のオーガニックシリーズ。
植物の成長エネルギーがあふれる、木の芽(Gemma)に着目し、植物療法(ジェモセラピー)をもとに開発されました。
髪だけではなく頭皮にも潤いとハリを与える贅沢処方。
ヨーロッパブナの芽からとれるエキスを配合。
さらに抗酸化力の高いクランベリーオイルや、髪のしなやかさとツヤを与え熱から髪を保護してくれるアジアンスタンダードな椿油を配合。
頭皮を健やかに保ちながら、いつまでも美しい髪で魅了するような仕上がりを目指しました。
泡立ちにもすぐれ、やさしい泡で頭皮と髪をいたわり仕上がりも滑らか。
芳醇でスイートな気分にしてくれるオリジナルリッチローズの香りです。
シエラ・オーガニカ
硬毛・多毛で広がりが気になる方にオススメのラインです。
「クロロフィル配合」により、頭皮サイクルを整えるオーガニック認証取得のノンシリコンシャンプー。
粘性が低く豊かな泡立ちの使い心地です。
ダマスクローズオイルやローズマリーオイルなどがキューティクルの損傷を抑えながらオーガニックシャンプー独特の軋みを和らげます。
また、髪の内部に浸透し潤いを保つことで特に傷みや枝毛の多い部分をケアします。
ツヤ補修成分であるバオバブエキス・ナギイカダ根エキス・ダイズタンパクなどをふんだんに配合しています。
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