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ASAKARAにインタビュー!ヘンプの可能性とインドの社会問題について

持続可能な植物として注目されているヘンプ。

成長が早く、基本的に栽培時には農薬を使用しません。

また、茎は洋服の繊維や紙に使用でき、種子は食品や化粧品として活用できます。

持続可能な地球を目指すうえで、ヘンプという植物は大きな可能性を秘めているのです。

そんなヘンプの種子を使用して、プロテインを販売するのが「ASAKARA」です。

ただヘンプを使用するのではなく、インドの社会問題にも貢献出来るとのこと。

どんな想いでASAKARAを立ち上げたのでしょうか?

今回、ASAKARAの代表である橋本さんにお話を伺いました!

目次

ASAKARAとは?

ASAKARA代表・橋本さん

——事業内容について教えてください。

橋本さん:私たちは、インド・ヒマラヤ山脈の麓で採れる自然栽培のヘンプシードプロテインを輸入しております。

添加物は一切加えず、農薬、化学肥料を使用していないヘンププロテインとメープルシュガーとオーツミルク粉末を混ぜたASAKARA PROTEIN オリジナルフレーバーを2022年4月から販売開始しております。

商品について

——プロテインを販売する理由を教えてください。

橋本さん:ヘンププロテインは、アレルギー持ちや乳製品が体に合わない方にも摂取いただけ、タンパク質以外の食物繊維、マグネシウム、鉄分などの人にとって必要不可欠とされる30以上の栄養素が含まれるため、販売をすることにしました。

現在、国内のプロテイン製品は大きく分けて2種類あります。

牛乳由来のプロテイン、大豆由来のプロテインです。

牛乳由来のプロテインでは、25%の日本人が持つとされる乳糖不耐症*1(乳製品の消化が難しく、お腹を下してしまったり、ガスが溜まってしまったりする)に合わない場合があります。

一方、大豆由来のプロテインは、アレルギー持ちの方が摂取するのは難しいという現状があります。

ヘンププロテインには、これらのようなプロテイン市場の課題を解決する可能性を秘めているため、最終的に取り扱うことを決めました。

是非、これまでのプロテインは体質に合わなかったという方々にASAKARA PROTEINをお試しいただきたいです。

——取得している認証はありますか?

橋本さん:Vege Project JapanというNPO法人が発行している「ヴィーガン認証」を取得しています。

食の多様化が進む中で、どのような人にとっても召し上がっていただける製品を作らせていただきました。

その他にも現在のパートナーである作り手の方々と、有機JAS等の資格を取得する予定で準備を進めております。

——生産から販売まで全て自社で管理しているのですか?

橋本さん:現在は、現地のサプライヤーとパートナーシップを組み、栽培、製造、販売までの工程を管理しています。

生産者の方々とも、日本で私達が実施しているプロジェクトを共有させていただき、地球にも人にも優しい循環を作り、その循環が大きくなるよう、今後も持続的にサポートをしていきます。

SDGsの取り組み

——貴社がどのようにSDGsに取り組んでいるのかを教えてください。

橋本さん:ASAKARAでは、3点の課題解決に向けて事業をさせていただいています。

SDGs1.貧困をなくそう

橋本さん:売上の一部を、現地の作り手の暮らしのサポートに活用することで、長期的に作り手に寄り添った事業を行います。

金銭等の一時的なサポートではなく、有機肥料・農具・ノウハウなどを供給することで持続的な支援を行います。

このような関係性を築いていくことで、良い製品を作ろう、と作り手、サプライヤーがお互いに責任感を感じながら事業に取り組むことができています。

SDGs3.すべての人に健康と福祉を

橋本さん:高栄養価のヘンプシードを活用し、日本の平均寿命と健康寿命の10年のギャップを縮めていきます。

ASAKARA PROTEINのユーザーからお声をいただいている「お通じが良くなった」といった声や「腸がきれいになり、肌ツヤがよくなった」「体が軽くすっきりするようになった」といった声をデータ集計し、定性化していくため、2022年中に国内大学と共同研究を進める予定です。

