ポストハーベスト農薬とは、post(後)harvest(収穫)という文字の通り、収穫後の作物に対して使用される農薬のことを指します。
収穫後の農作物に害虫がついたり、カビが発生したり腐敗したりするのを防ぎ、食品の質を維持する目的で使用される場合があります。
メリット
ポストハーベスト農薬のメリットは「食品ロスを減らせる」という点です。
海外から輸入するような食品は長時間かけて運ばれてくるので、途中で腐敗することを防ぐ必要があります。
特に日本のように食料自給率が低く、海外からの輸入に頼っている国の場合、ポストハーベストが問題になりやすいです。
日本での規制
日本におけるポストハーベスト農薬は、防かびを目的として使用される「食品添加物」として定義されています。
食品添加物の定義は以下の通りです。
添加物とは、食品の製造過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。
食品衛生法第4条第2項
つまり収穫後の作物は食品とみなされるため、栽培中に散布されるような農薬とは定義が異なるのです。
食品添加物として指定されていない添加物を使用する食品については輸入、使用、販売等が禁止されます。
残留農薬
食料自給率が低い食品は残留農薬がある可能性が高いです。
例えば小麦、大豆、トウモロコシ、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、バナナなどなど。
スーパーの食品売り場で
「防カビ剤としてオルトフェニルフェノール(OPP)、チアベンダゾール(TBZ)、イマザリル、ジフェニル(のいずれか)を使用しています」
と表記されている場合、本国で収穫後に農薬が散布されたものであることを意味します。
まとめ
食べ物は移動距離が増えれば増えるほど様々な問題が発生します。
産地偽装の問題とかもそうですよね。
移動距離が増え、サプライチェーンに介在する人や企業が増えるからこそ、偽装が可能になってくるのです。
今回取り上げたポストハーベスト農薬も、食べ物の移動距離が増えた結果生じている問題です。
とはいっても、これだけグローバル化が進行してしまった世界ですから、世界との繋がりを断ってしまえばスマホ一つ作れなくなります。
日本政府も積極的に自由貿易を推し進めているので、食のグローバル化が止まることはないでしょう。
本当に食の安全を追求したいのなら、自己防衛するしかないでしょうね。
地産地消を意識して買い物しましょう。
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