SDGsや脱炭素社会の実現がさけばれる昨今、環境や生産者に配慮をして買い物をするエシカル消費が注目されています。
そして同時に、ファッション業界は環境問題や社会問題など多くの問題を抱える業界です。
ですから最近は「エシカルファッション」という言葉を聞いたことがある、という人も多いのではないでしょうか?
ただ、なんとなく環境に優しいとか、生産者に優しいファッションという漠然としたイメージを持っている人もいるかもしれません。
言葉は知ってるけど、人に説明できるレベルでは理解できていないという人も多いものと思います。
ということで、今回は
- エシカルファッションとは実際どんなものなのか
- どうやって取り入れていくべきか
- エシカルファッションを選ぶメリット
- エシカルファッションブランド
などについて紹介していきます。
この機会にエシカルファッションの現状を知って欲しいです。
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注目のサステナブル素材「ヘンプ」が使用されたTシャツとキャップを展開。
ヘンプは栽培に農薬が必要なく、多くの水は必要なく、すべての部位が無駄なく活用でき、CO2吸収量の多い植物。
「1%の行動が環境や社会をよくしていける」というサステラのメッセージ入り。
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エシカルファッションとは
「エシカル=ethical」は直訳すると「倫理的な」という意味です。
要するに、世界に流通している多くの洋服は倫理に反して作られているんです。
ファッション業界は世界で2番目に地球環境を汚染している産業であり、なおかつ生産者の労働搾取をしたりしています。
エシカルファッションはその逆で、地球環境とか生産者に対して配慮をしているファッションというわけです。
もっと分かりやすく言えば「人や地球に配慮をしているファッション」がエシカルファッションです。
厳密にいうと「エシカル・ファッション・フォーラム(The Ethical Fashion Forum)」による基準があります。
基準は以下の通りです。
1. 衣料品を短いサイクルで大量生産する手法に対抗している
2. 公正な賃金、労働環境、労働者の権利を擁護している
3. 地球環境にやさしいサステイナブル(持続可能)な生活を支持している
4. 有毒な農薬や化学品の使用に対する問題提起をしている
5. エコフレンドリーな布や材料を使用・生産している
6. 水の使用を最低限に抑えている
7. リサイクルを行っており、エネルギーの効率化や無駄をなくす取り組みをしている
8. ファッション界におけるサステイナビリティ(持続可能度)を促進・広める活動をしている
9. 資源を提供している、育成をおこなっている、そして/または問題提起をしている
10. 動物の権利を尊重している
引用:FRONTROW
【関連記事】オーガニックコットンとは?メリット・デメリットを解説します
注目されるようになったきっかけ
エシカルファッションが注目されるようになった大きなきっかけがあります。
それは、2013年に起こった「ラナ・プラザの悲劇」です。
ラナ・プラザの悲劇とは、2013年4月24日にバングラディッシュの首都ダッカ郊外にある「ラナ・プラザ」という商業ビルが崩壊し、死者1100人以上・負傷者2500人以上・行方不明500人以上の大惨事になった事故です。
この事故には、先進国のブランドや消費者の需要に対応しようと、洋服の生産量だけを最優先し、元々5階だったビルを無理矢理8階建てにした、という背景があります。
コストを下げるために鉄筋を使わない違法な増築を繰り返し、ビルにひびが入っていることを従業員が訴えても強制的に働かされたと言います。
そして建物の強度に問題を抱えながらも労働者をすし詰め状態で働かせ、とうとうビルが崩壊した訳です。
この事件から、ファッション業界には先進国と途上国の貿易の不均衡があり、労働環境が劣悪な状態にあったことが浮き彫りになりました。
ただし、エシカルファッションを考える上で重要なのは、ファッションブランドだけが悪いわけではない、という点です。
ファストファッションが売れる理由は、ファストファッションの需要があり、実際に多くの消費者がそれを求めて買っている現状があります。
ですから、ファッション業界が変わることも大切ですが、私たち消費者自身が「何を買うか」を選ぶこともまた重要なのです。
洋服の素材と環境
ラナ・プラザの悲劇から、ファッション業界には大きな人権問題があることが浮き彫りになりました。
しかしファッション業界が抱える問題点はそれだけではありません。
ファッション業界は世界で2番目に環境を汚染している産業だと言われています。
水の使用量
ジーンズ1本分の綿を生産するには1万リットル以上の水が必要と言われています。
これは1人分の飲み水の10年分に相当する量です。