SDGs11. 住み続けられるまちづくりを 

橋本さん:ヘンプ栽培の際、牛糞等の自然肥料を使用し、化学肥料や農薬を使用しないことで、作り手が住んでいる環境を保護することに貢献します。

また、ASAKARAを通して、心身ともに健康になってもらうだけでなく、住みやすい、綺麗なまちづくりを実現するために、趣旨に賛同いただいた企業様とプロギングというスウェーデン発祥のスポーツを実施しています。

SDGsに取り組む理由

——事業にSDGsを取り入れるようになった経緯を教えてください。

橋本さん:創創業当初から「農業をテーマにしたビジネスでインドの作り手の方々の暮らしをサポートする」ことを目的として掲げ、当事業をはじめました。

そのため、事業として「1.貧困をなくそう」と「11. 住み続けられるまちづくりを」の2つのSDGsの考えとマッチする部分がありました。

さらに取り扱うヘンプについて調べていくと、タンパク質や食物繊維、マグネシウムなどの健康をサポートする成分が多く含まれていることが分かり、3番目の目標である「すべての人に健康と福祉を」にも取り組んでいくことになりました。

——もともとSDGsに興味があったのですか?

橋本さん:もともとSDGsという言葉自体に興味があった訳ではありません。

貧困問題や環境汚染などの社会問題に対して興味があり、たまたまSDGsやサステナブルという言葉に出会いました。

私は8年前にインドに留学をし、インドと日本の異なる環境にカルチャーショックを受けました。

その中で環境問題や貧困問題に対して、今後人生をかけてアプローチしていきたいと感じ、ASAKARAという事業を立ち上げました。

SDGsの課題

——事業とSDGsを両立するうえで課題に感じていることはありますか?

橋本さん:SDGsに関心がある人と、関心が少ない人のギャップが大きいと感じています。

この課題に対して強く感じるのは、ギャップを埋めることができれば、SDGsの目標達成に向けてより力強く前進ができるということです。

私たちはこのギャップを「食」という分野から埋めていきたいと考えています。

この考えに至ったきっかけとして、大学院在籍時に「外国でt起こる社会問題を、どのようにしたら自分ごととして捉えることができるのか」という教育手法に関するテーマで研究をしていたことが挙げられます。

このテーマを深掘りしていくと、外国の社会問題を自分ごととして捉えるために最も効果が高かったのは「私生活に、社会問題について考えるきっかけがある」という非常にシンプルなものでした。

こういった背景もあり、より多くの人から愛されるプロダクトを作ることで、外の世界を考える「きっかけ」を作ることができるのではないかと信じています。

そのためプロダクトも、栽培から製造方法、配送まで全ての工程において最も環境負荷が少ない方法を採用しています。

インドでの経験

——インドを留学先として選んだ理由とインドでの経験を教えてください。

橋本さん:私はもともと、外国に行って英語を勉強しようと考えていました。

留学が出来る国はたくさんありますが、中でもインドは人々がどのように過ごしているのか、留学はどんな感じで進んでいけるのか一番想像がつかない国だったので、面白そうだと感じてインドを選びました。

インドで印象的だった経験は2つあります。それは、インド国内の貧富の差と、ガンジス川で出会ったおじいさんにかけられた言葉です。

貧富の差について、日本には見えない貧困というのがありますが、インドでは歴然と貧困の差が見えます。

超高層ビルの脇には世界最大のスラム街があり、スーツをビシっと決めている人の横には物乞いがいます。

そういった状況を目の当たりにして、驚きとともに「この差は一体何だろう?」と疑問を抱きながら生活をしていました。

また、留学を終えるタイミングで、インドで有名なガンジス川に行き散歩をしていた時のことです。

紅茶を販売しているおじいさんに急に話しかけられたんです。

「お前はその命を何に使いたいんだ?俺はチャイを作ってお前を幸せにしたい」と。

f私はそれまでにこのような質問を聞かれたことがなかったので、何も答えられませんでしたが、これは人生を変える大きな質問の一つとなりました。

留学から帰国する途中で、インドでの経験を思い返した時に「これまでの経験を活かして、インドの社会問題を解決しよう」と心に決めました。

「インドで見た景色」と「ガンジス川で出会ったおじいさんの一言」で、私は人生をかけてどう生きていくかが明確になりました。

ヘンプについて

——インド・ヒマラヤ山脈の麓で採れるヘンプを選んだ理由を教えてください。

橋本さん:私が前職で分析機器メーカーに勤めており、インドのお客様から「ヒマラヤ産ヘンプシードの成分、農薬の分析をして欲しい」という依頼があったことが始まりのきっかけでした。

