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SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは?世界の現状や取り組みを紹介!

SDGsには多くの目標があり、個人でも目標達成に貢献できる目標もありますが、実際には多くの人の協力がなければ実現ができない目標も多くあります。

また、それぞれの国が国内の努力で実現できる目標もある一方で、やはり多くは国同士の協力がないと実現が難しいです。

いずれにせよ、SDGsで掲げる多くの目標を達成するには、企業や個人、消費者、投資家、研究者、NPOなど様々な立場の人が対等に参加することが不可欠です。

そんなわけで、SDGsでは「パートナーシップで目標を達成しよう」という目標を掲げているわけです。

【関連記事】SDGs(エスディージーズ)とは?17の持続可能な開発目標について解説

目次

19個のターゲット

「パートナーシップで目標を達成しよう」

といっても、具体的な指針がなければ皆で同じ目標に向かって突き進むことができません。

というわけでSDGsはそれらの具体的な指針のことを「ターゲット」と呼んでいます。

SDGsは全部で17個のグローバル目標と169個のターゲットで構成されています。

そのうち、目標17についてはターゲットが19個あるということです。

資金 17.1 課税および徴税能力の向上に向けた国際的な支援などを通じて、開発途上国の国内資源の動員を強化する。
17.2 先進国は、多くの国が達成することをコミットしているODA/GNI比0.7%を開発途上国に、うち0.15~0.20%を後発開発途上国に提供することを含むODAコミットメントを完全実施する。ODA供給国が、少なくともODA/GNI 比 0.20%を後発開発途上国に提供するというターゲットを設定することを考慮することを奨励する。
17.3 複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する。
17.4 必要に応じた負債による資金調達、債務救済および債務再編の促進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国 (HIPC)の対外債務への対応により債務リスクを軽減する。
17.5 後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入および実施する。
技術 17.6 科学、技術、およびイノベーションに関する北南協力、南南協力および地域的・国際的な三角協力を強化するとともにこれらへのアクセスを向上する。また、国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整改善や、グローバルな技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件において知識共有を進める。
17.7 開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及、および拡散を促進する。
17.8 2017年までに、後発開発途上国のための技術バンクおよび科学・技術・イノベーション(STI)キャパシティ・ビルディング・メカニズムを完全運用させ、情報通信技術(ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化する。
能力構築 17.9 北南協力、南南協力および三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼったキャパシティ・ビルディングの実施に対する国際的な支援を強化し、すべての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援する。
貿易 17.10 ドーハ開発アジェンダにおける交渉完了などにより、WTOの下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、平等な多角的貿易システムを促進する。
17.11 開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍増させる。
17.12 WTOの決定に従い、後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透明、簡略的かつ市場アクセスに寄与するものとなるようにするなど、すべての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスを適時実施する。
体制面 政策・制度的整合性 17.13 政策協調や政策の首尾一貫性などを通じて、世界的なマクロ経済の安定を促進する。
17.14 持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する。
17.15 貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間およびリーダーシップを尊重する。
マルチステークホルダー・パートナーシップ 17.16 持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップのマルチステークホルダー・パートナーシップによる補完を促進し、それによるナレッジ、専門知識、技術、および資金源の動員・共有を通じて、すべての国々、特に開発途上国の持続可能な開発目標の達成を支援する。
17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。
データ、モニタリング、説明責任 17.18 2020年までに、後発開発途上国および小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対するキャパシティ・ビルディング支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置、およびその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる。
17.19 2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP以外の尺度を開発する既存の取り組みを更に前進させ、開発途上国における統計に関するキャパシティ・ビルディング(能力構築)を支援する。

【関連記事】SDGs「169」のターゲットとは?達成基準を一覧で紹介します

南南協力

ある分野で開発の進んでいる途上国が、別の途上国の開発を支援することを「南南協力」と呼びます。

開発の進んだ国の多くが北半球にあり、途上国の多くが南半球にあることから、先進国と途上国の間の経済的格差の問題を「南北問題」と呼びますが、南南協力は途上国同士の間の協力であることから、このように呼んでいます。