カザフスタンとウズベキスタンにまたがる「アラル海」では1960年頃から綿花の栽培などで灌漑農業が盛んになった結果、半世紀で10分の1まで干上がってしまいました。
これは20世紀最大の環境破壊とも言われています。
農薬の使用量
通常のコットンは栽培するときにかなりの量の化学肥料や農薬が使用されます。
世界の耕地面積のたった2.5%に過ぎない綿花畑において、世界の農薬の6.8%、殺虫剤の15.7%が綿花の栽培で使用されています。
農薬をまいた農地などから発生する亜酸化窒素ガスは、二酸化炭素の310倍の温室効果があると言われています。
さらに農薬や化学肥料は土壌の微生物を殺してしまい、土地がやせ細り、生物多様性を損ないます。
オーガニックコットン
エシカルファッションにおいてオーガニックコットンは重要なキーワードです。
オーガニックコットンとは、農薬や化学肥料を使用せず、作られた綿のことです。
通常のコットンはTシャツ1枚作るのに2,700ℓの水を必要としますが、オーガニックコットンの場合は243リットルで済みます。
オーガニックコットンは農薬にも機械にも頼らないので、温室効果ガスの排出量は通常のコットンに比べて46%も少ないです。
加えて「オーガニックコットン」を作る労働者たちにも良い影響を与えます。
たとえば、コットンを栽培するほとんどの農業では化学肥料を使用しています。
そして、世界保健機関(WHO)によるとコットン畑にも大量の毒性の高い農薬が使用されているとの事です。
この農薬によって健康被害で毎年約2万人が死亡しており300万人もの人々が健康を害しています。
更にその農薬を使用した繊維(コットン)の洋服が衣服工場に届き、そこで働いている人にも大きな健康被害が起こっているようです。
また健康や安全性にも問題がある。服を作る各工程で長い間殺虫剤や鉛系の染料にさらされたり、化学物質の中毒になって、体調を崩したり、最悪死に至る例もある。IIS大学による衣服工場の調査によると、例えば布を切る工程では35%の労働者が骨格筋の不調を訴え、20%の労働者にけいれんや呼吸器障害が見つかっている。また縫製の工程では55%の労働者が骨格筋の不調、40%が頭痛のような神経の問題を抱えている。
GNV–ニュースサイトGlobal News View
一方オーガニックコットンは有害な化学肥料を使わないので、労働者の健康に影響は与えず、地球や身体に優しい方法で生産を行っています。
なのでエシカルファッションを取り入れる場合、「洋服を作る上で自然環境に沿った繊維・素材(=オーガニック)を選んだ方が良いよね!」とされているんです。
【関連記事】オーガニックコットンとは?メリット・デメリットを解説します
エシカルファッションとフェアトレード
ラナプラザの悲劇は先進国がコストを削減するため途上国の生産者を搾取したことによって起こった事故です。
こういった先進国と途上国の不均衡を解消するための仕組みがフェアトレードです。
フェアトレードとは「フェア」な「トレード」つまり「公平な貿易(公平貿易)」という意味です。
生産国で作られた作物や製品を適正な価格で取引することで「生産者や労働者たちが人間らしい生活を送り自立することをサポートする」ために作られた仕組みです。
今のファッション業界はファストファッションの登場によって「衣服は安いものが売れる」といった理由で、どんどん生産してどんどん安くしている傾向があります。
安いという事は、コストを抑えるため、弱い立場である衣服工場が安く買い叩かれており、不当な取引価格で仕事を引き受けているという事です。
更に安い洋服を大量生産していという事は、その分工場で働く労働者たちは長時間労働を強いられています。
しかも十分な生活を送ることが出来ないほどの低賃金しかもらっていません。
衣服工場で働く多くは「子ども」や「女性」だったりするのですが、長時間労働のため学校に通えない子どもたちが多くいます。
また、先ほどもお話しましたがコットン等の繊維を作る時って、毒性の強い化学肥料を使用していることもあり、やっぱり自然環境を破壊していたり生産者やそこで働く労働者の健康被害が相次いでいるんですね。
つまり、洋服があまりにも安いせいで貧困に苦しみながら最悪な労働環境で働き人間の基本的な権利を奪われている人達が存在しているという事です。
で、フェアトレードを取り入れるとどう良くなるのかというと、生産者との取引の際はフェアトレードで決めた基準で価格を保証してくれるので不当な価格取引は行われません。
また適切な労働時間と賃金を設定するので、工場で働く人や生産者は安定した収入を得ることができます。
化学肥料を使用しないので生産者や労働者の健康に悪い影響は及びませんし自然環境にも配慮できます。
つまり簡単にいうと「今までの自然環境を破壊したり生産者や労働者の人権を無視した貿易取引をやめよう!」という仕組みがフェアトレードです。
よってフェアトレードによって作られた洋服もエシカルファッションの内に入ります!