当時はヘンプについて詳しく知らず、ヘンプシードについて調べてみると、栄養価が高いうえに栽培時も農薬や化学肥料を使用せず、雑草のようにぐんぐん育つことから、作り手の収益の支えになることが分かりました。

また、近年の温暖化で、不作により生活難に陥る作り手の方が多くいることを論文や現地調査で確認し、今ある命をインドの生産者の方々と、日本に住む方、いずれは世界中の方の健康を支えることをしよう、と決意し、そのまま前職を退職し、後にASAKARAを立ち上げました。

——ヘンプの魅力について教えて下さい。

橋本さん:ヘンプの魅力は、栽培時の環境負荷が少ないにも関わらず、活用方法が多様なことです。

今回私たちが取り扱うヘンプシードは1粒に30種類以上の栄養食品を含む貴重な栄養食品として活用できます。

また、茎は布の生地としても使われています。

それ以外にも、ヘンプの特性を活かしてプラスチックや紙などの原料として使われています。

ヘンプを有効活用出来るように推進していくことは、貧困、環境、健康といった社会課題解決のためにも、重要な役割を持つと感じています。

今後のSDGsについて

——今後、貴社で新たにやっていきたいSDGsの取り組みがあれば教えてください。

橋本さん:まずは、今は掲げているSDGsの3つの目標に、忠実に取り組むことが何よりも重要だと考えています。

自分達の持っているリソース、エネルギーを集中させることで、様々な問題解決は可能になり、その先にまた新しい目標が見えてくると信じています。

将来的に多くの利益を得た時には、世の中の困っている人々を助けることができる事業を展開していきたいです。

これからについて

——貴社の展望を教えてください。

橋本さん:まずは、サステナブルな食品原料であるヘンププロテインを活用した事業展開を進めていきます。

たとえば、青山にある美腸活カフェ ‘L for You’様とは、ASAKARA PROTEINを活用した腸活メニューを開発していただいたり、素材にこだわったロースイーツを提供されているJewel Tree様には、ロースイーツのベースとなる生地部分にASAKARA PROTEINを使用し、さらに栄養機能を高めていただいたりと、お店、ブランドの個性に合った形でアレンジをしてもらっています。

当原料をお取り扱いいただくことで、少しでも作り手とお客様が支え合う循環を大きくしていきたいと考えております。

イベント情報

2022年7月6日(水)~7月12日(火)にかけて、新宿伊勢丹のビューティーアポセカリーにてポップアップイベントを行います。

催事中は、ASAKARA PROTEINを無料でお試しいただけたり、L for You様、Milco sweets様とASAKARA PROTEINのコラボ品を販売したりします。

お近くにお越しの際は、お立ち寄りいただけたら嬉しいです。 

最後に

以上がASKARA代表の橋本さんのインタビューでした!

現在日本でもヘンプは注目されていますが、ASAKARAはトレンドだからヘンプを扱っている訳ではありません。

インドの社会問題をどのように解決していくかを研究したうえで、ヘンプシードを使用した商品を展開しているのです。

消費者である私たちが数あるプロテインの中からASAKARA PROTEINを選ぶということは、健康的な生活を送るだけでなく、インドの社会問題を解決し、環境問題も解決することが出来ます。

皆さんもぜひ、日々の生活にヘンプを取り入れてみませんか?

そして一緒に社会問題や環境問題を解決していきましょう。

ASAKARA公式サイト

ASAKARAのInstagram

【参考】
*1)奥 他: 日本栄養・食糧学会誌, 55(6): 353, 2002

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