ホエイ、カゼイン、ソイの3種に加えて第4のプロテインとして注目されているピープロテイン。
ピー(Pea)は日本語で「えんどう豆」を意味します。
つまりピープロテインとは、えんどう豆を原料とする植物性プロテインのことを指します。
- えんどう豆に良質なタンパク質とビタミンB群とEが含まれている
- ヴィーガンやアレルギー持ちの人でも飲める
- 環境負荷が小さい
といった理由から、近年ピープロテインに注目が集まっています。
ピープロテイン市場はすでに2億ドル規模を超えており、2025年には2倍の規模になると予想されています。
しかし一体なぜピープロテインはこれほどまで注目されているのでしょうか?
本記事ではピープロテインの効果について解説させていただきます。
メリット
タンパク質
エンドウ豆には、タンパク質や炭水化物などの栄養素が豊富に含まれています。
一般的に、植物性タンパク質は動物性タンパク質よりも消化・吸収されづらいと言われています。
しかし、エンドウ豆のプロテインは、植物性プロテインの中でも、大豆プロテインやヒヨコ豆に次いで消化されやすいことが研究で明らかになっています。
【参照】
・Protein – Which is Best?
・Evaluating the quality of protein from hemp seed (Cannabis sativa L.) products through the use of the protein digestibility-corrected amino acid score method
必須アミノ酸
植物性タンパク質は通常、必須アミノ酸がすべて含まれているわけではない「不完全なタンパク質」であるため、いくつかの食べ物を組み合わせて接種する必要があります。
しかしピープロテインには、9種類の必須アミノ酸がすべて含まれており、肉に似た「完全なタンパク質」なのです。
また、分岐鎖アミノ酸、特に血流や心臓の健康を促進するアルギニンや、筋肉の成長を促進するロイシン、イソロイシン、バリンを多く含んでいます。
鉄分
エンドウ豆のプロテインパウダーには、鉄分も豊富に含まれています。
商品にもよりますが、1食あたり約5~7.5mgの鉄分が含まれています。
鉄分は日本人が不足しやすい栄養素の一つです。
1日に必要な鉄分の推奨量は18~64歳の女性では月経なしの場合6.5㎎、65歳以上の女性で6.0㎎。
18~74歳の男性では7.5㎎、75歳以上の男性で7.0㎎です。
BCAA
BCAAとは、運動時の筋肉でエネルギー源となる必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンのことです。
ピープロテインにはBCAAが豊富に含まれており、商品にもよりますが平均的には約4000mgが含まれています。
ホエイプロテインとほぼ同等の量です。
ヴィーガン・アレルギー
ピープロテインは、ヴィーガン、グルテンフリー、乳製品フリーです。
ピーナッツ、木の実、卵、魚、貝、牛乳、小麦、大豆の上位8つの食物アレルゲンを含みません。
そのため、ほぼすべての食事に対応しています。
筋肉増強
ピープロテインは一般的なプロテイン同様、トレーニングと組み合わせることで、筋肉の増強に役立ちます。
ある研究では、ウェイトリフティングを行う男性が、1日50gのエンドウ豆プロテインを摂取した場合、ホエイプロテインを摂取した場合と同じ量の筋肉を獲得したそうです。
このことから、エンドウ豆のプロテインパウダーは、一般的な乳製品ベースのプロテインパウダーと同様に、筋肉量の増加に効果があると考えられます。
言わずもがな、運動をせずにピープロテインを飲んでも筋肉への効果は期待できないので、継続的な運動と組み合わせましょう。
整腸作用
ピープロテインには食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。
便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下などの効果があります。
ダイエット
ピープロテインのタンパク質は消化が遅いため、満腹感を長時間維持します。
満腹感が維持されれば、食事回数を減らすことができるため、ダイエット効果が見込めるということです。
高タンパクなピープロテインは、食後の満腹感を高めるのに適した選択肢です。
【参照】
・Short-term effects of macronutrient preloads on appetite and energy intake in lean women