【関連記事】フェアトレードとは?メリットや問題点についても解説
サステナブルファッションの違い
どちらも同じ意味です、違いはありません。
エシカルファッションもサステナブルファッションも「人・動物・環境に配慮している洋服」という意味合いです。
人によってはこの2つを区別している人がいますが、個人的にはどちらも同じ意味で捉えています。
というより、こういう用語を区別すると、かえってややこしくなるだけで、無駄に参入障壁が高くなるだけです。
強いていうなら、サステナブル=「持続可能な」、エシカル=「倫理的な」という意味で、持続可能な社会を実現するために倫理的な消費という手段がありますから、サステナブルの方がより広義な意味であり、サステナブルファッションの中にエシカルファッションがある、という感じでしょうか。
でも、この文章を読んですでに皆さん「ややこしいな」と思ったはずです。
サステナブルもエシカルも、大事なのは誰もが気軽に参加をすることです。
自分の快適さだけじゃなく、生産者とか動物とか環境のことも考えて選んだ洋服なら、それはもうエシカルだしサステナブルです。
細かい定義なんか気にせず、好きな方を使いましょう。
気軽にエシカル&サステナブルな洋服を買いましょう!
エシカルファッションの価格
みなさんが洋服を購入する際に考える事としてデザインももちろん大切ですが「お値段」も重要になってきますよね。
実はファストファッションがあまりにも普及してしまったせいで、気付かない人もいるかと思いますが、現在のファストファッションの値段は明らかに破格です。
なので生産者や労働者はその分低賃金にとなってしまいます。
一方でエシカルファッションは環境に配慮し手間や時間をかけています。
オーガニックコットンを使用する場合、農薬や化学肥料が使えない分、生産効率は落ちてしまうので、やはりその分価格は高くなります。
また生産者や労働者に適正な報酬を支払うために、コストカットができない分販売される時は相当の価格となります。
でも、自然にそった栽培をすることも、生産者に適正な報酬を支払うことも、ごく普通のことですよね?
つまり、エシカルファッションの価格は高いのではなく、適正価格です。
ファストファッションが異常に安すぎるといった方が正しい表現です。
エシカルファッションイニシアティブとは
ちなみに「エシカルファッションイニシアティブ」って言葉もよく聞きませんか?
これは世界貿易機関(WTO)と国連の合同機関ITC(国際貿易センター)が立ち上げたプロジェクトです。
内容としては、先ほども問題としてあげた児童労働者と同じ様に工場で働く女性達も不当な扱いを受けています。
例えば長時間働いているのにも関わらず低賃金だったり、日常的に性的暴行が行われている工場があったりします。
なのでエシカルファッションイニシアティブでは、ファッションを通じて経済的・社会的困難な女性達がITCから刺繍や職人のスキルの技術を身に付け、
公正な賃金を得る事で悪い労働環境から自立する「女性達の経済的自立を目指す」プロジェクトがエシカルファッションイニシアティブです。
【関連記事】児童労働とは?現状・原因・解決策・私たちにできること
エシカルファッションを取り入れるメリット
自然環境を守ることができる
エシカルファッションでは、「有毒な農薬・化学品の使用を控える事」や「オーガニック製・リサイクル素材などの自然環境に配慮した布や材料を使用して生産する事」が推奨されています。
先程もお伝えしたように、一般的な農業で育てられた野菜や植物のほとんどは大量の化学肥料が使用されています。
一方オーガニック製は「オーガニック認証」を受けるために土壌を2~3年はキレイにする期間が必要だったりするので、しっかり自然環境に沿った方法で野菜や植物を育てています。
なので、こういった工程で作られたオーガニック製の洋服を消費者がどんどん購入することで、その分オーガニック製の洋服が市場に出回る事になります。
「オーガニック製の洋服が売れる!」となれば、化学肥料を使用していた洋服の需要も次第に減少していきます。
つまり、「化学肥料を使用する農業が減って、自然環境に優しい栽培方法を採用した農業が増える!」といった好循環が生まれると考えます。
なので、エシカルファッションを購入する事で自然環境を良くすることが出来るんです。
またオーガニック製の洋服の他に「リサイクル素材」の洋服を購入する事も考えましょう。
例えば衣服の表記に「素材名」が書かれているかと思います。
リサイクル素材を採用している場合「再生繊維・レーヨン・ポリノジック・キュプラ・・・」と書かれています。
「再生繊維」というのはペットボトルなどを再生して作られた繊維だったり、木材パルプや綿など天然素材を再生して作った繊維のことです。
自然環境にある程度良いとされているので、ぜひ洋服の表記を確認してみてください。
発展途上国の貧しい人々が安心して暮らせる
エシカルファッションを取り入れることで、わたしたちの洋服を作っている発展途上国にいる貧しい人々が人間らしい生活を送ることが出来ます。
洋服の工場は、ほとんどの場合「発展途上国」にあります。
