Z世代とは、1990年代中盤から2010年代序盤までに生まれた世代のことを指します。
2022年時点において、10代後半から20代前半の人がZ世代に該当します。
こういったアルファベットの世代分けはアメリカが由来です。
「団塊の世代」「氷河期世代」「ゆとり世代」などは、日本式の世代分けです。
しかしなぜ数あるアルファベットの中でZなのか?
アルファベットはZで終わりだけど、次の世代の名前はどうするの?
などなど、様々な疑問点もあろうかと思います。
本記事ではZ世代について詳しく解説をさせていただきます。
語源
ミレニアル世代、別名「Y世代」の次の世代であることから、Z世代と呼ばれています。
このように名前にアルファベットが付けられた最初の世代が1965年~1980年頃に生れたX世代です。
1991年にカナダのダグラス・クープランドが書いた小説「ジェネレーションX~加速された文化のための物語たち」が名称の由来となりました。
ちなみに欧米由来の世代分けだと、Z世代の次の世代、2010年~2020年頃に生まれた世代は「α世代」と呼ばれています。
ラテン文字の最後に当たるZの次にギリシャ文字の最初に当たる「α」を採用し、新たな時代の始まりをイメージした世代名として、オーストラリアの世代研究者マーク・マクリンドル氏によって2005年に考案されたことに由来します。
生まれ | 特徴 | |
---|---|---|
X世代 | 1960~1980年代生まれ | ・バブル世代、団塊ジュニア世代 ・成人してからインターネット環境に触れるようになる |
Y世代 | 1980~1990年代生まれ | ・ミレニアル世代とも呼ばれる ・インターネットの普及とともに成長 ・成人してからSNSが普及 |
Z世代 | 1990~2010年代生まれ | ・生まれたときからインターネット環境がある ・スマホネイティブ、ソーシャルネイティブ ・学生のときからSNSに触れている |
α世代 | 2010~2020年代生まれ | ・Y世代の子ども ・2030~2040年代に社会進出 |
特徴
ライフスタイル
1990年代後半にはインターネットへの接続機能が搭載されたWindows95が発売され、2000年第前半にはADSLが登場してインターネットが定額制へと移行しました。
このようにインターネットが普及していく様を、ブロードバンド黎明期から目にしながら成長してきたミレニアル世代は、デジタルパイオニアと呼ばれる世代です。
一方のZ世代は、生まれたときには誰もが当たり前にインターネットに接続する環境にあったため、インターネットを上手に使いこなすことができる「デジタルネイティブ」な世代であるといわれています。
また、ミレニアル世代は成人してからSNSが普及したのに対して、Z世代は学生のうちからSNSに慣れ親しみながら成長しています。
そのため、ソーシャルメディアにおけるコミュニケーションを得意とする「ソーシャルネイティブ」な世代でもあります。
テレビや新聞といったマスメディア離れが顕著な世代で、情報収集は主にYouTubeやSNSなどのインターネット環境で行うのが当たり前です。
消費傾向
知名度やブランド名よりも自分の価値観に合う商品かどうかで選ぶ傾向が強いのがZ世代の特徴です。
ミレニアル世代は、1980年代に生まれた人はかろうじて景気の良い時代も経験した世代です。
一方のZ世代は、生まれながらにして日本経済が停滞し続けており、バブル世代などに比べて現実的な暮らしに重きを置く傾向があります。
また、「モノ(商品)」よりも「コト(体験)」に価値を見出す世代であると言われています。
例えば、カーシェアリングが普及しているのは、必ずしもマイカーを保有することを重視しないZ世代の特徴を反映しているといえます。
価値観
他の世代に比べて社会問題や環境問題への関心が強い世代であるといわれています。
幼いころに東日本大震災を経験したこと、またエシカル消費やSDGsなどが学校教育で取り入れられていることが大きな要因です。
SNSを通じて多様な価値観を持つ人たちと接することができるため、多様性やダイバーシティの価値観が強いのも特徴です。
欧米ではZ世代とミレニアル世代を合わせて「ジェネレーション・レフト」と呼ばれたりします。
気候変動、ジェンダー問題、Black Lives Matter、ヴィーガンなど左派的活動を行う者が目立つ世代という意味です。
人口
Z世代は2020年時点で世界人口の約3分の1を占めており、人口割合はミレニアル世代を上回ります。
2020年時点での労働人口の20%を占めるといわれています。
これから消費の中心を担っていく世代であるため、多くの企業はZ世代をターゲットにしたマーケティング戦略を立てています。
ただし、少子高齢化が世界で最も進んだ日本においては、Z世代に当たる人口はおよそ1750万人で、総人口の7分の1弱しかいません。
最後に
世代ごとに分類することで、例えば企業のマーケティング戦略などに生かしたりするメリットがあります。
ただ世代論は、統計に基づく科学的な議論というより、俗論である場合が多い、という点には注意が必要です。
一歩間違えれば「○○世代だから仕方がない」みたいな偏見やレッテル貼りにつながる可能性もあります。
かくいうミレニアル世代の筆者も、新社会人のころにはよく「これだからゆとり世代は~」みたいなことをよく言われたものです。
世代論は、あくまでも「そういう傾向がある」という話に過ぎず、その世代の人だれにでも当てはまるわけではない、ということは念頭に置いておきたいものです。
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