脂肪・糖分
グリーンピースが属するマメ科の植物は、食物繊維、タンパク質、微量栄養素が豊富ですが、脂肪や糖分はほとんど含まれていません。
そのため、LDL(悪玉)コレステロールの値を下げ、血圧を下げ、糖尿病の管理にも役立ちます。
また、植物性タンパク質には炎症を抑える効果があることがわかっており、これにより冠動脈性心臓病のリスクを低減することができます。
環境負荷
これまで私たち人類は食肉によって多くのタンパク質を賄ってきましたが、人口増加によって需要と供給が10年以内に逆転すると言われています。
家畜は地球上の全陸地の30%を使用し、世界のCO2排出量の18%を占めていることから、今後の人口増加を考えると畜産という食料システムは立ち行かなくなる可能性が高いです。
1キログラムの動物性タンパク質は、6キログラムの植物性タンパク質を与えることによってのみ得られることがわかっています。
人類が食べれば食糧危機も乗り越えられるほど膨大な量の穀物を牛や豚に与えているのが現状です。
えんどう豆からタンパク質を摂取すれば、土地の使用量も、CO2排出量もはるかに抑えられるはずです。
また、畜産は大量の水を使用しますが、えんどう豆ははるかに少ない水の使用量で済みます。
水の使用量をはかる数値「ウォーターフットプリント」によると、卵、鶏肉、牛乳のタンパク質1グラムあたりのウォーターフットプリントは、エンドウ豆の1.5倍です。
牛肉の場合、タンパク質1グラムあたりのウォーターフットプリントはエンドウ豆の6倍です。
【参照】
・Dry fractionation for sustainable production of plant protein concentrates
・Sustainable protein sources
デメリット
アレルギー
ピープロテインはほとんどの人に適していますが、アレルギー反応を全く起こさないわけではありません。
心配な方は事前に医者に相談をしましょう。
鉄分の吸収率
植物性食品に含まれる鉄分は、動物性食品に含まれる鉄分よりも吸収率が低いです。
これを改善するには、エンドウ豆のプロテインパウダーにビタミンCを加えたものや、柑橘類などのビタミンCが豊富な食品を摂取することで、鉄分の吸収率を最大67%高めることができます。
メチオニン
ピープロテインは必須アミノ酸のうち「メチオニン」の含有量がやや少なめです。
卵、魚、鶏肉、牛肉、豚肉、玄米など、メチオニンを多く含む食品を食事に取り入れることで、この点を補うことができます。
おすすめ3選
人工甘味料・砂糖不使用、グルテン不使用、アレルゲン不使用、また、植物性タンパクを使用することにより身体に優しいだけでなく環境破壊にも優しいプロテイン。
えんどう豆と玄米の2種類の植物性たんぱく質を独自比率で配合。
1食あたりのタンパク質20以上、アルギニン1629mg、分岐鎖アミノ酸(BCAA)4230mgという配合量を実現。
人工甘味料、保存料、砂糖、着色料は不使用。
グルテンフリー・アレルゲンフリーで安全性を徹底。
本品は添加物を一切使用していません。
味はえんどう豆の素材そのものです。
ヨーロッパの広大な大地で栽培、収穫されたエンドウ豆をフランスの専用工場へ輸送し、加工されています。
非遺伝子組み換えのえんどう豆を分別生産流通管理。
グルテン不使用、ノンアレルゲン。
植物性で、乳、大豆、卵などのアレルゲンは含まれていません。
遺伝子組み換え大豆に抵抗がある人も安心して接種できる、非遺伝子組み換え食品。
筋肉の修復、生成に不可欠な3種のアミノ酸・BCAA(イソロイシン、ロイシン、バリン)の含有量はホエイプロテインと同等レベル。
ノンフレーバー、アミノ酸スコア100、無添加。
ピープロテイン市場が伸びているアメリカ本国で人気の高いNOW®SportsPeaProtein。
NOW®SportsPeaProteinは、消化が容易なタンパク質が24グラム含まれている非GMO植物性タンパク質分離物。
一杯分で、4,200mgを超える分岐鎖アミノ酸と2,000mgを超えるアルギニンが含まれています。
混じりけのない風味で、好きな飲み物に混ぜて飲むことができます。
最後に
まだ日本ではなじみが薄いピープロテイン。
しかしアメリカでは着実に市場が拡大しているため、日本で普及するのも時間の問題でしょう。
今はまだ商品のバリエーションも少ないですが、徐々に充実してくるはずです。
今後もピープロテイン市場から目が離せません。
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