そして発展途上国にいる子供たちは低賃金で長時間労働を強いられており学校にまともに通うことが出来ません。
しかし、私たちがフェアトレードの洋服を買えば、生産者や労働者は適正な報酬を受け取ることができるようになります。
そうすると収入が増えるので、子供たちは学校に通うことができます。
エシカルファッションの問題点
エシカルファッションは自然環境や発展途上国で働く人々の労働環境に配慮されており、当然普及すべきだと思います。
しかし問題点がないわけではありません。
エシカルの古着寄付について
ファストファッションでは「あなたがいらなくなった洋服を寄付します!」という名目で消費者からいらなくなった古着を回収しています。
消費者のいらない古着を回収して、発展途上国やチャリティー団体に寄付をし世界中の貧しい人々を支援すると言って、今までの自然環境や労働環境を破壊していた事を帳消ししようと言った動きがあります。
しかし実際に発展途上国やチャリティー団体では、この寄付された古着が問題となっているのです。
どういうことなのかというと、日本に限らず世界各国の多くのファストファッションが古着を寄付するといった形で何十トンも発展途上国に古着を送り続けます。
そして大量に送られてきた古着がどんどん増えていきます。
なので結果的に発展途上国では「古着がゴミのようにある」ので、製造された新しい洋服は誰も買わなくなっていきます。
そうすると発展途上国の服飾業は潰れていきます。
で、そこの国で生き残る仕事は「結局労働環境の悪い衣服工場」しかないという悪循環が発生します。
以上のことから実際にフィリピンやイエーメンでは古着の輸入を禁止しています。
またアフリカでも古着の輸入禁止を検討しています。
ちなみにハイチ共和国に送られてくる山のような大量の服を”ペペ”と呼ぶのですが、
一度動画を確認して、いかに「古着を寄付することが迷惑」なのか現状を把握しておきましょう。
以上のことからエシカルといっても本当の「エシカル」を考えなくちゃいけない訳です。
たしかに「寄付はいいこと」ですが、国に送る配分だったり本当に支援につながる事を十分に考えなくてはいけません。
エシカルファッションをどう展開していくのか
結局私たち女性は買い物する際に「あ!カワイイ」と洋服のデザインが目に入ってから購入するかどうかを考えませんか?
そして、デザインの次に気になるのは「お値段」ではないでしょうか。
やっぱり自分のお財布事情もありますから、自分の収入に見合っているのかを考えてしまいますよね。
結局のところ洋服を購入するうえで、生産者のことや素材を意識して買う人の割合はそう多くないのです。
といったところから、わたしたち消費者からしてみれば「目にはいったデザインが可愛くてお財布にも優しくて、その上エシカルファッションだった!」というのが理想形ではないでしょうか?
つまりこれって消費者の問題でもあるけどまず一番は作り手の問題ですよね。
さらに言うと、わたしたちはエシカルファッションを取り入れたいけど洋服屋さんになかったら意味がないですよね。
なので、まず作り手はとにかく生産・製造を見直すことから始めてもらい、そのうえで消費者にとって需要のある良い商品を提供することが重要だと考えます。
そうすることが最も手っ取り早く消費者のわたしたちが「エシカルファッション」に協力できる方法なんじゃないかなって思います。
またここまでファッションのお話しを聞いて「どこかで他人事」として捉えてしまいせんか?
なかなか今着ている洋服が「自然環境や労働環境に悪影響があった」なんて、なかなか想像しにくいですよね。
そういった点からちょっと考えさせられる動画を見つけました。
全て英語なので簡単に説明すると、Tシャツが2ユーロ(日本円で約260円)でサイズごとに売られている自動販売機があります。
「2ユーロなら超お得だから買っちゃおうかな!」と多くの人々が自動販売機にコインを投入します。
しかしコインを投入すると映像が流れ「少女マニーシャ」の紹介が始まります。
映像の内容としては「安い服を約13セント(日本円で15円)の時給で作っています。毎日16時間も働いて。あなたはそれでも2ユーロのTシャツを買いたいですか?」といったような内容になっています。
最後には「購入するボタン」と「寄付するボタン」が表示されます。
多くの人々は購入せず「寄付ボタン」を押しています。
動画で出てくるような自動販売機を日本にも設置する事で話題性に繋がると思います。
更に寄付することで「自分ごと」として捉える事になります。
つまり、この自動販売機には「ファッションが問題となっていることを知る→関心が生まる→解決するにはどうするか考えさせられる→最後には行動させる」という循環があります。
この循環がエシカルファッションを自分ごと化して、一人一人が意識を持ってファッションの問題に取り組んでいる感覚となります。
なのでエシカルファッションを推し進めるうえで「自分ごと化」できるような広告の打ち出しなんかも考えた方がいいかもしれません。
どうやって取り入れる?
では今の段階でわたしたちはどうやってエシカルファッションを取り入れたら良いのでしょうか?
