ミドリムシは、5億年以上前に地球上に誕生した原生動物です。
正式な学名ではユーグレナと呼ばれます。
植物と動物両方の性質を持った微細藻類です。
ミドリムシといっても昆虫とは全く異なり、ワカメやコンブなどと同じ「藻」の仲間です。
実はこのミドリムシ、人や地球を救ってくれる大きな可能性を秘めた生物なのです。
動物と植物
ミドリムシは葉緑体を持っており、植物と同じように光合成をおこない、植物と同じようにデンプン類を栄養として蓄えることが出来ます。
しかし一方で、泳ぐこともできるし体を変形させて動くこともできる、さらに太陽の光がない環境でも外部から食べ物を取り込んで生きていける、という動物的な一面ももっています。
ミドリムシが動物なのか植物なのかという議論はいまだに決着がついていないようです。
栄養素
動物と植物の両方の性質を備えているミドリムシは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など、59種類もの栄養素が含まれています。
また、成人の必須アミノ酸すべて(9種類)がバランスよく含まれており、人間が生きていくために必要な栄養素の大半を、ミドリムシは含んでいます。
消化吸収
出典:https://www.euglena.jp/whatiseuglena/
野菜の場合、野菜は硬い細胞壁があり栄養素が吸収されづらいのです。
しかしミドリムシの場合、吸収を妨げる細胞壁がないため栄養素を消化吸収しやすいです。
パラミロン
出典:https://www.euglena.jp/whatiseuglena/
ミドリムシは、他の生物にはない特有成分パラミロンを多く含んでいます。
キノコなどに多く含まれるβ-グルカンの一種です。
食物繊維であるパラミロンは、健康への応用が期待され、多くの学者や専門家が研究を進めている注目の成分です。
バイオ燃料
出典:https://www.euglena.jp/whatiseuglena/
ミドリムシは体内に油をつくる性質をもっています。
この油から、バスや飛行機などに利用可能なバイオ燃料をつくりだすことができるのです。
石油は地球上の埋蔵量に限りがあるので人間が使い続ければいつかは尽きますが、ミドリムシは培養ができるので尽きることがないのです。
まさに持続可能な社会の実現に貢献する生物がミドリムシなのです!
地球温暖化対策
ミドリムシは植物と同じように光合成で成長するため、大気中のCO2を吸収する役割を持っています。
また、CO2の濃度が高すぎる環境では植物も窒息してしまい生きることが出来ませんが、ミドリムシは大気中の1,000倍ものCO2濃度の環境でも生きることが出来るのです。
地球上で最も地球温暖化を防ぐのに貢献していると言われるアマゾンの熱帯雨林を超える潜在能力を、ミドリムシは持っていると言われています。
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培養土
ミドリムシのバイオ燃料製造過程から出る残渣を活用し、有機液肥や培養土をつくることができます。
この残渣を用いて複数の野菜や果物を栽培すると、従来の化学液肥と同等の収穫量が得られます。
また使用しなかった時と比べ野菜や果物の根の張りが良く、更には大きさが向上することが研究成果で明らかになっています。
残渣の活用が実用化されれば、ミドリムシを余すことなく活用できます。
バイオマスプラスチック
ミドリムシの体内から抽出した「パラミロン」という成分を化学反応させて作った樹脂を使ってバイオマスプラスチックを作ることができます。
ミドリムシから作ったプラスチックは300~350℃の熱にも耐える優れた熱物性を持ち、石油合成のPETを上回っています。
限りある資源である石油を使わず、プラスチック製生産に伴うCO2排出を削減し、地球温暖化対策に繋がります。
最後に
ミドリムシはあらゆる可能性を秘めた生物です。
地球の危機を救うのは、地球誕生から存在していたミドリムシだったなんて、なんだかロマンがある話ですよね。
ですから、さらに多くのミドリムシを培養して活用をしたいところです。
しかしながら、国内でミドリムシの大量培養をできるのはユーグレナ社だけです。
そしてユーグレナ社は潤沢な資金がある、いわゆる大企業ではありません。
そのため、さらにミドリムシの大量培養を進めるために設備投資が必要であり、そのための資金を健康食品「からだにユーグレナ」などの売上でまかなっています。
というわけで、私はミドリムシの可能性を信じて、からだにユーグレナを買い続けています。
皆さんもぜひお試しあれ。
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