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SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」とは?現状・取り組み・私たちにできること

全部で17個あるSDGsのグローバル目標のうち、3個目は

「すべての人に健康と福祉を」

という目標を掲げています。

世界の国々、あるいは日本国内にはどのような健康や福祉の課題があるのか。

また、目標に対して私たちには一体何ができるのか?

本記事で解説させていただきます。

【関連記事】SDGs(エスディージーズ)とは?17の持続可能な開発目標について解説

13個のターゲット

SDGsの目標3には全部で13個のターゲットが設定されています。

ターゲットとはすなわち、どうしたら達成とみなすか、という「基準」のことです。

ターゲットは以下の通りです。

3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
3.2 すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
3.4 2030年までに、非感染性疾患 (NCD)による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
3.5 薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。
3.8 すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
3.9 2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。
3.a すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
3.b 主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 (TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 (TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
3.c 開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
3.d すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。

【関連記事】SDGs「169」のターゲットとは?達成基準を一覧で紹介します

世界の現状

子どもの健康

※100万人単位

出典:ユニセフ

15歳未満の子ども

2018年に、15歳未満の子どものおよそ620万人が予防可能な病気で命を落としました。

また、620万人のうちおよそ530万人が5歳の誕生日を迎える前に亡くなっています。

さらに、行動を起こさなければ2030年までに5600万人が命を落とすとユニセフは言っています。

日本でも生まれて間もないうちに亡くなる子どもはいます。

ただ、これらの子どもたちが日本の子どもたちと決定的に異るのは「助かる見込みがあったのに亡くなった」という点です。

亡くなる原因は下痢や肺炎など、日本で言えばごく一般的な小児期の病気です。

生まれた国の違いだけで生死が決まってしまうのはとても残酷なことです。

サハラ以南のアフリカと南アジア

世界的にみれば、乳幼児の死亡率は改善されてきました。

5歳未満の死亡数は1990年の1260万人から2017年には540万人に減少したのです。

ただし、これはあくまで「世界全体」で見たときの数値です。

特定の地域に限って言えばむしろ増加傾向にあるのです。

それがサハラ以南のアフリカと南アジアです。

これらの地域では5人に4人の割合の子どもが5歳未満で命を落としています。

例えば幼稚園で30人のクラスがあったとしたら、そのクラスでは6人しか5歳の誕生日を迎えられないのです。

妊産婦

妊産婦の死亡率は2000年から2017年の間に38%減少しました。

出生10万人あたりの死亡数で言うと342人から211人に減少したのです。

確実に良い方向へと進んではいるものの、SDGsで掲げている「出生10万人当たり70人未満」という数字には遠く及びません。

2017年の数字ですが、毎日810人の女性が妊娠・出産と共に命を落としています。

それもやはり、予防可能な原因で亡くなっているのです。

すべての妊産婦死亡の94%は、低中所得国で発生しているので、子どもの死亡と同様、地域による偏りがあります。

参照:Maternal mortality

HIV / AIDS、マラリア、その他の病気

HIVの新たな感染者は1998年のピーク以来、40%減少しています。

また、エイズ関連の死亡者数は、2004年をピークに60%減少しています。

認知されはじめた当初は「必ず死にいたる」病気とされていたHIV感染症も、今では「死なない病気」になりつつあります。

ただし、エイズは感染したら一生薬を飲み続ける必要がある病気です。

そうなると当然、薬を継続して購入するためのお金が必要になってきます。

ですから、HIVに関する問題は、貧困に関する問題をセットで解決する必要があるのです。

日本の現状

子どもの死亡率

出典:消費者庁

日本の子どもの死亡率は、2018年で出生数1,000人あたり5歳時未満が2人、乳児が2人、5~14歳児が1人です。

日本に限って言えば、「5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らす」という目標はクリアしています。

また、OECD加盟国の中でも少ない方から6番目ですから、世界的に見ても優れた数字であることが分かります。

国民皆保険制度であること、医療が充実していること、また1948年にスタートした母子手帳などが理由として挙げられます。

妊産婦の死亡率


妊産婦の死亡率に関しては、2016年時点で10万人あたりの死亡数が3.4人です。
やはり日本に限って言えば、SDGsの目標である「妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減」という数値はクリアしています。

HIV / AIDS、マラリア、その他の病気

出典:厚生労働省

HIV/ADIS感染者に関しては、2016年に1448件で、2008年の1126件をピークに横ばいからやや減少傾向となっています。

私たちに出来ること

「すべての人に健康と福祉を」という目標を達成するために、私たち個人に出来ることは一体なにがあるでしょう。

寄付をする

出典:日本ユニセフ協会

SDGsの目標3を達成するために、私たちに出来ることと言えば、ずばりワクチン募金に寄付をすることです。

寄付先はいくつかあると思いますが、ワクチン募金としてはユニセフが最も有名でしょう。

ワクチン供給者として世界の子どもたちの45%、年間25億回分のワクチンを調達しています。

どこに寄付をすればいいか分からない人は、ユニセフに寄付をしておけば間違いないでしょう。

3,000円の支援 命を奪う感染症、はしかから子どもを守る予防接種用ワクチン98回分に。
5,000円の支援 熱に弱いワクチンを低温に保ったまま安全に運べる保冷箱3箱に。
10,000円の支援 子どもたちへの衛生的な予防接種を可能にする使い捨て注射器1,808本に。
30,000円の支援 最も基本的な3種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日咳)1,223回分に。
50,000円の支援 地域保健員15人に子どもの病気への対処法の研修を1日実施。

【関連記事】寄付するならどこがいい?選び方とおすすめ寄付先3選を紹介します

最後に

SDGsの目標3に関しては、医療先進国である日本は世界的に見てクリア出来ている目標です。

ですが、タバコ、お酒、薬物、交通事故、環境汚染などによって健康を害する人はまだまだ多いです。

さらに、SDGsを考える上で大事なのは「誰一人取り残さない」ことです。

日本が目標を達成すればOKではなく、世界全体で達成しなければなりません。

ですから、そのためにも募金をしたりして、世界全体での目標達成を目指しましょう。

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