たとえば洋服を選択する上で「自分に合う洋服とか合わない洋服」とかもある訳ですし、今はまだエシカルファッションが取り組まれ始めている段階だから市場はまだまだきっと化学肥料を使用した繊維や素材の洋服だらけだと思います。
なので、私たちが簡単に出来るエシカルファッションの取り入れ方をピックアップしました。
ぜひ参考にしてみて下さい!
フェアトレードマークの物か確認する
もし経済的に余裕があれば「生産国・フェアトレードマーク」を確認し購入しましょう。
先ほどもお話したように発展途上国の人々が我々先進国の安い商品を作っています。
その安い商品の裏側では、労働者が低賃金で長時間働いているといったことを一度考えて下さい。
そしてフェアトレードマークのついた商品を購入すれば発展途上国の貧しい人々が「人間らしい生活」を送ることが出来るというのも考えながら買い物をしましょう。
ファストファッションでも買い物の方法を変える!
もちろんエシカルファッションを取り入れたいけど、正直自分のお財布事情もありますよね。
だからファストファッションで別にお買い物しても良いと思います。
ただちょっと購入する際に意識して欲しいことがあって、
「洋服を鏡にあてる、試着する」「3年後もこの洋服と一緒にいれる?」
といった行動や考えを持って欲しいんです。
たとえば洋服を買ったはいいものの、「この洋服、家に帰って着てみたけどやっぱり合わなかったから捨てようかな」って考えた事ってありませんか?
これってすごく勿体無いことです。
何が勿体無いかというと、まずファストファッションの店舗って大体「販売接客をしない」じゃないですか。
ということは逆をいえば自分でゆっくり考える時間があるんです。
考える時間があるってことは自分で「洋服を鏡にあてる、試着する」ということが可能です。
大体洋服を捨ててしまう理由として、
「この色あたしに合わなかったから捨てる!」
「このサイズ感が思ったよりピタッとしてて合わなかった」という事が多くないですか?
しかしこういった問題って、試着するだけで分かる事なんですよね。
だから試着した段階で「あれ?意外と合わない」と気付けるんです。
ということで、とにかく「洋服を鏡にあてる、試着する」といった行動をするだけで、
無駄な消費を避けることが出来ますし、労働者の気持ちも配慮している事になります。
次に「3年後もこの洋服と一緒にいれる?」という事も購入する際にチラッと考えて欲しいのです。
どういうことなのかというと、トレンドものの洋服だったりセール品や友達と買い物した時って、勢いで購入してしまう事もあると思うんです。
で、「結局1回しか着なかったんだよね、この洋服」ってこと多くないですか?
気付いていないかもしれないんですけど結局これって周りに流されていることなんですよね。
よく物を買っても買っても心が満たされないのって実は外側にある価値観を気にし過ぎているからだと考えます。
たとえば「今期はこのアイテムがおすすめ!=おしゃれに見られるにはコレを買わないと!!」みたいな感じです。
元々そのアイテムが「好き!」という感覚だったらいいんですけど、本来自分の求めている大好きなものじゃなかったらいくら何を買っても心は満たされないんですよね。
だから、最初から1回1回丁寧に「これって本当に好き?本当に必要?なんで必要なの?3年後に捨てちゃうってことない?」って自問自答してみて下さい。
また3年後ってここでは言ってますけど、何年後でも良いのです。
ただ洋服を恋人候補だと思って考えたらわかりやすいのかもしれないです。
「この人(洋服)が好きだ!あれっでもこの人(洋服)って大丈夫かな?今後も一緒にいること想像できる?」みたいな感覚で。
とにかく自分の今持っている洋服や洋服の購入を検討する中で「これからも、この洋服を大切にしていく」って気持ちを持つだけでもエシカルファッションに繋がるのかなと思います。
エシカルファッションのブランドのお気に入りを見つける
エシカルファッションのブランドってフェアトレードやオーガニックなどの観点からみると結構な数があります。
なので、たとえば普段から自分の好きなブランドってありますよね。
そんな感じでエシカルファッションも自分に合ったブランドがきっと見つかると思います。
たとえば「Tシャツが欲しいなぁ」と思ったら最初に「エシカル Tシャツ」でも検索してみて欲しいです。
そして1つでも気になるエシカルファッションブランドがあれば、インスタなどでフォローするなりチェックしてみて下さい!
