有機野菜も無農薬野菜も、環境に負荷をかけずに栽培された野菜のことを言います。
従来の慣行栽培より環境に負荷をかけないとして注目されているんです。
ただ、有機野菜も無農薬野菜も少しだけ基準が違います。
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有機野菜とは?
有機野菜や無農薬野菜についてお話する前に日本の栽培方法についてお話します。
まず日本で最も普及しているのが「慣行栽培(かんこうさいばい)」です。
慣行栽培では、農薬や化学肥料を使用します。
農薬や化学肥料を使用することで、品質が均一化し、生産性が向上するなどのメリットがあります。
しかし、必要以上に農薬や化学肥料が使用されると、土の保水性や保肥性などが失われ、土壌汚染を引き起こしてしまうリスクがあります。
さらに土壌の微生物が減少し、生態系のバランスが崩れます。生態系のバランスが崩れると循環性が失われる可能性もあります。
そのため慣行栽培は、環境に配慮した農法とは言えません。
一方、有機栽培は、農薬や化学肥料に頼らずに水や土などの自然の持つ力を活かし、田畑の生物や土壌の微生物と共生しながら栽培します。
そのため、環境に配慮した循環農法とも言われています。
日本では「化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けること」を基本とし、「農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法」と定義しています。
農林水産省が定める「有機JAS規格」の条件を満たせば、有機栽培されている野菜であると認められます。
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有機JASとは?
有機JAS規格では、「堆肥などによる土づくりを行う」「2年(多年生作物の場合は3年)以上の期間は禁止されている化学肥料及び農薬は使用しないこと」「遺伝子組み換え技術を利用しない」などといった基準が設けられています。
有機JAS認定を受けてなければ「有機〇〇」や「オーガニック」と名乗ることは出来ません。
注意点
ただし、実は有機JASマークがあっても、一部、使用可能な農薬が何種類かあるため、「完全に農薬を使用していないことを保証する」わけではありません。
また、有機肥料には、動物由来と植物由来があり、どちらの使用も許可しています。
動物(主に家畜)の排出物を原料として使用することは問題ありませんが、その家畜のエサについては問題視していません。
つまり、遺伝子組み換えや化学物質が含まれたエサを食べた動物の排出物は規制がないため、結局土壌汚染を引き起こしてしまうかもしれないとの懸念もあります。
ただ有機JASは一部農薬を許可しているものの、「大部分の農薬が使用されていない」ことは保証されているので、お店で野菜を買うときには最も信用できるラベルであることは間違いありません。
無農薬野菜とは?
無農薬野菜とは、その名の通り農薬を使わずに栽培された野菜のことを言います。
有機野菜は国のルールを守らないと罰則を受けますが、無農薬栽培は罰則がありません。
そして農家によって何を持って無農薬とするのかは定義が曖昧です。
あくまで自称なので、化学肥料や農薬を使用している可能性もありますし、化学肥料や農薬を全く使用していない農家もあります。
そのため、農水省の「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」では無農薬や減農薬は、基本的に「特別栽培農産物」と表記することを定めています。
定義があいまいなため、消費者に「無農薬」や「減農薬」と謳うのは誤解を招くとして、厳密に言えば「無農薬」や「減農薬」と表記するのは禁止されているんです。
特別栽培農産物
特別栽培農産物とは、「自然循環機能を維持するために、化学合成された農薬及び肥料の使用を減らして育てた農産物」のことを言います。
化学肥料の窒素成分量が50%以下、節減対象農薬の使用回数が50%以下という基準があります。
特別栽培農産物の表記基準としては、
- 農薬を全く使用していない農産物=「農薬:栽培期間中不使用」
- 節減対象農薬を使用しなかった農産物=「節減対象農薬:栽培期間中不使用」
- 節減対象農薬を削減した農産物=「節減対象農薬:当地比〇割減」「節減対象農薬:〇〇地域比〇割減」など
と基本的には表示しなければなりません。
ただし基準はあるものの、特別栽培農産物という言葉が消費者に浸透していなかったり、罰則があるワケではないので、「無農薬」と表記されている農産物もあります。
※節減対象農薬=有機JASで認められている農薬は使用してもOK。その他の農薬は50%以下に減らすこと
まとめ
有機JASにしても、無農薬にしても、最終的には自分で信頼できる農家さんを見つけるのが、一番納得がいくかなと思います。
たとえば、食べチョクというサービスでは、「自然環境に配慮し、農薬や化学肥料の使用を節減または管理して栽培された商品のみ」を取り扱っています。
食べチョクでは、農家さんの顔を見ることも取り組みを知ることもできま。また、直接生産者さんとメッセージのやりとりもできます。
理想を言えば自家栽培するのが一番安心する方法かもしれませんが、自分で栽培する時間がない人は、こういったサービスなどを利用して、環境に良いかどうか判断するのも一つの手ですよ。
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