商品が作られてから店頭に並ぶまでの背景を想像して買い物をすることをエシカル消費と呼びます。
そしてエシカルコスメとは、地球環境、生産者、動物などに配慮して作られた化粧品がエシカルコスメです。
つまり、一般的なコスメは環境とか生産者の権利とか動物の尊厳に配慮せず、作られているということです。
エシカルコスメの選び方
エシカルコスメといっても、商品によって「何に配慮をしているか」が異なります。
具体的に言えば、商品によって
- 「環境」に配慮しているコスメ
- 「生産者」に配慮しているコスメ
- 「動物」に配慮しているコスメ
などがあります。
ですから、皆さんは何に問題意識を持っているのかによって、最適なエシカルコスメが変わってきます。
環境
多くの化粧品は農薬を使用して栽培された原料が含まれています。
しかし、農薬は土壌に含まれる微生物を殺し、土地を弱らせてしまいます。
土壌は二酸化炭素を吸収する機能を持っているため、農薬によってその機能が損なわれる可能性があります。
そのため、農薬を使用していない、有機栽培で作られたオーガニック原料が、地球環境にとっては望ましいです。
有機原料を含んだコスメのことをオーガニックコスメとも呼びます。
オーガニックコスメも広い意味でエシカルコスメの一種です。
地球環境に問題意識を持っている人はオーガニックコスメを選びましょう。
【関連記事】オーガニックコスメおすすめ3選!化粧品の選び方に要注意?
生産者
多くの商品は、途上国で生産した原料を先進国のメーカーで商品化する、という構図で作られます。
しかし、どうしても途上国の生産者は先進国のメーカーに従うしかないケースが往々にしてあります。
時として途上国の生産者に不当に安い報酬しか支払わない、といった労働搾取が行われることもあります。
労働搾取は貧困問題などに繋がるため、世界の貿易の仕組みとして問題視されています。
こうした取引の不均衡を解消するための仕組みがフェアトレードです。
フェアトレードで取引をすれば、生産者に対して正当な対価が支払われます。
動物
多くの化粧品は商品化をする際にアレルギーテストのために動物実験を行います。
しかし、人間が使う化粧品のために動物の尊厳を無視して実験を行うことに対して、近年は倫理的な問題があるとの声が高まっています。
そのため、化粧品によっては動物実験を排除している商品もあったりします。
動物実験をしていない場合、それを証明するための「クルエルティフリー認証」と呼ばれるラベルを取得しています。
また中には、動物由来成分を含んでいない化粧品もあります。
このような化粧品をヴィーガンコスメと呼びます。
ヴィーガンコスメもまた、動物性由来の成分を含んでいないことを証明する「ヴィーガン認証」と呼ばれるラベルで見分けることが出来ます。
おすすめエシカルコスメ
ドクターブロナー
ドクターブロナーは「環境」「社会」「動物」という全方位のサステナビリティに配慮しているブランドです。
最も人気商品であるマジックソープはオーガニック認証の3つ取得し、フェアトレード認証2つ、ヴィーガン認証とクルエルティフリー認証を1つずつ取得しています。
私が知っている中でも最も多くの認証ラベルを取得している商品です。
ドクターブロナーがどれくらいサステナブルかといえば、世界遺産から推奨されているレベルです。
グランドキャニオンの公式ガイドラインに
「グランドキャニオンで使用する洗浄料はドクターブロナーのようなものを」
と記載されています。
THE BODY SHOP
1976年イギリスで誕生したTHE BODY SHOP(ザボディショップ)は、天然の植物原料を主に使用する自然派化粧品ブランドです。
創業者であるアニータ・ロディックは、「企業には世界をよくする力がある」という信念をもとに人権問題・動物実験廃止・環境保護など社会貢献とビジネスの両立を追求してきました。
1987年、農家や生産者など経済的自立を支援するために、世界に先駆けて独自のフェアトレードプログラム「コミュニティトレード」を開始。
寄付や援助ではなく、継続的かつ公正な取引を直接行うことで、農家や生産者は、雇用が守られ安定した収入を得ることができます。
現在、30年以上世界23ヵ国31サプライヤーと直接取引を行っており、長期にわたって人々の生活をサポートしています。
全製品の95%がコミュニティフェアトレードの原料を使用してるので、私たちは、ザボディショップのアイテムを購入することで貧しい地域に住む人々を救えるんです。
生産者に配慮できるエシカルコスメといえば間違いなくTHE BODY SHOPです。
Badger
バジャーは世界トップレベルのエシカルコスメブランドです。
環境・社会問題に取り組むサステナブル企業を審査する、合格率5%の厳しい認証B Corpを知るとバジャーのすごさが分かります。
世界で4000社近い企業が認証を受けていて、パタゴニア、THE BODY SHOP、エティーク、エコアルフ、allbirdsなども認証を受けています。
認証を受けているだけですごいB Corpの認証をバジャーも受けているんですが、企業の中で最高評価を受けた企業に与えられる「Best For The World」を、バジャーは2013年~2019年の中で6回受けています。
また、オーガニックコスメ界でトップクラスに審査が厳しいと言われているのが米国農務省の「USDAオーガニック認証」で、日本でいうところの有機JAS認証にあたります。
審査の厳しさゆえに、USDA認証を受けているコスメは数少ないですが、バジャーは大部分の商品で認証を受けています。
オーガニックにこだわるならバジャーは最高の選択肢です。
WELEDA
オーガニックコスメのパイオニアとも言えるべきブランドがWELEDA(ヴェレダ)です。
ヴェレダは1921年に誕生し、創設100年を超える老舗ブランドですが、設立当初から実践されているのがバイオダイナミック有機栽培農法。
原料となる植物は可能な限り、有機肥料や鉱物を選び、天体のリズムとそのエネルギーを活かした農法です。
バイオダイナミック農法はドイツやスイスで普及しており、通常の有機農法よりもサステナブルであるとの声もあります。
LUSH
LUSHは常に動物実験に反対をしてきた化粧品ブランドです。
動物実験をしている取引先からは、一切原材料を調達しておらず、自ら動物実験禁止のキャンペーンや活動を徹底して行ってきました。
LUSHは生産者にも配慮をし「自分たちでしっかりと生産者と信頼関係を築いていきたい」と考え、直接公正な取引をして調達した原材料を使用しています。
加えて環境への配慮も徹底しており、LUSHでは使用済みの空容器を回収し、回収された容器は新しい容器として再利用100%リサイクルをしています。
持続可能な植物由来のパッケージを採用していたり、そもそも容器で包装されていないネイキッド商品も多数展開しています。
さいごに
従来の一般的なコスメだと、自分の外見は美しくなっても、もしかしたら何かが犠牲になっているかもしれません。
でもエシカルコスメを選ぶことで、自分の外見が美しくなるだけでなく、何かを救うことができるかも。
そして、環境、生産者、動物に配慮をした買い物をすれば、自分自身をさらに好きになることが出来るはず。
エシカルコスメは、この世界、そしてアナタ自身に、よりポジティブな変化をもたらすでしょう。
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