エシカルファッションブランド
それじゃあ実際にエシカル&サステナブルな洋服を販売しているブランドを紹介させていただきます。
【関連記事】サステナブルファッションブランド13選を紹介【2021最新】
O0u×サステラ
サステナブルファッションブランドのO0uとサステナブルWEBメディアのサステラがコラボ。
Tシャツとキャップには注目のサステナブル素材「ヘンプ」が使用されています。
ヘンプは栽培に農薬が必要なく、人間が管理して水を与える必要がなく、収穫したすべての部位が無駄なく活用でき、さらにCO2吸収量の多い植物。
またUPF50、速乾性、調湿、抗菌性にも優れています。
「1%の行動が環境や社会をよくしていける」というサステラのメッセージが込められています。
O0u
国 | 東京 |
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カテゴリー | ファッション全般 |
性別 | メンズ・レディース |
エシカル | オーガニックコットン、リサイクル素材、CO2排出量・水使用量の開示、トレーサビリティ、アフターリペア、アップサイクル |
公式サイト | https://o0u.com/ |
サステナブルな素材や製造技術にこだわり、高品質な商品を手頃な価格で提供している国内ブランドのO0u(オーゼロユー)。
無農薬製法や省エネ管理を徹底して作られた素材や、ペットボトルや古着から作られる再生ポリエステルや木材から生まれるリサイクル原料を積極的に使用しています。
また、デザインやパターンに3DCG技術を活用することで、商品の企画や制作の過程で作るサンプルの量を抑え、AIによる精度の高い需要予測を活用して無駄な調達、生産そして在庫を削減。
さらに、環境負荷を見える化する指標であるHigg Indexのスコアリングを採用し、O0uでは、CO2排出量ならびに水使用量について開示をしています。
「誰が、どこで、どう作ったかを包み隠さず伝える」ため全商品のトレーサビリティが確保されています。
また、一度購入した商品をできる限り長く使える様に、商品の補正、補修のアフターリペアにも対応しています。
着なくなった商品はO0uで回収する事で、可能な限り多くの商品をアップサイクルにまわします。
不用品を価値ある商品として蘇らせる循環システムを整えていきます。
最近は国内でも色々なエシカルファッションが誕生していますが、素材だけでなく、トレーサビリティや商品の循環にまで配慮しているブランドは現状でO0uくらいです。
【関連記事】O0uがサステナブルと言える2つの理由とは?
8000KICKS
国 | ポルトガル |
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カテゴリー | スニーカー |
性別 | メンズ・レディース |
エシカル | ヘンプ素材 |
公式サイト | https://8000kicks.jp/ |
8000KICKSは、吸収性が低く撥水効果を備えた天然のヘンプ繊維を採用しています。
ラバーソールは、ブルームフォーム社と提携し、有害になった藻類ブルームを回収しながら支援する素材を採用。
耐久性とグリップ力があり、環境負荷が低いリサイクル素材です。
アウトドアシーンやカジュアルシーンどちらでも使用できるようなデザイン&軽量化を実現。
ヘンプの水の使用量は綿の5分の1以下です。
また、カーボンプリセットにおいては、ポリエステルや綿と比べてCO2排出量を軽減しています。
さらにヘンプは大気のCO2を吸収し農薬も使用していないため、環境保護に優れている繊維であることが分かります。
ヘンプ農家へのサポートや工場で働く労働者への給与など適正な取引を行っており、環境保護だけでなく労働問題への取り組みも行っています。
筆者も絶賛愛用中です。
とても軽く、フィット感もバツグンで、ヘンプという素材の特性から非常に耐久性が高いです
そして特筆すべきは撥水性の高さ。
面白いくらい水を弾いてくれるので、雨の日にも大活躍です。
ミニマリストでありながら、屋内でも屋外でも、あらゆるシーンに対応できるスタイリッシュなデザインです。
【関連記事】8000kicksのスニーカーを本音レビュー!履き心地やサステナビリティなど
LOVST TOKYO
国 | 日本 |
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カテゴリー | バッグ |
性別 | メンズ・レディース |
エシカル | 植物由来のヴィーガンレザー主にイタリアン「アップルスキン」 |
公式サイト | https://lovst-tokyo.com/ |
LOVST TOKYOは、廃棄リンゴから生まれた「アップルレザー」を始め、野菜やフルーツをアップサイクリングした植物由来のプロダクトを展開するライフスタイルブランド。
注目は何と言っても廃棄されていたリンゴをアップサイクルして作られたイタリアンアップルレザー 「アップルスキン」を用いた機能的かつスタイリッシュなヴィーガンレザーアイテム。
また、単にサステナブルに取り組むブランドではなく、社会問題に対して何かしらの気づきを得たユーザーが抱きがちな本質的な課題を「ポジティブな罪悪感(Positive Guilty)」と提唱しブランドを展開。