ただ、南南協力は援助する側もまた途上国であるため、資金が足りないなどの問題が出てくることがあります。

そうした場合に、先進国が、技術、資金、援助の経験・知識などを補うことを、途上国間の協力に先進国も参加する「北・南・南」による「三角協力」と呼びます。

【参照】南南・三角協力

ドーハ開発アジェンダ


出典:WTOドーハ・ラウンド交渉 ~自由貿易体制の共通インフラ強化~

ドーハ開発アジェンダとは、貿易障壁を取り除くことを目的とする世界貿易機関(WTO)主催の多角的貿易交渉のことです。

「ドーハラウンド」と呼ばれることが多いですが、「ラウンド」の名称を使用することに開発途上国からの反発があるため、ドーハ開発アジェンダが正式な名称です。

関税引き下げ、サービス貿易の自由化、アンチダンピング・補助金協定、途上国の開発促進や環境関連物品・サービスの自由化など多岐にわたる分野が交渉されています。

新興途上国と先進国、輸出国と輸入国など、交渉分野によって各国が対立し、交渉は難航しています。

マルチステークホルダー

課題解決の鍵を握る組織や個人を“ステークホルダー”と呼びます。

そして、3者以上の多様なステークホルダーが対等な立場で参加し、協力して課題解決にあたる合意形成の枠組みをマルチステークホルダー・プロセス(MSP)と呼びます。

多様なステークホルダーが参加することで、多様な意見を反映させることができ、社会的な正当性を得ることが出来ます。

私たちにできること

フェアトレード商品を購入する

【関連記事】フェアトレードとは?メリットや問題点についても解説

フェアトレードがもたらす恩恵は生産者により多くの利益をもたらすという側面だけではありません。

「コミュニティ開発」という側面もあります。

例えばWFTO(世界フェアトレード機関)のフェアトレード基準は、価格条件だけでなく

  • コミュニティ全体への技術移転
  • コミュニティ投資の促進(ソーシャルプレミアムを使った学校建設、井戸、診療所、公民館等々の建設など)
  • 生産の多角化
  • コミュニティビジネスの育成

などがあげられます。

東ティモールでは、フェアトレードのコーヒーやハーブティの開発のみならず、バルシックは住民の生計向上を目指すコミュニティ開発に取り組んできている。
農村女性の起業支援および循環型農業と森林保全が中心的な取組みである。
有機農業技術や畜産技術の指導(特用林産物の技術改善と新しい商品の導入、薪貯蔵庫、ロケットストーブ、バイオガスの導入)で、養豚、養蜂(蜂蜜)、ハイビスカスティ、ふりかけ、おもち、ヴァージンココナツオイル、加工食品を街道沿いで販売、地域特産品開発、ピーナッツバター、女性たちの縫製品を地元市場で販売、首都でも販売するに至っている。
こうしたコミュニティビジネスの成功は、まず主婦グループの組織化(女性クラブの立ち上げ)から始めている。
出典:フェアトレードビジネスモデルの新しい展開

もちろん、すべてのフェアトレード団体が商品開発において、このような奥行きある取組みが行なわれているわけではないが、フェアトレードのビジネスモデルにはこうしたコミュニティ開発志向が基盤としてある。片足を開発協力に、片足をビジネスに置き、その接点とバランスを追求しビジネスとして立ち上げるのがフェアトレードであり、結果としてよりよいコミュニティ開発をもたらしているのである。
出典:フェアトレードビジネスモデルの新しい展開

フェアトレードは生産者だけでなく、地域のコミュニティを巻き込んだ、多様な主体が参加する認証制度です。

そしてフェアトレード商品を購入することで、私たち消費者もフェアトレードの参加者となり、パートナーシップで途上国のエンパワーメントに貢献できるのです。

【関連記事】SDGsの身近な例10選!個人でできることと私の取り組み

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この記事を書いた人

持続可能な社会の実現を目指す300人以上の生活者や企業が集まる「サステラコミュニティ」運営。生まれも育ちも神奈川県横浜市。現在は鎌倉市在住。2018年にWEBメディアの会社を起業。フォロワー9万人のInstagramを中心にSDGs、地球温暖化、エシカル消費などの情報を発信しています。

【プロフィール詳細】
https://susterra.net/ryu/

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