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レジ袋有料化はなぜ?効果は?意味ない?個人的に思うこと

レジ袋が有料化になってから1年以上たちました。

相変わらず賛否両論があるテーマです。

環境大臣の交代をきっかけに「元に戻せ」なんて意見もあったほど。

ところで、レジ袋を有料化したことで、何かしらの効果があったのでしょうか?

不便さを感じている人もいるでしょうから、それなりの効果を期待する人がいるのも当然です。

レジ袋有料化の効果を知るためには、そもそも

「なぜレジ袋を有料化したのか」

を知る必要があります。

目次

なぜレジ袋有料化?

レジ袋有料化の目的について、経済産業省の

「レジ袋有料化Q&Aガイド」

にはこう記されています。

プラスチック製買物袋(いわゆるレジ袋)は、日々のくらしの中で身近な存在です。
それだけに今回の有料化を通じて「環境のためにできることはなんだろう」と考えるきっかけになるのではないでしょうか。
たとえばマイバックを持ち歩く習慣が生まれるなど、環境のために一人ひとりのライフスタイルに変革を促すことが本制度の目的です。
出典:レジ袋有料化Q&Aガイド

レジ袋を有料化したのは、海に浮かぶレジ袋の数を減らすことが最大の目的ではありません。

レジ袋分の石油の消費量やCO2排出量を下げること、これも真の目的ではありません。

それでは一体、何の目的があってレジ袋を有料化にしたのでしょう?

それはずばり・・・。

「消費者のライフスタイルの変革をうながすこと」

これに尽きます。

レジ袋有料化はあくまでも

「地球環境に配慮した生活に切り替えてもらうための第一歩」

に過ぎないのです。

ライフスタイルの変革

どこかのニュースで

「レジ袋をやめてエコバッグにした場合、エコバッグを〇回以上使わないと環境に良いとは言えない」

といった内容の記事を見かけたことがあります。

それは「買い物袋だけ」にフォーカスして考えたらその通りです。

でも、エコバッグに切り替えた人が、エコバッグを起点にして

「エコバッグを持ち歩くのは意外と苦じゃないし、他にももっとエコなアクションができるかも!」

そう思う人が出てきたらどうでしょう?

エコバッグをきっかけに、ペットボトルを買うのをやめてマイボトルを持ち歩く人が出てくるかもしれません。

エコバッグをきっかけに、プラスチックシャンプーから固形シャンプーに切り替える人が出てくる可能性もあります。

エコバッグをきっかけに、食べるお肉の量を減らす人だって出てくる可能性もあります。

つまり「買い物袋の環境負荷」だけで比較をしても大して意味はないんです。

レジ袋有料化は、あくまでも

「環境に配慮をしたライフスタイルに切り替えるためのきっかけ」

でしかないのですから。

「一人分の環境負荷」

で考えることの方がもっと大切です。

効果はあった?

レジ袋有料化の効果について

「どれくらい海洋プラスチックゴミは減ったのか」

「排出されるCO2の量は減ったのか」

と思う人がいるかもしれません。

でも、レジ袋有料化と、これらの結果は直接的には関係がありません。

すでに述べた通り、レジ袋有料化の目的は「ライフスタイルの変革」です。

そりゃあ、海洋プラスチックゴミや地球温暖化を解決するにはレジ袋だけをどうこうするだけでは焼け石に水でしょう。

レジ袋以外にもプラスチック消費量は抑える必要はあるし、それこそ再エネやEVを普及させることも重要です。

でも、レジ袋有料化の目的は「ライフスタイルの変革」です。

ですから、効果がったかどうかを論じるなら

「環境に配慮をしたライフスタイルに切り替える人が増えたかどうか」

でしょう。

少なくとも、環境に関心がなかった人たちがSNSやニュースのコメント欄とかで

「プラスチックと環境問題」

について熱心に調べて、議論を交わしています。

個人的な意見ではありますが、「環境問題に関心をもってもらう」という意味では一定の効果があったんだろうと勝手に思っています。

最後に

有料化の対象が、最初はレジ袋だけだったというのは割と良い選択だったと思います。

あらゆるプラスチック製品の中で、有料化をしても国民生活への影響が少ないのがレジ袋だからです。

最初から容器やら包装やらを全て有料化していたら、効果こそあれ、企業や国民の反発はレジ袋の比じゃなかったでしょう。

求められる変化の度合いがあまりに大きすぎるからです。

まず初めにストレスの少ない変化を大衆に求め、徐々に対象範囲を広げていくのは政治の定石です。

実際、2022年からはプラスチックスプーンなども有料化することが決まりました。

ですから、レジ袋有料化の効果を論じるのは、重箱の隅をつつくようなものです。

大いなる変化の導入に過ぎないんですから。

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この記事を書いた人

持続可能な社会の実現を目指す300人以上の生活者や企業が集まる「サステラコミュニティ」運営。生まれも育ちも神奈川県横浜市。現在は鎌倉市在住。2018年にWEBメディアの会社を起業。フォロワー9万人のInstagramを中心にSDGs、地球温暖化、エシカル消費などの情報を発信しています。

【プロフィール詳細】
https://susterra.net/ryu/

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 環境問題に関心を持ってもらう、大いなる変化の導入に過ぎない。その一方でプラスチック業界や日本の産業についてお考えになられた事はありますか?倒産や廃業に追い込まれた企業がある事実も合わせて考える必要があります。SDGsとは誰一人残さないのではないのでしょうか。職を失って生計を立てられなくなる人も居るけど1つの項目に当てはまっているから良いということですか。それはサステナビリティと言えますか?そういう企業をどうするのかを考えて救済する案を確立してから実行したほうが良いと考えます。

    • コメントありがとうございます。
      SDGsが誰ひとり取り残さないというのはその通りですが、取り残さないというのは、なにも全ての企業を存続させよう、という意味ではありません。
      例えば、本来であれば教育を受けるべき年齢の子供が貧困を理由に働かざるをえず、世界の教育から取り残される…このような不条理をなくそうという意味です。

      資本主義社会における民間企業は自由競争によって成り立っています。時代の変化に対応できず淘汰されてきた企業は、歴史を振り返れば数え切れないほど沢山あります。
      産業革命によって蒸気機関が登場し、多くの手工業職人が職を失ったのも時代の変化です。
      インターネットの台頭によって潰れた古本屋、レンタルビデオショップ、沢山あるでしょう。
      それも時代の変化です。

      そして、サステナビリティというものもまた、時代の変化によって生まれた不確定要素です。
      不確定要素によって成長する企業もあれば倒産する企業もある、それが資本主義社会、自由主義社会というものです。
      全ての企業を生かすべきだというのは資本主義社会を否定しています。

      私自身、小さいながら会社を経営していますから、企業というものはリスクと常に隣り合わせであることを十分承知しております。

      時代の変化にどう対応すべきかを考えるのは企業自身です。
      実際、日本の石油系の企業も再エネの企業を買収したりして、生き残りをはかろうとしています。

      なぜプラスチック企業だけは世界から子どものように手厚く守られなければいけないのか分かりません。

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