罪悪感に寄り添うことで、社会にとっての好循環(巡りの良い暮らし)を生み出すことを目指している。
そして、ブランド名には、「愛(LOve)を持ってヴィーガン/多様性(Vegan/Variety)な考え方を一番(1ST)に尊重できる文化をTOKYO(東京)から発信していく」というメッセージが込められている。
Kesou
約2,000人のパンプスに関する調査から聞こえてきた
「デザインも履き心地も、両方かなえたい。」
という声を受け、クラウドファンディングにより約400人、600万円の支援を受けて誕生したパンプス。
一般的なパンプスより3割も軽く、素材もやわらかいので、痛くなりにくいのが特徴。
19.5cm~27.0cmの全16サイズ展開で、ほぼ100%の女性の足サイズをカバーしています。
主要素材はすべてペットボトルの再生糸を使用したサステナブル素材を採用。
必要な分だけ生産を行う受注生産なので、無駄な生産・廃棄を避けることが出来ます。
【関連記事】Kesouのパンプスがサステナブルだけでなく品質も重視した理由
BOODY
国 | オーストラリア |
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カテゴリー | インナー&ウェア |
性別 | メンズ・レディース |
エシカル | 竹素材 |
公式サイト | https://www.boody.co.jp/ |
エコ先進国のオーストラリアで誕生したBOODY。
BOODYのサステナブルなポイントは何と言っても持続可能性の高い植物「竹」の繊維が使われている点。
竹の成長スピードはとても速く、世界で一番早く育つ植物であることがギネス記録に認定されています。
木は成木になるまで10年以上かかりますが、竹は3年程度で成竹になります。
木が成長するスピードよりも木を伐採するスピードの方が上回ってしまったら、これは地球にとって持続可能ではありません。
でも竹なら伐採したとしても、またすぐに生えてきます。
加えて、竹なら生分解性があるので、仮に捨てられてしまっても、プラスチックとは異なり最終的に自然に還ります。
地球とモノづくりという関係性において、とても持続可能性の高い植物が竹なのです。
しかも竹は抗菌・抗真菌力に優れており、防臭効果も高いことから、下着にはピッタリの繊維です。
インナーウェアのブランドとしてスタートしたBOODYですが、数多くのアパレルも扱っています。
また、BOODYは売上の1%が環境保護活動に寄付される「1% for the Planet」に加盟しています。
買い物をするだけで地球環境の保護に貢献することが出来るのです。
【関連記事】BOODYの口コミ・評判14選と実際に購入した感想を紹介
HUNTER
英国王室御用達の伝統的な長靴に代表されるレインブーツブランドHUNTER(ハンター)。
ハンターのウェリントンブーツはラテックスゴムから手作りされており、機械化などによる生産の過剰な効率化をしていません。
使用するゴムは、工場の近くにあるゴム農園から調達するため、材料輸送などのCO2排出の削減に貢献しています。
天然資源の持続可能性にも配慮しており、森林管理協議会(FSC®)の認証を得て、初のFSC®認証を受けたオリジナルブーツコレクションを発表。
自然や地域の生物多様性を保護するために、FSC®の基準に基づいて定期的に独立した監査を受けた、適切に管理されたゴム農園から採取された天然ゴムを使用して作られています。
ハンターは極力動物性の素材を削減しており、今すぐ代替できない動物由来の材料については厳格な基準を設けています。
オリジナルトールブーツ、オリジナルショート、オリジナルチェルシー、プレイ、リファインドブーツなど多くの商品はヴィーガン製品です。
ヴィーガン製品に関してはすべて動物保護団体PETAの認証を受けています。
またソーシャルな活動にも力を入れており、難民キャンプで過ごすシリア難民、人口の3分の1が貧困層であるモルドバの社会的弱者(高齢者、障害者、危機に瀕した子供や孤児)、オランウータンの保護活動を行う団体、東ティモールやカンボジアの低所得農家などに無償で長靴を提供しています。
rrrrrrrrr(ナインアール)
服を過剰に作らない、人と環境にやさしいサスティナブルファッションブランドrrrrrrrrr(ナインアール)。
あらかじめニーズにあった生地の開発や選定を行い、用途に困らない服を設計することで、最適な生産数を把握し、服を過剰に作らないのが特徴。
原価を下げるための大量生産や、値引きを前提とした大量生産をせず、必要な数だけを生産します。
サステナブルファッションを名乗るブランドでも、ここまで徹底して生産数をコントロールできているブランドはそう多くありません。
デザインもベーシックなものが多く、流行に左右されることなく長く着用できるという点もまたサステナブルなポイント。
また、現在、日本で販売されている服の内、国内で縫製されている服の割合は「2%」ですが、ナインアールは佐賀の縫製工場ですべての服を作っています。
カーボンフットプリントの観点からも生産過程は国内で完結する方がCO2排出量が少なくて済みます。
もちろんオーガニックコットンやリサイクル素材といったサステナブル素材も採用されています。
【関連記事】rrrrrrrrr(ナインアール)がサステナブルと言える3つの理由とは?
