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SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」とは?世界の現状や取り組みを紹介

世界は不平等である、ということは皆さんなんとなく感じていることでしょう。

そして、何を不平等と感じるかは、人によって大きな違いがあります。

お金持ちの人との格差を感じる人もいれば、人種による差別を感じている人もいる。

あるいは、紛争が絶えず発生している地域の人から見れば、日本という先進国に住んでいるだけで全員幸せだと感じるかもしれません。

いずれにせよ、不平等というのは間違いなく世界のあらゆる場所に存在しているのです。

もちろん、すべての人が完全に平等になるのは難しいことかもしれません。

しかし、不平等が広がり続ければ、やがて争いを生むことになります。

完全な平等は実現できなくとも、平等な世界を目指し続ける姿勢は、サステナブルな社会の礎となります。

そんなわけで、国連はSDGsの10番目で「人や国の不平等をなくそう」という目標を掲げているのです。

【関連記事】SDGs(エスディージーズ)とは?17の持続可能な開発目標について解説

目次

10個のターゲット

「人や国の不平等をなくそう」

といっても、どういう方法でどういう格差をどれくらいなくすのか、といった具体的な指針がなければ皆で同じ目標に向かって突き進むことができません。

というわけでSDGsはそれらの具体的な指針のことを「ターゲット」と呼んでいます。

SDGsは全部で17個のグローバル目標と169個のターゲットで構成されています。

そのうち、目標10についてはターゲットが10個あるということです。

10 各国内及び各国間の不平等を是正する。
10.1 2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。
10.2 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々のエンパワーメント、および社会的、経済的、および政治的な包含を促進する。
10.3 差別的な法律、政策、および慣行の撤廃、ならびに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。
10.4 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。
10.5 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。
10.6 グローバルな国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。
10.7 計画に基づき良く管理された人の移動政策の実施などを通じて、秩序の取れた、安全で一定的かつ責任ある移動やモビリティーを促進する。
10.a 世界貿易機関(WTO)の協定に従い、後発開発途上国をはじめとして、開発途上国に対する差異のある特別な待遇の原則を実施する。
10.b 後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国および内陸開発途上国をはじめとするニーズが最も大きい国々を対象に、各国の計画やプログラムに従って、政府開発援助 (ODA)および外国直接投資を含む資金フローを促進する。
10.c 2030年までに、移動労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を超える送金経路を撤廃する。

【関連記事】SDGs「169」のターゲットとは?達成基準を一覧で紹介します

世界の現状

所得格差

富をうまく再分配することが出来たら貧困、飢餓、紛争などあらゆる問題解決に繋がります。

しかし、世界の所得格差は相変わらず大きく、世界で最も裕福な8人が、最も貧しい36億人分と同じ資産を所有しています。

社会における所得格差の大きさを測る指標を「ジニ係数」と呼びます。

アイスランドは0.25、日本は0.33、南アフリカは0.62。

0.4以上は格差への不満が高まり、0.6以上はいつ暴動が起きてもおかしくない危険ラインと言われています。

【参照】https://www.oxfamamerica.org/explore/research-publications/an-economy-for-the-99-percent/

子供の死亡率

開発途上国では、最貧層の20%の子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に死亡する確率が、最富裕層の子どもたちに比べて3倍も高いことが明らかになっています。

社会保障

社会保障は世界的に大幅に拡大されていますが、障害者が壊滅的な医療費を負担する可能性は、平均の5倍にもなります。

妊産婦死亡率

ほとんどの開発途上国では、妊産婦死亡率が全体的に低下しているにもかかわらず、農村部の女性が出産時に死亡する確率は、都市部の女性の最大3倍に達しています。

ジェンダーギャップ

所得格差の最大30%は、女性と男性の間を含む世帯内の格差に起因しています。

また、女性は男性よりも所得の中央値の50%以下で生活する可能性が高い。

【関連記事】ジェンダーギャップ指数とは?日本の順位と意味を解説

障害者

10億人の障害者人口のうち、80%が開発途上国に住んでいます。

子どもの10人に1人は障害を持つ子どもです。

重度の障害を持つ人のうち、障害者手当を利用できるのは、世界全体で28%、低所得国では1%に過ぎません。

私たちにできること

フェアトレード

先進国で商品を安く売るために、途上国の作物や労働力などが不当に安く取引されています。

このような国家間取引の不平等を是正するための仕組みがフェアトレードです。

例えばフェアトレードのコーヒーは普通のコーヒーに比べれば少し割高ですが、その分コーヒー豆の生産者に適正な報酬が支払われることになります。

【関連記事】フェアトレードとは?メリットや問題点についても解説

まとめ

以上がSDGsの10番目の目標「人や国の不平等をなくそう」の解説です。

産まれた場所によって人生の難易度が大きく変わってしまうのは、とても悲しいことです。

才能ある小さな子供が、貧しい国に生まれたというだけで日の目を見ることができないのは、世界にとって大きな損失です。

世界が抱える課題を解決するため、あらゆる可能性を引き出すために、不平等を解決していくことが必要です。

【関連記事】SDGsの身近な例10選!個人でできることと私の取り組み

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この記事を書いた人

持続可能な社会の実現を目指す300人以上の生活者や企業が集まる「サステラコミュニティ」運営。生まれも育ちも神奈川県横浜市。現在は鎌倉市在住。2018年にWEBメディアの会社を起業。フォロワー9万人のInstagramを中心にSDGs、地球温暖化、エシカル消費などの情報を発信しています。

【プロフィール詳細】
https://susterra.net/ryu/

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