世界で1年間に廃棄されている歯ブラシの量は約36億本です。
そのほとんどがプラスチック由来の素材でできています。
そして多くの歯ブラシが海に流されたり埋め立てられたりして、地球に大きなダメージを与えている原因の一つになっています。
2050年には海洋プラスチックゴミの量が、海を泳ぐ魚の数を超えると言われています。
また、プラスチックをつくるための石油は地球上に埋蔵してある量に限りがあるため、消費し続ければいつかは枯渇してしまいます。
歯ブラシといえば、購入してから捨てるまでのスパンが短いプラスチック製品。
逆に言えば、これをプラスチックフリーに置き換えることが出来たら、とても大きな環境負荷の低減に繋がります。
竹のサステナビリティ
竹の成長スピードはとても速く、世界で一番早く育つ植物であることがギネス記録に認定されています。
木は成木になるまで10年以上かかりますが、竹は3年程度で成竹になります。
木が成長するスピードよりも木を伐採するスピードの方が上回ってしまったら、これは地球にとって持続可能ではありません。
でも竹なら伐採したとしても、またすぐに生えてきます。
加えて、竹なら生分解性があるので、仮に捨てられてしまっても、プラスチックとは異なり最終的に自然に還ります。
地球とモノづくりという関係性において、とても持続可能性の高い植物が竹なのです。
竹歯ブラシの選び方
ボディやヘッドのサイズ感とか、ブラシの硬さとか、そういう一般的なの歯ブラシの話は省きます。
竹歯ブラシには選び方のポイントがあるのです。
それが「素材と値段」です。
実は竹歯ブラシといっても、すべての竹歯ブラシが生分解性100%の素材でできているわけではありません。
いずれの商品もボディこそ竹で出来ていますが、ブラシの部分の素材が商品によって異なります。
- 豚毛
- PBT樹脂
- 飽和ポリエステル樹脂
- ナイロン6
- ナイロン610
・・・などなど。
まぁ色々な素材があります。
とにかく徹底的に環境負荷に配慮したいなら、植物由来のバイオマス素材であるナイロン610とかはオススメです。
ただし!ブラシの素材まで生分解性が追及された商品は、お値段もそれなりに高くなります。
個人的に思うのは、サステナビリティにおいて、最も難しいけど、最も大切なことは「継続すること」です。
歯ブラシの出費を負担に感じて普通のプラスチック歯ブラシに戻ってしまったら本末転倒。
ボディ部分だけでも生分解性のモノに切り替えられたのなら、消費される石油の量も、流出するであろうプラスチックの量も減らせることは間違いないわけです。
サステナブル生活は0か100ではありません。
変化の度合いはたった1%であっても、大きな進歩です。
ですから、お金に余裕がある人はブラシの素材までこだわりぬかれた商品を、そうでない人はコスパ重視で選んでも全然OKだと思います。
大切なのは、ご自身の経済状況に合った商品を選ぶこと、そして選び続けることです。
おすすめ商品
Laboos
コスパの高さが人気の台湾製歯ブラシLaboos。
カラーバリエーションも豊富なので家族での使い分けに便利。
初めて竹歯ブラシを使う人にオススメです。
mana.ORGANIC LIVING
筆者が初めて買った竹歯ブラシがmana.ORGANIC LIVINGです。
この商品が他の製品と一線を画すのはFSC認証を取得しているという点。
FSC認証は、森林の持続可能性に配慮した木材が使用されていることの認証です。
しかも、manaは売上の1%が環境保護団体に寄付されます。
ヘッドが大きめなので人によって好みは分かれると思いますが、サステナビリティとお値段のバランスに優れた商品です。
MiYO -organic-
manaに次いで2本目の竹歯ブラシとして購入したのがMiYO -organic-。
小さめのヘッドが好みの人はMiYOがオススメ。
ボディは薄めで、かつデザインもシンプルで洗練されています。
コスパを重視したい人で、Laboosみたいに色分けのデザインが嫌な人はMiYOを選びましょう。
BALIISM
古来から自然と共存する事を大切にしてきたバリ島で設立されたブランド。
天然竹を使用したオーソドックスな平型形状の柄。
ブラシ部分は毛先が細く柔らかい毛質が特徴のナイロン610を使用。
ナイロン610は植物由来のひまし油から製造され、BPAを含まず人体にもやさしいのが特徴。
また、環境や社会問題に配慮した商品に贈られるオルタナサステナブルセレクションやグッドデザイン賞を受賞したりしています。
環境負荷という意味では今回紹介した中でおそらく最もサステナブル。
とにかくサステナビリティ重視な人にオススメ。
最後に
私はこれまで数多くのエシカル商品を買ってきました。
そのうえで個人的に感じるのが、エシカルな商品って「環境にはいいけど使い勝手が微妙」みたいな商品が多いんですよね。
でもエシカル商品って1回買えばOKとかそういうものではなく、買い続けることが何より重要なんですよね。
例えばヘチマのスポンジとかは使いづらくて、正直1回だけ買ってリピートはしていません。
その点、竹歯ブラシはどれを選んでも、プラスチック製歯ブラシに比べて「明らかに使い勝手が悪い」みたいなケースは少ないです。
これからサステナブル生活を始めるという皆さん。
ぜひ竹歯ブラシだけは、お気に入りの商品を見つけ、買い続けてみましょう!
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