Stella McCartney
ファッション・アクセサリー/メンズ・レディース・キッズ
公式サイト・通販:https://www.stellamccartney.com/jp
Instagram:https://www.instagram.com/stellamccartney/
常にベジタリアンであり続けるステラ・マッカートニーのデザインには、レザーやファーが一切使用されていない。
エシカルファッションブランドでは有名なラグジュアリーブランド。
使用している素材は環境にやさしい素材を採用している。
People Tree
ファッション・アクセサリー/メンズ・レディース・キッズ
公式サイト・通販:http://www.peopletree.co.jp/index.html
Instagram:https://www.instagram.com/peopletreejp/
“人も木も地球に生きるすべてがフェアに暮らせる世界に”がコンセプトのフェアトレード専門ブランド。
フェアトレードによって作られたオーガニックコットンをはじめとした手仕事の商品を通じて途上国の自立支援を目指しています。
日本では270以上の店舗が扱っている。エシカルな企業としても有名だ。
エシカル初心者は「People Tree」から始めてもいいかもしれない。
Patagonia
ファッション/レディース・メンズ・キッズ
公式サイト:http://www.patagonia.jp/home/
通販:http://www.patagonia.jp/search/?cgid=root
Instagram:https://www.instagram.com/patagoniajp/?hl=ja
アウトドア・スポーツシーンに適した機能的なウェアを販売。
1996年から製品に使用するコットンをすべてオーガニック製にチェンジ。
またリサイクル・ポリエステルを使用したり環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑えるため
努力を続けている。
エシカルファッションセレクトショップ国内外
Piece to Peace(ピーストゥピース)
取り扱いブランド:OmniPeace、FEED、LIVGRN、Raven+Lily、ESPEROS、Bioje、TABLE FOR TWO OSUSOWAKE、Sulci…
公式サイト:http://www.piecepeace.com/
通販:http://www.piecepeace-shop.com/
「えらぼう、地球貢献」をコンセプトに気軽に地球貢献できる場として、エシカルファッション事業に取り組んでいる。
エシカルファッションをセレクトショップ、デパート等で展開。
A Scenery Beyond(シナリービヨンド)
取り扱いブランド:Kowtow、Mayamiko、Symbology、EscamaStudio、Martiniano、
Veja、Oses-Duro、The Root Collective…
公式サイト・通販:http://scenerybeyond.com/
Instagram:https://www.instagram.com/scenerybeyond/
Fair Trade(フェアトレード)プロダクト、エココンシャスプロダクト、ビンテージアイテム、職人によるハンドメイド品を国内外から独自に集めたエシカルファッションのセレクトショップ。
SISAM ORGANIC(シサム工房)
公式サイト:http://www.sisam.jp/
通販:http://store.sisam.jp/fs/product/c/fairtrade-chetna#OCsetsumei
世界・国内フェアトレードの商品を販売。
ファッションの他、雑貨・インテリア、食品を多く扱っている。
実店舗も展開中で京都・大阪・神戸・東京の8店舗を構える。
Nossa Bossa
ファッション/レディース・メンズ・キッズ
公式サイト・通販:http://nossabossa.jp/
「フェアトレード、オーガニック、ナチュラル、手仕事」をコンセプトにした雑貨&エコロジーファッションの通販サイト。
シンプルでナチュラルなモノが好きな店長がブラジルとの縁をいかしてブラジルの魅力的な商品を紹介。
コットンは環境に負荷をかけないで栽培し加工時には漂白剤などの薬品を使っておらず、栽培から加工・製造まで余計な化学薬品は不使用なのでオーガニックな仕上がりを追求。
エスカマスタジオLove &sence
ファッション・アクセサリー/メンズ・レディース
公式サイト:http://www.love-sense.jp/
通販:http://shop.love-sense.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/loveand_sense/
フェアトレードのセレクトショップ。
フェアトレード商品などの輸出入・販売を行なっている。
リサイクルのプルタブで作られたバッグはとても斬新なデザインです。
またフェアトレード認証のコットン100%のシャツも売られている。
まとめ
エシカルファッションを取り入れるメリットとして
- 自然環境を守る事ができる
- 貧困の労働者を助けることができる
といった点があり商品を購入する上ではフェアトレードマーク、再生繊維が使用されているか確認をすることです。
でもエシカルファッションを無理矢理取り入れるんじゃなくて、あくまで自分の生活に余裕があったらで良いと思います。
ただ安カワイイ洋服を購入するのであれば、1回1回丁寧に洋服が必要か何のために必要かなど自問自答して本当に自分の好きなものを購入して欲しいなぁと思います。
そしてその「安カワイイ洋服」が販売されている背景には、自然環境を破壊したり生産者や労働者の人権を無視しているといったことも把握しましょう。
以上でエシカルファッションとはどういうものなのか、どうやって取り入れていくべきなのかを紹介させていただきました。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
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